24/2/21@UPLINK吉祥寺❷
闇の中でこそ見えるもの🦉
生きていくには見て見ぬ振りをしなければならない。そんな社会派テーマにできそうな話だが、決してそれらを前景化させず「みんな大好き」ジャン>>続きを読む
あらすじを読む限りでは、正直古臭い印象が否めない。
ところが見事な4幕構成で、黒澤明はこの話をただの美談に終わらせない。最終4幕目の構成の妙。これが本作を傑作たらしめているので、初見の方は途中眠くても>>続きを読む
24/2/14@UPLINK吉祥寺❹
目をとじて浮かべる記憶や想像。映画も「虚構」という意味では同じ類かもしれない。『ミツバチのささやき』で始まったキャリアを円環して閉じる集大成。
良くも悪くも「>>続きを読む
【父と娘の蜜月、その終り】
スペインの政治的分断を創作のエンジンにしつつ、決してそれを前景化させることなく、あくまで一家族の物語として映画を綴る。『ミツバチのささやき』から通じるビクトル・エリセの作>>続きを読む
24/2/1@新宿ピカデリー❽
4/18@WHITE CINE QUINTO
ベラの眼に映る「この世界」
主観視点の映画ではないが「ベラに見えている」世界がどんどん変わっていく、その映像表現が素晴>>続きを読む
24/1/30@ルシネマ渋谷宮下❼
ポール・シュレイダーは映画評論家としての著作内で、商業映画とアート映画(映画祭や美術館向け)を隔てる要素について言及。ちょうどその境目ギリギリに立っているのがタル>>続きを読む
タートルズには暑苦しいマッチョなイメージを持っていたが、本作は程よいチューニング。原題が"Teenage・・"で始まる本作は良きティーンエイジ映画であり、良きニューヨーク映画。
「ティーンエイジ感」>>続きを読む
スコセッシの大作の影で、
盟友ポール・シュレイダーも「アメリカの自省」を渋い渋い佳作に。
映画後半まで気付かなかったのだが、主人公の行動原理は「赦しを得ること」だったのだろう。ラスベガスのカジノに行>>続きを読む
24/1/24@UPLINK吉祥寺❹
ヤクザ経験者がよく「人たらしの極意」を語っているが、本作の綾野剛を観るとさもありなん。もの凄い「色気」で、これは人の心を掴むだろうなと説得力十分。
真面目な父>>続きを読む
史上最低レベルのダメ男の話で、この主人公が好きになる観客はいないだろう。
だがこの映画、それでも不思議に面白い。共感しなくとも面白い映画はできることを証明し、むしろ「正しさ」では決して到達できない境地>>続きを読む
タイトル:無限道!
なんてカッコいい。
漢字は世界最高の文字だな。
本作のハリウッドリメイク『ディパーテッド』に比べて、展開がまあ早い早い。雑さはあるが、テンポの良さを優先したのだろう。これはこれ>>続きを読む
24/1/16@下高井戸シネマ
今世紀に入って韓国映画が傑作を連発しているのは、欧米や日本が作らないような題材を意欲的に取り上げる「後発国の戦略」が奏功しているからだろう。2002年W杯の熱狂の裏で>>続きを読む
【ジャンル映画の矜持】
アメリカ映画お馴染みの「子離れできない親の話」を悠然と越えていった。トニ・コレットに負けない凄い形相の毒母と(現実に)車椅子ユーザーの娘。この二人芝居で密室劇を持たせる力量。>>続きを読む
24/1/10@Wシネクイント
【誰がエディを撃ったのか】
情と理。映画はどちらで観るのが正解か?そんな問題提起を仕掛けてくるタランティーノのデビュー作。
集められた6人の男たち。
雇い主のジョ>>続きを読む
異食症という心の病をホラー仕立てにしたジャンル映画かな?と想像していたが、もっと普遍的な「自立」についての話だった。
画鋲を吞み込んだりするのは、観客(特に男性)に主人公と同じ「痛み」をわからせるた>>続きを読む
『X』の前日譚。
キルカウントとスラッシャー度は抑えめで「A24らしさ」をより前面に出したアートホラーの趣。自分はこちらのほうが好きだ。
『X』から引き続き「映画についての映画」でありながら、映画(>>続きを読む
道具立てに凝ってはいるが、要するに「家族の誰かが死ぬことになり、その決定権が父親に委ねられる」という悪夢。普通なら、母親が犠牲になるか、いっそ全員で自決するかだが・・・なんとも胸糞な結末だ。
この一>>続きを読む
獄中で出会ったザックとジャック。ドラッグとアルコール中毒の二人は、禁断症状が出始めケンカが絶えない。そこにもう一人陽気なイタリア人(ほぼ英語できない)が加わって・・。ロベルト・ベニーニが演じたこの男が>>続きを読む
23/12/27@UPLINK吉祥寺❶
嬉しい公開拡大でいそいそと観に行くも、翌日から高熱にうなされレビューが遅れた。まさか哭倉村の呪い・・。
今年の日本映画は時勢を反映してか、太平洋戦争前後を描>>続きを読む
小津安二郎のカラー2作目。
戦争や家制度の残滓を捉えた白黒時代とは変わり、カラーと凝りに凝った構図で描かれるのは新しい時代の息吹。
登場するのは3世代。
小津と同年代の笠智衆、杉村春子たち。無邪気な>>続きを読む
23/12/20@UPLINK吉祥寺❶
No time to cry.
