失業者たちの群像劇。
映画の中盤まではこの失業者たちにあまり同情できない。お金に困っているはずなのに大酒を飲み、プライドが高いから失業保険すら受けようとしない。そのくせ他人にたかる。それでいいのかよ!>>続きを読む
「社会の底辺に属する労働者を主人公に据え、踏みにじられる人間性とその回復を描くことが多い」
Wikipediaにあるアキ・カウリスマキ監督評だ。本作もたしかにそういう映画だが「回復」の描き方がぶっ飛>>続きを読む
23/10/30@イオン多摩❻
午前十時の映画祭:解説なし
🇮🇹レストア版(2022)
格好をつけた映画。多少あざといがこれは確かにカッコいいな。Metacritics というプロのレビュー集積サ>>続きを読む
23/10/26@新宿ピカデリー❸
【アメリカの縮図】
体調を整え、朝から水分を断って3時間半に臨んだ甲斐があった。それほど長く感じなかったのは、早からず遅からず絶妙なテンポで進んだお陰か。こんな>>続きを読む
「んなわケッ!」
という結末だが、これもスコセッシ作品と驚く第一印象。反芻すると、かなり人間心理の本質をついていて、この荒唐無稽な話も飲み込めてしまう。(フランクル『夜と霧』のように)人間が内面世界を>>続きを読む
マフィアに潜入する警官。
そのマフィアに育てられたもう一人の警官。交差しそうでしないこの2本の線に加えて「第3の線」が浮上し・・。
スコセッシがその作家性を封印、職人技に徹した極上のジャンル映画。ス>>続きを読む
23/10/20@シアタス調布❷
【マッコールさんの終活😭】
主人公マッコールが下す正義の正当性。そこに思いを巡らせる終章だった。
冒頭@シチリアであれだけ殺す必要はあったのか。アマルフィでは常>>続きを読む
23/10/11@アップリンク❹
「独裁者の手先は、
独裁者よりも悪い」
🇰🇷男臭い政治サスペンス。
このジャンルはもはや「映画界のテコンドー」韓国のお家芸だが、今回も一段と熱い。
終盤のエモ>>続きを読む
【そして母になる】
🇫🇷『燃ゆる女の肖像』セリーヌ・シアナ監督作。絵画的美しさとハイコンテクストな作りは変わらずだが、今回は「ジブリ実写版」のような、敷居の低いかわいいお話に。
昨年映画館で観よう>>続きを読む
23/10/6@イオン多摩❹
#午前十時の映画祭
【希望こそはすべて】
久々に息子からリクエスト☺
無実の罪(かどうか分からないのが本作の面白さ)で投獄された男が遭う地獄と希望。意外にもこの主人>>続きを読む
「これはジョージ3世の治世。その時に生き争った人々の物語。美しい者も醜い者も、今は同じすべてあの世」
キューブリック最長の上映時間にして最も不人気という不遇。人間観察に徹した「らしい」傑作と思うのだ>>続きを読む
23/9/28@シアタス調布❶
コロナ明け復帰一本目が、今年自己最長の169分という階段222段の如き試練。でも過去作が苦手な人にも薦めたい。ここまで来たら、最後まで付き合わないのは損かも。
個人>>続きを読む
【神話の解体】
スコセッシがデビューした70年代。ハリウッドの中心には2本のイタリア系映画『ロッキー』と『ゴッドファーザー』があった。同じイタリア移民として悔しかったのだろうか、その後彼はこの2作へ>>続きを読む
出オチ100%のワンシチュエーションだろうと舐めていたが、とてもよく出来ていた。低予算や演技力不足を、アイデアの数で克服。意外にも古い価値観へ着地するが、その衒いのなさは悪くない。
横に長い映画スク>>続きを読む
23/9/13@アップリンク❸
水道橋博士と松浦裕也が演じた二人の村人が哀れでならなかった。ルックス、肉体、知性の全てに劣る二人が、村内でのプライドを守るための「唯一の勝ち筋」があのような愚行に至る>>続きを読む
ゴダール、唯一のSF。
といっても、セットも特殊効果もなく、全編がパリ市内のロケ。撮り方と演出だけでそこを未来都市に見せてしまうゴダールの矜持だ。
舞台となるα都市(アルファヴィル)は、α60という>>続きを読む
『グラインドハウス』2本目
タラタラと半分以上を占めるガールズトークが、1本目の猛毒『プラネットテラー』の解毒剤になる。劇場で続けて観る客のことを考えた二本立てならではの妙だ。
前半は『プラネット>>続きを読む
タランティーノ『デスプルーフ』との2本立て企画『グラインドハウス』の1本目。B級映画の本質をどろっと煮詰めた、手抜きのない力作。
デジタル撮影にわざわざダメージ加工?を施して傷だらけの映像に。ゲテモ>>続きを読む
