RIO

ノーカントリーのRIOのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.8
非道で残酷な物を見ている筈なのにコーエン兄弟が見せるストーリーには耐えられる
コーエン兄弟がどんなに酷かろうと起こっている事柄をガッチリ受け止めるからに違いない

T・リー・ジョーンズとハビエル・バルデムの牛乳の飲み方に倒れる 小さな世界を妄想してしまうもののシガーの後に犯人を追う警官が同じものを手にする
シガーとモスもお互いの血の痕だけで まともに顔を見ることなく決着を迎える 意識が空間を交差していることで息づかいを身近に感じた
お金はどうなった 奥さんはどうなった
直接ではなく残されたネジ 靴裏を見る仕草に託される

1秒でいいから目をつむって欲しい
全っく瞬きしないバルデムの無表情で真っ直ぐ歩きと警官の苦しんだ床に付いた踵の痕が頭から離れない 普通に怖い

意識的にアナクロニズムな髪型のシガーが怪物として勝手なルールで社会を壊しているようだった
「No Country for Old Men」
何か大切なものを失ってきてしまった
奪われたものを取り返そうとして更に失う そんな侘しさが荒野に響いていた
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