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ファントム・スレッドのRIOのレビュー・感想・評価

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)
3.9
レイノルズの逞しい追求力は冷淡に映りただ見詰めているしかないシリルにはその力を大きく削ぐことが唯一の道だと気付いた
導かれていくレイノルズは愛情が度を越え流れる水のように何もにも染まらない恍惚の海へと達する

レイノルズの神経質さに無礼を働くシリルと心の紐で互いにしっかりと結ばれていた 相手を支配することが上手く機能するという不思議

希望の花束を身に纏う優しそうに広げられた手のひら
美の頂点を極めるレイノルズは野生花のようなシリルに原型を認める
ポエジィのアレゴリー
やがて甘い香りを放ち美しく咲く花に下り立ったものの気付いた時には花弁が閉じられていました という雰囲気を受けた

美の原型であるその海には全てを許容する母性がある

物質や俗物的なものには目もくれない感性の内から湧く創造性は見えないものを形にしていく
独創性レイノルズのその才能が結晶化してしまうのではなく更なる変容を遂げて欲しいなと思った
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