破壊の神殿に住む精霊たち エリザベットとポールを操り絶対に上手くいくはずのない不条理は倍増していく
ストライプのバスローブと壁紙が重なる上を姉弟の髪が波を打つ
コクトーが手を加えると鏡の向こう側を見るようだ ジェラールやポールが後ろ向きで動いていく雰囲気などはコクトーのセンスじゃないかな
エリザベットとポールとの距離を狭めることが出来ないジェラール 彼らを守る精霊に無理やり仲間にされたミカエル
夢の中へと出発する姉弟に心配事が絶えない
何処にも通じていない袋小路へと招かれた世の大人たちはこの姉弟のように子供の部屋の精霊に取り憑かれた行動をとる
音楽が素晴らしい
人生を嫌いながら愛するポールを観ながらふと「春の雪」松枝清顕を思い出した
スルーして下さい
……
先日 ジョルジョ・デ・キリコ展へ行った
そこでコクトー作品「神話」の為のキリコの挿絵「神秘的な水浴」が展示してあった キリコが幼少期に見た不思議な感覚から描かれている
出口のない水の上で不可解な逃避を試みる男がボートに乗っていた
ビスケットがこの上なく形而上学的で並外れた形に見えたキリコの視線・f字形の孔が変える空間の開き・緑色の空には必ず風が吹いている
閉ざされた室内にある巨大空間
神話や自然と結びついたキリコがありのままを見たものが優しく部屋へと広げられる
スペインでベラスケスに影響を受けたのがよく分かる肖像画
秋の暖かい陽に燃えるパートナーのイザベラ・ファー
「秋の午後」ニーチェを好んだキリコが理想どおりに表現出来る季節 *秋*
完全なシンメトリーの*大きな塔*から離れられなかった
静物画の超絶リアル・細くて繊細な直線と柔らかな豊かさや愛のない太陽に照らされる壁や道を直接観れたことでより鮮明さを増した
「ギリシャの空は手に触れられそうに感じられ それはギリシャ神話における神々と人間の親しさがある」キリコ
表情の見えない人形たちは友情 つまり親密さを持つことで微かに表情を得たように見えました
いつも関係ない話ばかり載せてすみません
