RIOさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

127時間(2010年製作の映画)

3.6

大地の裂け目に置き去り

痛過ぎて暴れた涙出た 私には出来ない事だな
人間として根本が違う
やり遂げたという事実が凄い

まだきっとどうにかなる
残酷に過ぎる時間 遅ければ全てを失う
息のあるものに留
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しゃぼん玉(2016年製作の映画)

3.8

市原悦子にしか出来ないなぁ 毛糸の帽子が可愛い
林遣都の眼も大きくて怖かった

しゃぼん玉というのは
思いがけないもの
目の前に現れては消えていく
喜びのようなもの
それは消えていくけど後から後から現
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オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

3.7

トラックのサイドミラーに映り込む景色まで素晴らしい
緑が豊かなテヘランのコケルという村
車が通れないと頼んでも道路を私物化してのんびりと仕事したりおおらかさは全開

映画を作る為に選ばれる青年
女子の
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ボス・オブ・イット・オール(2006年製作の映画)

3.7

自分が会社のボスだと言えないラウンに雇われた売れない役者
ボスに成りすまして会議に出たら神経過敏でいきなりグーパンチをお見舞いするスタッフも出てくるし殆どみんなが変わっていて面倒くさい

表情を捉える
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.8

あなたの姿がなくても気配を感じる

やや水が濁ってはいるものの
苦しい閉鎖的なシリンダーがイライザの優しさで一変する

偏見に満ち溢れてました
理解できないものには口を閉ざし遠ざけてしまう

何も知ら
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新宿マッド(1970年製作の映画)

3.7

息子の仇をとるために執念で新宿を探し回る1人の男

アパートの一室で息子は何のために誰に殺されたのか 深入りし過ぎていると新宿マッドが父親に接触してくる

今をしっかり捉えてはなく革命のための革命と仲
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夏の夜の夢(2014年製作の映画)

4.5

目が醒めてしまえば夏の夜の夢

アテネの森にはたくさんの妖精たちが棲んでいる

舞台で大きな役割を持っていた大きく波を打つ白い布はとんでもない表情を表す
シェイクスピアの戯曲をテイモアが視覚的に奥行き
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セザンヌと過ごした時間(2016年製作の映画)

3.9

描いてみたいのは世界の深さ
空気の流れや太陽の熱 岩山の若々しさ

セザンヌが見たであろう絶景が続く
「サント・ヴィクトワール山」

りんごで世界を驚かせたい

イタリア移民としてフランスに渡ってきた
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Ribbon(2021年製作の映画)

3.6

色とりどりの紐に押しつぶされる
絵筆に絡まるリボンは天使のように励ましもするけど刃物になって突きつけてもくる

ノンちゃんがぐいぐいくるのが印象的
玲奈という名前の音がとても可愛い

芸術は生きていく
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恐怖分子(1986年製作の映画)

3.6

恐怖分子
—— テロリスト

変化の起こらない毎日
何も変えられない自己を新しくするため
の過激な暴力行為に訴える
政治的な目的など全く無しに

関連する人物は琥珀色に照らされている
明かりに包
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台北ストーリー(1985年製作の映画)

3.6

だれもかれも眼鏡が大きい

誰も自分を必要とされる所にいる
その支えはしっかりしてるとは限らない
ちょっとした隙間に崩壊する力が支配する

アジンは自分の居場所を探していた アリョンもそうだったように
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古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

3.8

1/26 満月「ウルフムーン」の前夜には3つの時代の3つの花の物語

古代エジプトを象徴し*永遠の命* 神聖な 睡蓮
フランスに自生して*希望* *勇気*を表す蒼い花ゲンチアナ
美しさと甘い香り高いト
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スザンヌ、16歳(2020年製作の映画)

3.8

憧れる人に近づきたい
パンにはお揃いのいちごジャム

木になったラファエルだってカッコ良い
どこか物悲しげな大人の男性に一目惚れしてしまったスザンヌの唐突な質問
唯一聞ける大人の男性が父親で このお父
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ノベンバー(2017年製作の映画)

4.0

エストニアの森に長い木の影が落ちている
悪魔との契約を結ぶ十字路
その森に11月になると灯りを頼りに死者たちがこの世に帰ってくる
闇に点る灯りの輝きは抑えきれないほど

どしゃ降りの下で黙って見つめ合
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

赦すことは許可していることと混同される
自分たちを何年にも渡って傷つけた犯人を赦さなければ天国にも行くことが叶わない

出来ないことは諦めろ
何処にも行き場のないやるせなさ
間違いがまかり通る現状に
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からっぽ(2018年製作の映画)

3.7

私はこの部屋でトゥリャトゥリャリャ

目の前の人の熱い世界が羨ましい
自分が作ったニセ物で吐き気がする

未完成とかそういうカッコ良いものではなくて
空っぽって苦しい
赤色の前は何色かな 渡良瀬まち
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.9

アルフィーは人間のする事を見ている
AIを悪く言ってるけど核作ったのは誰なんじゃい

暗い空に火薬が遠く煌めき
虫が鳴く草むらを小さながアルフィーが歩く足を止めてじっと見つめる
水を湛えたアジアの空気
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イノセンツ(2021年製作の映画)

3.9

誰も見てないうちに成長している力
相手の気持ちを読んだり
誰かを自分の都合で動かしたり
憑依される感覚が凄いリアルです

大人に話しても分かるはずがない
絶対に話せないことの持つ意識から出てくる行動力
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光陰的故事(1982年製作の映画)

