つかれぐまさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

つかれぐま

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ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

23/4/7@調布#8:吹替版

『ロードオブザリング』の量産化(大衆化)成功例だ。『ガーディアンズ・・』的コメディ要素の注入が、ファンタジージャンルにおける新たな雛形になるかも。

『ワンダーウーマ
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.5

23/4/5@UPLINK#2

『バードマン』みたいな「ショービズ業界自画自賛」だったら嫌だなという心配は杞憂。現実とフィクションを曖昧にしつつ、ちゃんと現実に向き合う姿勢。観客と映画愛を共有する素
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パルプ・フィクション(1994年製作の映画)

5.0

23/3/27@新宿ピカデリー
19/2/17@TOHO新宿

パルプ・メタ・フィクション

タランティーノ還暦記念?で、ありがたい再上映。オープニングタイトルの大音圧!画面一杯の巨大バーガー🍔に🤤
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

23/3/16@ルシネマ#2

自覚的な善意は、ときに
無自覚な悪意を内包する。

明確な3幕構成。2幕目まで登場人物を徹底して記号的に描いてくれるので、とても分かりやすい。そして3幕目、その「記号」
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マイノリティ・リポート(2002年製作の映画)

-

【二大映画聖人のタッグ】

トム・クルーズ&スピルバーグの初顔合わせ。マーヴェリックも良いが、本作や『宇宙戦争』『オールユーニードイズキル』のように、酷い目に遭ってボロボロになるのが「好きなトム・クル
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花様年華(2000年製作の映画)

-

『欲望の翼』からつながるウォン・カーウェイ「60年代3部作」2作目。前作から2年後の1962年~文化大革命の1966年が時代背景。

マギー・チャンがはかない。
『欲望の翼』を観ると彼女が演じた役の出
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欲望の翼(1990年製作の映画)

-

『恋する惑星』を昨年再見。それが単なる恋愛映画ではなく、返還前後の香港市民の不安と希望の物語だったことに気づいたが、本作もまた香港の現代史を重ねることで味わいの増す作品。

主人公ヨディの母は養母で、
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

5.0

23/3/9@調布#8
【出会い直すスピルバーグ】
その幸福感に満ちた映画だ。ノスタルジー性を脇に追いやり、気が付けば映画という芸術の持つ「怖さ」が前面に顔を出す。それでもorだからこそ自分は映画が
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.0

23/3/7@調布#5
👿酷評につき閲覧注意👿
今年に入り、映画館で観た作品はどれも当たり。そろそろ地雷を踏む頃かな?と思っていたが、まさかこの注目作品でとは。『マトリックス』を注文したら『レザレクシ
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.0

23/3/1@UPLINK#2
✝闘え!聖女✝
前作『ELLE』に続き、今作も妄想の映画だ。ただし監督自身の妄想aka性的嗜好の投影ではなく、主人公ベネデッタの妄想を創作したことで客観性が生まれ、一段
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エスター(2009年製作の映画)

-

原題は「孤児」。

設定は荒唐無稽なんだけど、そもそもこの一家、接写すれば崩壊の危険を多分に孕んでいたわけで。その視点で見るとエスターは触媒に過ぎず、現実的な「家族というホラー」として楽しめた。
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ちひろさん(2023年製作の映画)

-

まずはご飯を食べる。
話はそれから。

孤独を猫のように飼い馴らすちひろ。孤独を希求するオカジ。孤独の意味すら解っていないマコト。疑似家族とは呼びたくない、不思議な連帯から伝わる「孤独とは」

良質の
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.0

23/2/22@UPLINK#4

変態的カメラワークで見せる艶めかしい男女。複雑なミステリー構造が、終わってみれば一組の不倫劇に集約する。

複雑な犯罪プロット、最新ガジェットの多用で古典的な話を新
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

-

飯塚幸三@受刑者を思わせる冒頭。コロナ禍の2020年夏。

揃いも揃ってKUZU、自分は安全圏にいて口だけは立派な男たちに翻弄される母子。だが、不思議にも後味は悪くない。更なる悲劇にならず正直ホッと。
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.0

23/2/15@アップリンク#3

ボクシングは相手との距離が大事と聞く。自分の得意な、あるいは相手の苦手な距離を取るスポーツだ。本作もケイコとの距離を考えさせる映画だった。登場人物と同様に、我々とケ
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

-

【人類の生得的暴力性】

前作『2001年・・』では難解だった上記のテーマを、本作は誰の目👁にも分かるように(危険なほどに美しく)嚙み砕く。

映画序盤、非人間的に思えたアレックスたちの暴力。だが暴力
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ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)

-

"DJANGO"のDは発音しない。

血なまぐさいが晴れやか。
計算された緊張とカタルシス
★★
伝統の西部劇をイタリアに輸出して作られたマカロニウエスタンの「再輸入」。そこに史実にはない黒人ヒーロー
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.5

23/2/8@Wシネクイント

【孤島のマウント合戦】

二人の男の些細な喧嘩がやがて大事になっていく。アイルランド内戦を遠景にした孤島の物語は、戦争が発生する仕組みをミニマイズする。

このプロット
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ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

