RIOさんの映画レビュー・感想・評価

RIO

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エキストラ・バージン 世界一のオリーブオイル(2018年製作の映画)

3.7

パパゲーノに乗ったオリーブの実は優雅
鮮やかな緑色をしたオリーブがコロコロと回りながら美しいオイルに姿を変える

オリーブ工場の生産者たちが次々に話だし料理人がエキストラバージンを使った料理を作ってく
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スペアキー(2022年製作の映画)

3.7

楽しい時は長くは続かないと呟く15歳のFiFiことソフィー
詩的に観ると咄嗟に盗んでしまった鍵がきっかけで未知への扉が開かれた

誰もいない家に忍び込むのはそわそわする
勝手に家を占拠していたソフィー
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ザ・マスター(2012年製作の映画)

3.7

私のマスターは人に教えることは出来ないから自分のそのままを見て貰うことだけなんだって言ってます

人生に望むものは何

窓の向こうにある植物に触れる
空に上がる星に触れる
想起から想像へ
何でも触れる
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ディズニーネイチャー/フラミンゴに隠された地球の秘密(2008年製作の映画)

3.7

白く渇いた大地に淡いピンク色の羽が舞うOPのセンスいい

細く長い足をしたフラミンゴが空の虹色で染まる湖に佇むという景色にふぅぅ☆

マサイ族の神話では湖と塩から生まれた湖の子と伝わっている
フラミン
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ロー・タイド(2019年製作の映画)

3.6

色々あってアラン兄さんがとても気の毒です
突然降ってきた幸運を前に大興奮
我慢できないの分かるな
やはり目立つブルーのプリムスサテライトを買ってしまったのが良くなかった

いつでも本気じゃないのに
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私の中のあなた(2009年製作の映画)

3.8

姉を救うために生まれたアナ

どっちが大人か分からないくらい
子供たちが大人らしかった
倫理的な抵抗値を母親に感じていましたが観ていく時間の経過と共に分かってくるものがありました
ケイトに抱かれる姿は
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ディズニーネイチャー 花粉がつなぐ地球のいのち(2013年製作の映画)

3.9

最古の花がモクレンとは知らなかった
花を咲かせて甘い密と香りで送粉者を呼びよせる

砂漠のオアシス🌵と蝙蝠との関係性も知らなかった
夏の夜にたった一晩だけ咲く花を目指して遠く離れた島から暗いコルテス海
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キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱(2019年製作の映画)

3.7

小さい子どもの時に本を読んだ印象とは全く異なる人物像だった
極端に同情を拒んでた 結構押しがキツいので一緒の生活は大変かもしれないけど毎日の毎秒が科学的な感覚なのは惹かれる
ある物理学者は食器の片付け
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.6

何度も押し寄せる危うい状況に命が幾つあっても足りない

神は贖罪は思わぬ場所でなされると言った後にフランス外人部隊だったルイスが大きなハンマーで敵に迫る力は心強い

余計に感じる余韻を与えない早い展開
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.5

誰も悪いわけじゃない
何処かで佐々木は佐々木のままで変わらないと分かってた

毎日のことが上手くいかないんだと全てを知ってしまったような友達
ずっと自分だけはこのままで どうしたって変えられない
しな
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父の祈りを(1993年製作の映画)

3.7

アイルランド紛争 1974年
激化していくテロリストの爆破事件

悪いことをしていなければ逮捕されるはずはない
テロ防止法成立の2日後
事件の首謀者として刑務所に入れられたジェリーとほぼ息子のせいで罪
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17歳(2013年製作の映画)

3.7

持てる力を持って型を破る
そう簡単には手には入らないもので入ってはならないものだったのに

出会った相手にも自分にも意味あるものだろうか 若さが与えるものは刹那に過ぎる

イザベルが感じてみたかったも
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たかが世界の終わり(2016年製作の映画)

3.8

もう戻る気はない とそう言いに来た
それだけは分かる母親の察する確かな力
息子が突然 現れたことが怖い
何処かに行ってしまいそうで でも今はここにいる

愛を感じることで言葉が胸でつかえてしまう
他者
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.6

悲しいまでに内なる声に従ってしまう 押さえきれない衝動を告白しているのに誰も気付いてくれません
でもこの殺人鬼パトリック・ベイトマンを取り巻く隠蔽体質がこの映画の深さを増す

ほぼ仕事をしていないのに
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フォトグラフ(2020年製作の映画)

3.7

Sydの優しい声が聴こえてきた the Internetとか久しぶりだった
Robert Glasperが流れると気持ちが溢れます どれひとつ取っても感情の襞に触れる
旋律が語っていてエンドロールま
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ノーカントリー(2007年製作の映画)

3.8

非道で残酷な物を見ている筈なのにコーエン兄弟が見せるストーリーには耐えられる
コーエン兄弟がどんなに酷かろうと起こっている事柄をガッチリ受け止めるからに違いない

T・リー・ジョーンズとハビエル・バル
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.8

ホントにサンドリーヌ・ボネールが汚い
そのとんでもない彼女のライダースのポケットに入っていたチーズを買ってあげる女性は偉いとしか言えない

出会った男が放浪の身なのに首から鍵の付いた鎖を外さない 自由
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ボヤンシー 眼差しの向こうに(2019年製作の映画)

