広島カップさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

広島カップ

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ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

3.2

ミステリーが映画として成立するにはその雰囲気作りが非常に大切です。基本的には暗くて寒い舞台の方が雰囲気が上がる気がします。
本作はそれらを醸成するカメラ、衣装や音楽が平均点以上で満足でした。奇を衒うこ
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喜劇 急行列車(1967年製作の映画)

3.5

1966年製作の本作は東京発長崎行き特急さくら号に昭和の笑いを乗せて走ります。

私が子供の頃にTVに出ていたお笑い系の人が多く出ていて、さすがに爆笑とはなりませんが今観ると懐かしさ100%でニヤニヤ
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バーバー吉野(2003年製作の映画)

3.9

吉野ヶ里遺跡は佐賀県にありますが"吉野刈り"という髪型はおそらく静岡県にあります。
ビートルズのマッシュルームカットは耳まで隠れていますが本髪型は耳が出ているマッシュルームッポいやつ。
その町唯一の床
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

3.8

♪ジーグザグザグ、ジグザクジグザグ、一人キリッ!
「スニーカーぶる〜す」by近藤真彦(1980)
日本ではマッチがジグザグしていますが、イランでは険しい山を登る道がジグザグしています。

アッバス・キ
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怪物(2023年製作の映画)

2.9

怪物は誰かって?
凝った作りにしている脚本(カンヌで脚本賞を受賞)ですが、子供と見せかけて大人という事でしょうか。

子供達に任せておけばいいのに大人が出て来て問題を掻き回しているように見える。
問題
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.5

フィンランドの首都ヘルシンキで日本食レストランを始めた日本人の女(小林聡美)。
開店当初お客が全然来なくて少し心配になるけれども、多分潰れないでしょうという予測が容易に可能な画面。小林の肝の据わった表
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波紋(2023年製作の映画)

4.2

東京郊外の住宅街に住む中流家庭の中年夫婦の話。
一人息子と要介護状態の夫の父親と同居している二人はすこぶる仲が悪い。
東日本大地震が起きた後のある日突然夫が家出をしてしまう。程なく父親は他界し息子は九
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めがね(2007年製作の映画)

2.9

おそらくは日頃のストレスから逃れるために携帯電話が通じない所に行きたいと思って南の島に旅行に来た女(小林聡美)は、観光でもしようと思っていたが地元住民に何もせずに黄昏れることを勧められた。

「黄昏れ
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ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

4.5

ベルファストの小学校における哲学の授業の様子をメインに、その学校での先生と児童の日常を伝えるドキュメンタリー。
校門に爆博物が仕掛けられたり今もなお憎しみ合いが続く北アイルランド紛争についても授業では
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

2.8

幸田露伴と紛らわしい主人公の名前。
幸田の方は文化勲章も受賞した近代の文筆家だが岸辺の方は漫画家で今まで他所でも見たことがない特殊な能力を持つ。相対した人間の過去をその顔を本のように変形してそこに活字
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

5.0

如何にもバスケをやってそうな背高ノッポのニイちゃんネイちゃんがイッパイ来ていて映画館は独特の雰囲気、観る前から雰囲気がアゲアゲでした。

井上雅彦の確かなペンを象徴する五人のニイちゃん達の登場シーンか
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ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

3.5

平成に入ってから作られたゴジラ映画は観た事がなかったのですが、昭和ゴジラとは趣きが違っていたのには驚きました。時代が変わればやはり変わるものだなぁと思いました。
遺伝子操作に加えて超能力の登場は時代的
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濡れ髪剣法(1958年製作の映画)

2.9

市川雷蔵がバカ殿を演るコメディ。
志村けんのバカ殿という意味ではなく、城内生活で世間知らずになった呑気な殿が「私は世の中に出て修行をしとうございます」となり市中に出て来たはいいが、庶民の常識とはかなり
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MEMORY メモリー(2022年製作の映画)

2.5

リーアム・ニーソンただいま古稀...そろそろ71歳。
お肌の曲がり角はとうに過ぎていますが役者としては現在...曲がり角を迎えています。
なんと本作は殺し屋が認知症になったらどうなる?という話に挑戦で
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女経(じょきょう)(1960年製作の映画)

3.9

当時の大映の看板女優である若尾文子(27)、山本富士子(29)、京マチ子(36)がそれぞれヒロインを務める短編三本の連作。※カッコ内は撮影時の年齢

三人揃ってとても綺麗でシタタカでセクシーでキュート
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

4.1

イランの田舎町に暮らす小学生の男の子は、学校から帰宅し宿題をしようとしたところ友達のノートを誤って持って来てしまった事に気がついた。
明日までにこのノートに宿題をしないと友達は学校を退学になってしまう
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陸軍(1944年製作の映画)