23/9/5@イオン多摩❸
#午前十時の映画祭
アナの黒い瞳とスペインの茫洋とした荒野が美しい。現実と虚構が混濁し、生と死の概念が解らない幼児時代。その記憶を呼び起こしてくれる不思議な作品。
アナ>>続きを読む
23/9/1@Wシネクイント
「ウェス・アンダーソンすぎる風景展」に足を運ぶ程、彼の画は好きだが「映画は?」と言われると、実はそうでもない。観る者の没入を拒む低体温な演出があまり好きではないのだ。ジ>>続きを読む
シリーズ3作目。
最初から3作の予定はなく、1作毎に製作が決まっていったそうだが、そうは思えないほどシリーズ統一感がある(そして回収もしっかり)。最初から3作と決まっていても、それが出来ない駄目シリー>>続きを読む
シリーズ2作目。
自分探し➡復讐➡贖罪と、
転がるようにテーマが変っていく面白さ。
前作でやっと結ばれた恋人マリーがあっさり退場したのに吃驚。そしてどんどんハードボイルドな世界へ進んでいくジェイソン>>続きを読む
アン・リーの出世作を初見。
20年前の作品に不満をこぼすのはフェアじゃないが、面白くない。アカデミー賞を獲ったのか。きっとこういうのが「欧米人が観たいアジア」なんだろうな。低スコアに納得してしまった。>>続きを読む
【復元版】
若き日のキューブリック作品だが、これは製作兼主演のカーク・ダグラス(今でいえばトム・クルーズ)の映画だ。
ダグラスのヒューマニズム&ヒロイズムと、キューブリックの厭世観の相性の悪さは想像>>続きを読む
車のセールスマン@クルーズが、父の遺産欲しさに自閉症の兄@ホフマンと旅をするロードムービー。兄弟愛のセンチメンタルにはならず、焦点が当てられるのは弟の僅かな成長。皮肉にも自閉症の兄が、弟に人生の意味を>>続きを読む
人類史上最凶の男アドルフ・ヒトラーとナチスの最期を淡々と。あの悪魔たちが一体どんな思考回路を持っていたのか?に興味尽きず。
秘書嬢の主観視点と客観視点が半々くらいで映画は進む。およそ感情を排した作り>>続きを読む
23/8/18@新宿ピカデリー❶
説明台詞の洪水で何を伝えたかった?
皆様のレビューがみんなバラバラなのはその証左。「何にでもなれる」≒「何者にもなっていない」のロールシャッハ。フェミも反フェミも>>続きを読む
「もう一度確認しよう」
パワハラ、セクハラ告発モノの系譜だが、本作は自分たち映画界の恥部というタブーに切り込んだ勇気ある作品だ。
業界内で決めるアカデミー賞が黙殺したことからも、この映画がいかにヤ>>続きを読む
小さな勝利と残る謎。
シリーズ1作目としては理想的なバランスが、次作へと期待させる。
(高橋源一郎的に言えば)
これは日本の抜け忍だな。鍛えられた忍者が血の掟に背き、独り生きようとするも、次々現れる>>続きを読む
23/8/9@アップリンク❶
1km平方にも満たない団地🏢敷地からカメラは出ない。CGもほとんどなし。それでもこんなに息詰まる作品になる、恐るべし北欧ホラー。
日本のドラマがやれば30分で終わりそ>>続きを読む
23/8/7:吹替@調布❾
高純度なラブストーリー。
エンバーの可愛さに🔥燃え。ピクサーらしいツイスト展開が足りないのが残念だが、ポリコレというアクを取って、素材の味を活かしたエンタメだ。
ルカ、>>続きを読む
前作の子役が大人になって逆に前日譚をやるという。前作見てないと何を言っているのかすら解らんよな。確かにこのシリーズでしかできない芸当。
普通の子供だった時代から描くのか?という予想は外れ、冒頭からい>>続きを読む
アメリカ映画ではなにかと悪者扱いされるチアが主役。こっちが恥ずかしくなるくらい健全な青春映画だけど、これは楽しかった。
主人公が、一度ならず(いんちきコーチ)二度までも(ライバルチームへの援助)金で>>続きを読む
1ミリも共感できない狂犬のような主人公だが、なぜか「良いものを観た」気にさせる。デニーロ&スコセッシの映画「腕力」。
スポーツ大国、マッチョな国アメリカ。そのヒエラルキーの最底辺だった小男スコセッシ>>続きを読む
23/7/27@調布_IMAX
配信よりも映画館。
CGよりもアナログ撮影。
スタントマンよりも自分。
そして、AIよりも人間。
ハリウッド映画「最後の希望」トム・クルーズが今年もまた光を見せてく>>続きを読む
「50年前にテレビ番組から受けた多大な恩恵を、50年後に映画作品という形で少しでも恩返しをしたい」
と庵野秀明は語るが、これは建前だな。どう見ても、仮面ライダーを題材にした作家性の発露であり、実質は>>続きを読む