3.6

#1 恐竜さえいれば人生に何も要らない恐竜くんの妄想が良いな


2# やはり エドワード・ヤンはめまいがする 光の捉えが滑らかで

壁の前に立つ美少女にクラクラ 登校に隣を歩く宇宙人みたいな友達にも
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ティモシーの小さな奇跡(2012年製作の映画)

3.7

風が起こり大雨が雷が落ちて 隣で寝ていたはずの妻は消えて泥がシーツについている
誰かが家に侵入している 斧でも持って音がかかればホラーな始まりだけど☆the アメリカな笑顔と優しさだった

家族愛を濃
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SLEEP マックス・リヒターからの招待状(2019年製作の映画)

3.7

包容力のある音域が響く
遠く遠く飛ばされる

皆が枕を持ってダウンタウンに訪れる
頭を沈めるその枕が柔らかそう

街では誰もが眠り 誰かは起きている
切り離されてるようで全ての音は全体の1部になり
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源氏物語(1987年製作の映画)

3.8


「むつごとを 語りあはせむ 人もがな 
憂き世の夢も なかばさむやと」

何となく紫式部が見たいと思ったけどそうこれは源氏物語
源氏の君は前髪が短めで萌え
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.0

光の国からやって来た蝶衣
この世のことがこの世ではないと眼が眩む極彩に光を含ませるのような世界

北京 中国統一前夜 1924年
北伐を実現する前に亡くなった孫文から蔣介石に継承され28年に北京軍閥政
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Journey to the 母性の目覚め(2021年製作の映画)

3.3

この方面に関しては
自分には全く訪れない目覚め

カジュアルなていで膨らむ本能🐦️
分からない人にはピンと来ないかしら

でもゆらゆら揺れる感じは
分かるような気もした
共感できたのは可愛いイラストだ
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ゴッホ 真実の手紙(2010年製作の映画)

3.5

ハーグへ行ってからの鉛筆デッサン
風景画と人物画に色彩が入る

何も持たず苦悩だけがある人々がゴッホの姿を語っている
視線が捉えている以外の姿
光と影

何事にも度が過ぎるゴッホは何度も絵画を描くこと
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布団(2012年製作の映画)

3.6

何処から何処までがからだかな

触覚と置いてある物との境界
布団の動きをよく分かってらっしゃる
そう それも確かに布団でしょうね

無駄しかない動きの繋がりなのに妙に納得
感性にしか訴えてこない水尻自
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.5


電灯の下から次の電灯まで歩くまでの間に起こる衝動

音程が上へ上がっていくカタバシス
神が人へと降りる意味でもある
人間へのヘイトを溜めて人間への執着が密
ジャックは取り憑かれている
独創性が同じよ
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カフカの「城」(1997年製作の映画)

3.4

Kとフリーダが痩せて随分と疲れてて慣れるのに時間がかかった

小説のような始めから最期まで息がつまる程の不条理とは違って
ふわりとした不条理に振り回されるK
混沌としたものがすっ飛ばされてる
文章から
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ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)

4.5

エクダール家のクリスマスにはテンションMAX高いから ちょっとでも具合が悪ければ脱落してしまいそう

“Totus MundusAgit Histrionem”
―― 全世界は劇場
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ギフト 僕がきみに残せるもの(2016年製作の映画)

4.8

心は元気だ まだ生きていける
と何度 心で唱えたんだろうか

毎週できないことが増えていく恐怖
ALSは筋肉自体に問題があるのではなく指令を出す運動神経に異常が起こるために意識はしっかりしている病気
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.8

力任せに刈り取られる小さな花
折角咲いたけど捨てられるだけの赤い花
それを知らずに咲く花の中を駆け抜ける

当たり前のように隣にいた
まるで兄弟のように
自分の目ではなく他人の目で見られることが残酷で
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リトル・プリン(セ)ス(2021年製作の映画)

3.5

起きてることは悲しいことだけど
どんなに避けてもみんなと違うからと
傷つけてくる人はいる

分からないから近づかせたくない
というロブの父の露骨な拒否

喜ぶかなと素直なロブからガブリエルへの贈り物が
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1950 水門橋決戦(2022年製作の映画)

3.7

殺戮に近いのはチェン・カイコーの前作とは変わらないけど少し趣が変わりツイ・ハークCG過ぎやしませんか

爆破する火花の撮り方は構図完璧で中国兵は撃ちながら障害を避けるハイスペックな動きです
とは言え少
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1950 鋼の第7中隊(2021年製作の映画)

3.7

1950年 朝鮮戦争をチェン・カイコーが撮る

仁川から朝鮮半島に上陸した国連軍は38度線を越えて中韓の国境に迫る
中国人民志願軍の兵士たちの -41℃の極寒で火花が散る両軍の死闘が繰り広げられてた
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ヨーヨー(1965年製作の映画)

3.6

カットが美しい
そして愛がある

手のひらサイズのアコーディオンは欲しいっ
ピエール・エテックスは笑えないけど
構図は素晴らしい皮肉的な演出も盛り沢山
ラスト近くに去っていく車のリアウィンドウから
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EMMA エマ(2020年製作の映画)

3.5

素晴らしい衣装でした

リボンやシフォンの装飾でウエストラインが高めでスカートのラインが重力に流れるように広がっている
イングランド出身のアレクサンドラ・バーンが19世紀 英国スタイルを現代的にデザイ
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