日本映画の感動作とは異なる文法。ポン・ジュノら韓国映画のそれに近いかも。気がづけば思わぬ別ジャンルに連れて行かれ「どういう気>>続きを読む
23/12/13@TOHO新宿❼
「英雄」を笑え。
波乱にとんだナポレオンの生涯をほぼ全て見せてくれた。合戦シーンも多く、シネスコ映えする大サービス。そんな惜しげない大作なのに、なぜか物足りない不>>続きを読む
冷戦期の東ドイツ。
秘密警察の主人公が、反体制派の劇作家と女優のカップルを盗聴する。彼らの暮らしを聴き続ける内に、冷酷無比と思われた主人公の心が溶けていく。
正しいと信じ続けた「こちら」ではなく「あ>>続きを読む
ほぼ全シーンに主演の門脇麦がいながら、彼女の内面には決して入っていかない不思議な作品だった。欧州映画のような手触り。
それでも彼女と世界の関わり方を演出で見せていく。冒頭のグランピングは「お手軽な」>>続きを読む
23/12/1@ユーロスペース❶
時が止まった静かな劇場で
珍しいスタンダード画角。
異世界から生還したような不思議な感覚。昨夜は悪夢にうなされた「初めての鈴木清順」
中砂という無頼漢は、結局「文>>続きを読む
【〇〇があれば大丈夫】
やはりと言うべきか、既に結婚25年の自分には 3作中最も本作が刺さった。公式コピーの「本物の愛にたどり着く」という感じじゃないけど、なぜか救われた思いに。
自分事で恥ずかし>>続きを読む
【30代は混沌の中】
ジェシーはあの夜のことを本に書き、わざわざフランスで取材を受ける。そしてセリーヌも本を読み、彼に逢いに行く。両者が願った計画的再会だが、9年の歳月がこの話を単純にはしてくれない>>続きを読む
【20代は無限大∞】
切ない「刹那」。
若いっていいなと心から。
監督のリンクレイターと俳優二人の年齢差は10才。この年齢差が本作を程よくチューニングしている。青臭く哲学を語る若者を、暖かく見守る視>>続きを読む
23/11/20@イオン多摩❺
【幸せになる】
その資格があるアメリ。
彼女が幸せになるこの話は、観る者も幸せにしてくれる。私達にもその資格があれば。
観終わって幸せな気分に浸れる映画だ。それは>>続きを読む
23/11/20@イオン多摩❹
#午前十時の映画祭
凛とした冬の空気感。
フランシス・レイのスコア。
アヌーク・エーメの美しさ。
モネのような構図が続くアート映画。
奇蹟的に本作と『アメリ』を同一>>続きを読む
🇮🇷イラン映画。
タイトルの「運動靴」はすぐに出てくるが、なかなか出てこないのが「赤い金魚」。ラストシーンを記憶に残してくれる素晴らしい邦題だ。
子供が細い路地を全力疾走する姿が印象的だ。劇中主人公>>続きを読む
ちょっとした出来心が、雪だるまのように大きくなっていき、やがて取り返しのつかないことに・・。誰もが身に覚えのある負の連鎖だが、その最悪のケースを飄々とした語り口で進めていく。
なんとも掴みどころのな>>続きを読む
それほど犬好きではないが、これを映画館で観ていたらきっと号泣したろう。
「犬好きへ媚びるショット」を排し「犬の視点」を表現した、本当のワンコ🐕愛。
冒頭、主人公の孫である少年がハチのことを語る。だか>>続きを読む
Life as a dog
暴漢に襲われ記憶と財産を失った中年男。彼の人生が強制的に再起動される話だ。人生をやり直したいと願う時期に観るのがいい。そして最高のワンコ🐕映画(監督の愛犬だって)。>>続きを読む
23/11/8@TOHO渋谷❸
『シン・ゴジラ』の後という貧乏くじ(メタ台詞が数回)にもめげない山崎監督。ゴジラと神木君の怖さは堪能したので「面白かった」と素直に言いたいが、擁護できない点も。惜しい>>続きを読む
ありえない展開の話に驚き、トンデモなオチに「んなわケッ!」と笑い、最後になぜかホッコリする。このお約束がシャマラン映画のお楽しみなのだが、今回は期待外れ。ジョーダン・ピール『アス』との類似感もあり、残>>続きを読む