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夜明けのすべてのazusaのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
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夕暮れどきのシーンを撮らせたら三宅監督の右に出るものはないのではないか。そう思うほど夕日の透明なオレンジの光を物語の中に印象的に取り入れている。互いを知り、補い合うことがどれだけ尊いか考えさせられた。みな違った人間なのだから違った視点で生きているのは当然なのだけど、はたして私たちは普段の生活でどれくらいそれを意識しているだろうか。最初は苦手だったけど最後には出会えてよかったと思える、つまりそう思えるまで自分自身が相手を知ろうとしたということ。小さな人間の中の孤独、途方もない宇宙の星の孤独、それでも周囲に理解しようとしてくれた人たちがいる喜び。またひとり物理的に離れたとしても、それは本当に離れたのだろうか。本当にそうだろうか。エンドロールへの繋がりといい、この後も彼らの生活は続いていくんだと感じさせる三宅監督の表現が好き。はあ…、束の間幸せな時間を過ごした。
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