azusaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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相互理解の困難さ、脆さを炙り出している。多くの会話から少しずつ伺い知れる各々の感情やエゴ、それが他者からどう捉えられるか、食い違っていること自体を理解することの難しさ途方もなさ…結局人間はお互いを完全>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

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自分が何者であるかは自分が決める。そうであったなら彼らもどんなに救われただろうか。罪自体は決して消えることは無くそれはそれとして、罪に近い罪ではない存在を罪と混同していないだろうかと省みる。名前を変え>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

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見応えあった!笑えるところも涙を誘うところも、熱く燃えたぎるような歌唱シーンも見たいと思う要素が全部詰まってて最高に楽しかった。終始狂児がめちゃくちゃ色っぽかったな。スーツの着こなしと長い足はもとより>>続きを読む

ダブルミンツ(2017年製作の映画)

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以前原作を読んだときも理解が難しかったが、映画になってもやはり難しかった。何が難しいって登場人物の感情を読み取れないし、理解が及ばない。中村明日美子先生好きだけど、唯一ダブルミンツだけは異色だ。映画に>>続きを読む

ドグラ・マグラ(2010年製作の映画)

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SF設定思いきったな。でもかえってハマっている気がした。エンディング曲はもっとどうにかならなかったのかな。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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夕暮れどきのシーンを撮らせたら三宅監督の右に出るものはないのではないか。そう思うほど夕日の透明なオレンジの光を物語の中に印象的に取り入れている。互いを知り、補い合うことがどれだけ尊いか考えさせられた。>>続きを読む

御法度(1999年製作の映画)

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ワダエミの衣装目当て。漆黒の隊服が美しく映えて、まるで影絵のようだった。松田龍平の演技は拙いが、それがかえってオムファタールである加納惣三郎の特異な雰囲気を醸し出していた。先日観た「首」では北野武が一>>続きを読む

Firebird ファイアバード(2021年製作の映画)

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軍にいながら愛し合うというリスキーな立場の二人に終始ヒヤヒヤした。これが実話に基づくとは。そうだよな、人の気持ちに規定や法で歯止めなどかけられるはずもない。かつてこういう二人が存在したと母国で言えない>>続きを読む

(1985年製作の映画)

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ワダエミのファンとして一度は観ておきたかった。彼女の仕事による衣装が作品理解にすこぶる貢献していて、オスカー受賞も納得のもの。舞台背景は広野や山岳の荒々しさと、城跡の盛者必衰、その中に繰り広げられる狂>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

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ずっと見たかった念願のジャームッシュ作品を映画館で観れたー!嬉しいな。この頃のウィノナライダーは本当にアイコニックで大好き。ボーイッシュでストリートスタイルが似合い、それでいて可愛らしさを併せ持つ。映>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

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テーマは特別凝っているとも斬新とも思わないし、むしろちょっと散らかってる感が否めないけど三浦透子さんの演技に魅了された。かすみの言うこと為すことに共感を覚える。結婚すれば幸せになれるわけじゃない、幸せ>>続きを読む

劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦(2024年製作の映画)

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研磨視点なのがいい。終盤の研磨の目線のシーンで涙が込み上げる。しかも呼吸音だけ。
映画としてはサクッと観られて1日に何度も上映可能な87分という長さは鑑賞者を子供から大人、学生から社会人まで幅広く想定
>>続きを読む

うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

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ずっと見たかった押井監督作品!うる星やつらっぽくないと言われているらしいけど、うる星やつらを知らずに見た私に言わせると面白かった。脚本と演出が凝っている印象。白米とみそ汁と納豆の食事が食べたくなる。牛>>続きを読む

ランユー 4Kリマスター版(2001年製作の映画)

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脚本はスタンダードながら、着目すべきは演出や撮り方。まず鏡の中に相手を映す演出、これは間違いなく覇王別姫の影響だと思う。他にも成功した基盤の崩壊、愛する人の突然の死、彗星のように現れるファムファタール>>続きを読む

ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

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ウォンカーウァイ監督の作品を観るとどうしてこうもノスタルジックな気持ちになるのだろう。当時を知らないどころか外国の情景なのにな。お互いを愛しつつも別れ、それでも二人の約束のイグアスの滝に行くファイ、ア>>続きを読む

さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

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2日経って未だ余韻に浸っている、そのくらいの衝撃を食らった。約10年ぶりに初めて映画館で鑑賞したが、激しく燃え、瞬時に消える愛のなんと哀しくまた美しいことか。炎は消えようとその残像は決して消えない記憶>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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多くの寓意を内包しそれを提示しながら決して重苦しい雰囲気にせず、むしろ表面的な絵面の美やコミカルさを欠かさず鑑賞者を飽きさせない。それでいて過激な描写を厭わず、にもかかわらずいやらしさとイコールではな>>続きを読む

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版(1992年製作の映画)

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スティーブブシェミ目当てで観た。良い目の保養だった。乱れた前髪を撫で付ける仕草も、チップを嫌がって難癖つけるときの態度も、独特な声音も彼の一挙手一投足が色っぽくて最高だった。会話劇もクスッとくる部分に>>続きを読む

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(2024年製作の映画)

