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海がきこえるのazusaのレビュー・感想・評価

海がきこえる(1993年製作の映画)
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👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏90年代の色彩、学生たちの機敏を繊細に描いていて素晴らしかった。起こったことといえば東京から転校生が来て勉強も運動もできる子だったっていうだけで、生徒たちがざわつき、松野の舞い上がりようもリアルだった。終始、大学生になった杜崎くんに回想として淡々と語らせることで作品に一定のリズムができて、彼らのまだ青かった内面が一層浮き出る。「彼らの」物語ではなく、かつて自分にもあったあの頃を追体験しているようだった。確か小さい頃に一度見た気がするけど、そのときはどういう話なのかよく理解できなかった。子どもすぎたのだろう。「思ひ出ぽろぽろ」然り、大人になってから見るとハッとするほど見え方が異なる作品だった。こんなに素敵な作品があったなんて。宮崎駿が目立ちがちだけど、私にとってスタジオジブリの価値は思ひ出ぽろぽろと本作を生み出したこと、それに尽きる。
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