3.6

大海に浮かぶ閉ざされた世界で命が犇めいていた 見えない鎖に繋がれて眺める船の上に撒かれる腐臭を放つ氾濫

何処までも続く水平線の先に
愛のかけらを見つけられた
絶望からの出発

逃げ場のない海の真ん
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ジュディット・ホテル(2018年製作の映画)

3.7

シャルロット監督は取り返しのつかない事柄をトピックします

見せかけの行為は無効ですと言わんばかりの実動部隊の赤いメイドたちの激しい狩り姿

Beatus, qui prodest, quibus
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.3

クロエに髪を洗って貰っていたバスティアンはふわりとしてて心地よさそう

2人が呼吸している空間の切り取り方が長い音楽を聴いているようだった 繰り返す旋律が繊細で切なさと懐かしさを奏でる
泡に脚を捕らわ
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.8


星が逃げてゆく前に

R.Stones 「She's a Rainbow」に乗って荷物を運ぶウィンク Nancy Sinatra 「These Boots Are Made for Walkin
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サントメール ある被告(2022年製作の映画)

3.7

世界の1部になれない存在たち

壁に遮られ誰からも見られずに生まれて
祝福を受ける前に死んでいく哀しい命

前にある筋のお仕事をされてる方から聞いた話で人間というのは気付かれずに亡くなっても必ずその死
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.9

驚きのカメオ 神を知らない人には神は神なり得ない

好きな詩集が好きだったり
夜 全然眠れないのが一緒だったり
倒れるまでよく話したりした
惹かれる時は終わりの事なんて意識にもない そうであるならば
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

今の全てから脱して自分を作った全てのものへの反逆

音が足りない 片っ方足りない魚眼レンズで覗き込むような歪んだ形
合ってない小さな響きが知らせてくる気付き
瞳が見る先を感じなくてはならない

何もか
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ボッカチオ'70(1962年製作の映画)

3.8


時間も忘れて一緒にいたいのにどうしてもあべこべになってしまう新婚夫婦とか全然素直になれないムッツリ博士はキモいけど気持ち分かる

ひとりひとりの物語
知的な雰囲気がゼロだった「人間喜劇」が退屈しなが
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フィツカラルド(1982年製作の映画)

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秘境の地に新たな色彩をもたらしたい
人生は幻想で真実は影に隠れている
と伝道師は言ってたけれど
ほぼ闇が闇と思えないほどの異様な光景

かなり微妙な雰囲気です
インパクトはあったけれど苦しさだけが残
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沈黙のレジスタンス~ユダヤ孤児を救った芸術家~(2020年製作の映画)

3.7

マルソーはレジスタンスに憧れたわけではなく 子供好きで世話をしたいわけでもなかった

命を狙われ束縛を受けても平和な世界で過ごすことができた奇跡は長くは続かない フランスからスイスへと寒い雪山を越えて
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.7

救いがたいだるさの堀貝は親しみを感じて呼捨てにしたくなる

不条理に疲れてしまっているイノギ 穂峰
大きい傷は体の1番奥にしまっている 上手く知られないように隠してる それでもその傷に気付かなくては
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こじらせて屋上(2022年製作の映画)

3.5

とっても素敵
こじらせるにはそれなりのワケがある
アヤコのワケは全然明かされない

主張したいのではないけど
天使に向かって吠えたくなる
それは違うと

見知らぬ人から貰った日常が回りに回ってる
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隣人は静かに笑う(1999年製作の映画)

3.8

OPは不穏な空気がビシバシ凄い ウィルス感染の話なのかなと思った そうではなかった
この隣人という距離は神経に障る

ジェフ・ブリッジズの視線はいつでも彷徨っている 好きだなぁ
隣人が怪しいと踏んだマ
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二十歳の恋(1962年製作の映画)

3.7

朝イチ音楽 引っ越しギリギリまで音楽なのが分かる
壁に掛けてあったタートルネックの絵の青年はアドルフのようだった

窓から空をあおぐ余裕すらなかった
コレットが何を見ているのか 気まぐれな瞳に悲しい気
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夜霧の恋人たち(1968年製作の映画)

3.9

大人になっても自由への逃亡は変わらない あの頃から走り続けている

クロード・ジャドは可愛い ジャン=ピエール・レオの2人はお互いの存在が魅力を際立たせて見える
「家族」96' に繋がっていく流れも感
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

3.8

心を痛めて悩んでいる
思い詰めて弱っている隙間に囁く言葉

知らずに犯している罪を見つけることのできる464のリストを修道女が読み上げるのを聞いていると思い当たる項目が一杯だった 心が痛い

救いと償
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ひな鳥の冒険(2016年製作の映画)

3.5

映像がクリアで遠近法が目立つ

まだエサを採れない雛鳥が嘴を開けて母鳥がくれるのを待ってるのを見て 前に見た小さな女の子がアイスクリームをお母さんがスプーンで食べさせてくれると勘違いしてずっと口を開け
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最後のチュパカブラ(2021年製作の映画)

3.6

最後のひとり タマレ売りのばば様が見せてやろうじゃないか
と呟く意気込みが素晴らしい

1滴の涙が土に吸い上げられ老婆の前に現れた山羊の血を求める怪物
家にあった端切れを縫い合わせたみたいなチュパカブ
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評決のとき(1996年製作の映画)

3.7

冷静に観ていたはずなのに
裁判が佳境を迎えてS.L.ジャクソンがマシュー・マコノヒーに君は白人の目でしか見ていないという下りは核心でした

先入観だけで感情移入や想像力が全く働いていないじゃないかとい
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