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まずは約20年越しの映画化、本当におめでとうございます。子どもの頃からずっと待ってた。キラたちに今また出会える幸せを噛み締めました。
作品としては、福田監督の込めたメッセージが非常にシンプル、かつ原始
>>続きを読む

千年女優(2001年製作の映画)

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平沢進の劇伴が額縁としての役割を大きく担っている。止めどなく展開していく今生の目まぐるしさを表現した劇伴に翻弄される。ふとしたきっかけで出会った人物を追い続け、見えなくなってはまた垣間見える面影をどこ>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

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皮肉にも罪を経て飛び出た世界で初めて自分を受け入れてくれる人々に出会う。生まれる環境は選べず、子どもでは助けを呼ぶ術も知らない。そんな市子は一体どうしたら良かったんだろうか。現実の問題としても深く考え>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

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演出が良かった。裕福な家庭に生まれ何不自由なく愛されて育った子どもだから豊かで当然、と言えばそれまでだが、あの色彩の鮮やかさや周囲から感じる優しさは全てトットちゃんの視界から見える世界だからこそだと思>>続きを読む

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

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子どもから原作ファンまで幅広い層に気を配りつつ、主要キャラの見せ場を確保して作品としての深みも…となるとこのくらいが最小公約数だよなという印象。脚本はさほど凝っているとは思わないしテンポも遅めだけど、>>続きを読む

名探偵コナン vs. 怪盗キッド(2024年製作の映画)

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時間があったから観たけどあくびが出た。怪盗キッドと工藤新一の絡みってもっと見せ方あったんじゃないかなあ。あまりにもテンポが悪くて、特別総集編にする意味があったのだろうか?そこまでして何を示したいのかい>>続きを読む

AKIRA 4Kリマスター版(1988年製作の映画)

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作画、劇伴、脚本、演出、どれをとっても最高。それしか言えない。サブスクで小さい画面で見たのがバカらしく思えるほどの迫力と臨場感。AKIRAは映画館で観るべき作品だ。30年以上経ているとは思えない、全く>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

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初めてのカウリスマキ作品だった。静かで台詞も飾り気もなく好感が持てた。淡々と進む中にクスッとする要素、皮肉が散りばめられている一方、深く味わう間もあり、鑑賞中は揺蕩うようだった。作中のキッチュな色味が>>続きを読む

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)

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清貧生活、求愛、失恋、軍務、有名店の料理長、革命、亡命、質素な食事、上質な食事…一点に留まっていては見えない景色、感情があるということだろうか。食事でも恋でも歌でも、享受できるときに素直に享受しておく>>続きを読む

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

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シュールな脚本だな~あの二人ってたぶん今でいうソウルメイトってことで、初めから恋愛関係ではなかった気がするけど、どうなんだろ?ひたすら美しいジェーンバーキンを映すための作品かな。ジョニーが食べてた白い>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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言葉で表現できないことをたくさん感じた。だから感想も言葉にしない。というか、今の感情を表す語彙を私は持たない。観て良かった。間違いなく今年観た中でトップ。帰り道に缶コーヒー買った☝️

源氏物語(1987年製作の映画)

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2021/1/31 DVD
作画が本当に美しかった。艶目かしさ、妖しさを醸す黒髪と三白眼、散る桜の花弁の下で舞うシーンはその局地。幻想的で思わず呼吸を忘れる。

あの深い妖しさ美しさをスクリーンで味わ
>>続きを読む

イカとクジラ(2005年製作の映画)

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一番まともなのはアイヴァンだった。結局、父親は配偶者に対しての愛情が無くなったのではなく、配偶者のキャリアが自分を上回る成功を見せつつあることを受け入れられないだけだった。自分の教え子に手を出すのも自>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

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もう一回見たくなる部類の作品だった。劇伴が作品の額縁としてとても良く機能している。冒頭からこの主人公は一筋縄ではないとは思ったが、推理含めてとても楽しめた。本作は映画館のスクリーンで観てみたかったな。>>続きを読む

デシベル(2022年製作の映画)

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周波数で起動する爆弾事件は本作の序の口にすぎない。主旨はもっと重く過酷なもので、娯楽に振り切ったエンタメ作品のつもりで観たから驚いた。あの極限の状況でどんな判断を下そうと、それの善し悪しを決めることな>>続きを読む

見えない目撃者(2019年製作の映画)

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ストーリー自体はとても面白かった。ただ主人公が盲目という設定が足枷になっている感じが否めなかった。盲導犬を連れているけど犬より早く走ったり、見えているとしか思えない動き、視線の在りか、盲目になってたっ>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

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近年の日本で聞き覚えのある事件が含有された、とても考えさせられる内容だった。少なくとも当事者たちの声がもっと主体性を伴って扱われたらいいのにと思うし、楓のような影響を被った人たちの存在も改めて提示して>>続きを読む

ディパーテッド(2006年製作の映画)

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最後の展開が至極あっさりなのが逆に良かった。ビリーとコリンがお互いを探り合っていると(とくにコリンは自身がネズミであると同時にネズミを探し、誰かをネズミとしてでっち上げようとするから余計に)何度もどっ>>続きを読む