-

【考えるより手を動かせ】

予想外に王道的展開だけど、語り口を理に落とし込まず、情で突破するのが心地良かった。ヒットせず残念。

くたびれた美女。
主人公の言葉を借りればこれが「刺さった」、オジサンの
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

-

【戦争は非人間的か】

前線の兵士は人間臭い若者たち。非人間的に意思決定を下すのは老いた幹部。物語は終始、人間的vs非人間的の対比構造で進む。

「戦争は非人間的だよな」
そんな自明の感想を抱きつつ見
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エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.5

23/2/1@アップリンク#4

てっきりノスタルジックな感涙モノと舐めていた。いつのまにかアート映画の文法に変わり、思わぬ射程の広がりに驚く。映画がもっと好きになる映画だ。

"Last Film
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モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975年製作の映画)

-

『未来世紀ブラジル』テリーギリアムの原点。

アーサー王率いる騎士たちが聖杯を求める旅に出る。一応そういうお話だが、笑ってしまうほど低予算で、それを隠す素振りもない。全てが「チャチ」なんだけど、これが
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

-

ホラーとアクションの二刀流監督ジェームズ・ワン。ジャンルブレンダー(自称)に偽りなし。

『サスペリア』風か?
追われる美女の視点と、
追う殺人鬼の視点の交錯。
と思わせてからの・・。

「これはアレ
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灼熱の魂(2010年製作の映画)

-

難民、信仰、家族。
錯綜するテーマが、衝撃の展開を経て「母親の愛」という一点に収束する。

過去と現在、
カナダとレバノン。
両者を何回も往復しながらミステリー形式で進んでいく。
過去のレバノンで、
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非常宣言(2020年製作の映画)

3.5

23/1/18@アップリンク#4

【それを決めるのは自分】

ジャンル映画の面白さを詰め込んだ前半から一転、後半に突きつけられるテーマは重い余韻を残す。『新感染』にも劣らぬ傑作だった。

ジェット機
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

-

スコア低いけど悪くないのでは。画面構成力による「不穏さ」の演出が抜群。台詞と説明の少なさが欧州映画らしくて好きだ。

何通りにも解釈が可能な、凡百の監督には出来ない構成。アダは神の子?悪魔の子?まあ彼
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アイアン・ジャイアント(1999年製作の映画)

-

【50年代の光と影】

時代設定は1950年代ということで、あえて当時のアニメーション画風を再現するこだわり。これが上手く機能して郷愁を誘う。

東西冷戦、反共キャンペーンの全盛期。おそらく当時はアニ
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

-

カウリスマキ初鑑賞。

これ、ジャームッシュだ。
と思ったらやはり二人は親交があるとのこと。

ただ、ジャームッシュから「洗練」を引いた感じかな。真似したり憧れる様な世界ではなく、無骨そのものに市井の
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アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

-

才能への嫉妬を前景に
神に支配された男と
父に支配された男。
2人の悲喜劇。

宮廷作曲家のサリエリ。
彼の心の動きを追う物語だ。
まずは神への忠誠に始まり、怒り、やがて決別。十字架を火にくべる場面は
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マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

-

1999年。

『ファイトクラブ』『マトリックス』と同じ年の作品。偶然にも「自分ではない何か」になるというテーマが共通。アイデンティティをめぐる話。

マルコヴィッチという他人の頭の中に入ることで、ア
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.5

23:01:03@調布#10コート

「ここは君の舞台ですよ」

史上最高製作費のアバターが週間1位になれなかったのは世界で日本だけらしい。阻止したのが本作という、まるで山王vs湘北みたいな話。これに
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シックス・センス(1999年製作の映画)

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【二回目が面白い】

ラストの衝撃が有名だが、それを知って観る二回目は違った作品にすら見えてくる。伏線の巧みさだけでなく、ドラマとしての味わいが深まって、二回目のほうが私はより楽しめた。

ホラー展開
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

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【同調圧力という恐怖】

大昔に観た時は、ヘンリー・フォンダ@8番が「正義の人」以外の何物でもなかった。それから幾星霜。今回は彼が「正義の仮面を被った策士」にも見えてくる。実に良く出来た脚本だ。

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スナッチ(2000年製作の映画)

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初のガイ・リッチー。
印象は、
ジェネリック・タランティーノ

「仏作って魂入れず」
タランティーノ作品からボンクラ魂の抜けた「カッコよく見られたい」ワナビーな映画。俯瞰すればさほど複雑ではないプロッ
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恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)

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【100分に込められた∞時間】

「何度も同じ日を繰り返す」系の元祖?寒い日にぴったりのココロ暖まるコメディ。

ハロルド・ライミス&ビル・マーレイの『ゴーストバスターズ』コンビが生んだもうひとつの傑
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コンタクト(1997年製作の映画)

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【科学と宗教と】

ファーストコンタクト映画の系譜。『未知との遭遇』から『インターステラー』へバトンを繋いだ名作ながら、なぜかその2作ほど評価が高くない不遇のSF映画。

『未知との遭遇』の国家陰謀論
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