4.0

冒頭に「陸軍省後援」「情報局國民映画」とあり、一目でそれと解る昭和19年に陸軍省の依頼を受け木下惠介監督が作った國民の戦意高揚を狙った作品。

本作は慶応ニ年に小倉が尊王倒幕の長州藩の奇兵隊に攻め込ま
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マルタイの女(1997年製作の映画)

4.0

伊丹十三監督の遺作となった本作のタイトルにあるマルタイとは警察の警護対象者のことを指す。
ある殺人事件の目撃者となったことにより、新興宗教に命を狙われることとなった女優(宮本信子)の身辺警護することに
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キングコング対ゴジラ(1962年製作の映画)

2.2

今日は子供の日なので、昭和の当シリーズをワクワクしながら観ていた頃に戻ってみようと思いました。
しかし当時まだアメリカ映画版キングコングを観た事が無かった子供の頃の私には充分通用したと思いますが、齢を
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妻は告白する(1961年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ロープで結ばれた三人の人間が険しい山を登って行く。
仲の良くない夫婦(小沢栄太郎、若尾文子)とその妻の愛人(川口浩)。
崖から夫婦が落ちて愛人がロープで崖の上から二人を支えることになる。
ぶら下がる夫
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インナースペース(1987年製作の映画)

3.5

何かが人に憑依するのも人に入ると言いますが、そうではなく科学の力で小さくなった人が人の体内に入るという話。
そんな話の草分けである『ミクロの決死圏』(1966)は人が人の体内を冒険する話でしたが、19
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せかいのおきく(2023年製作の映画)

4.4

青春は不器用で汚くてクサイ!
映画界の悲願だったテクノロジーが遂に商業映画で実現しました。本作はその画期的な作品です。
そのテクノロジーとはスクリーンから匂いを出すこと。映画界初のスクリーンから出た匂
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LOGAN ローガン(2017年製作の映画)

3.8

ゴジラ以来でしょうか?今シン・ナントカというタイトルを付けるのが流行っていますが、ロウ(老)・ナントカというタイトルがあってもいいと思うほど最近はかつてのヒーロー達が歳を重ねてからの話によく行き当たり>>続きを読む

誇り高き男(1956年製作の映画)

3.5

ロバート・ライアンが正義感の強い保安官を演る西部劇。
町の悪党どもが彼に対して圧力をかけ亡き者にしようとするが彼は怯まず立ち向かう。
西部劇に付き物の早撃ちや一対一の決闘、疾走する馬、垢の強い悪者キャ
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イベント・ホライゾン(1997年製作の映画)

3.0

ポール・W・S・アンダーソン監督が「バイオ・ハザード」シリーズより前に撮った作品で、SFホラーサスペンスという触れ込みでしたがホラー要素は弱い。
観ていて色々な作品がチラついてしまいますが中でもやはり
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クリフハンガー(1993年製作の映画)

3.8

北欧フィンランド出身の監督というと私はアキ・カウリスマキ監督を思い出します。
彼の作品を観るに彼の国出身の映像クリエイターは繊細という印象を受けます。
しかし、同じくフィンランド出身のレニー・ハーリ
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エジソンズ・ゲーム(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「電流戦争」(The current War)
その戦争に参戦した兵隊は銃ではなくライトセーバー様の剣を持ち、相手を斬るのではなく通電させビリビリとシビレされて倒すという近未来の戦争。(ウソ)

18
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キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒(1925年製作の映画)

4.0

700万ドルの遺産を相続するには今夜7時迄に結婚をしなくてはならなくなった男の奮闘記。

チャップリンが『黄金狂時代』(1925)を作った年のキートンの作品。
1920年代のサイレントの喜劇役者と
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ハロウィン THE END(2022年製作の映画)

1.5

一体どうやって終わらせるつもりなのか?
不死身の殺人鬼マイケル・マイヤーズは最期をどのように迎えるのか?興味津々で劇場に向かいましたが、あまりにも呆気ない終焉にガッカリしました。

このデヴィド・ゴー
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空母いぶき(2019年製作の映画)

3.0

近代以降の日本の軍隊(敢えて)が外国と交戦する映画作品はほぼ第二次世界大戦中の話しか観て来なかったのに気付き、本作は実に新鮮に写りました。

台湾有事が2025年あるいは2026年にあるのでは?と一部
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恋人たち(2015年製作の映画)

4.0

"恋人たち"というタイトルからスウィートな恋愛映画と思いきやそこは流石樋口監督、三組の男女?の恋愛模様と言っていいんだか?悪いんだか?、そのかなり特殊な関係に苦しむ人々を描く。

その苦しみが三組共に
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ザ・グリード(1998年製作の映画)

3.8

「さぁ、お次はナンダ!」
主人公がこのセリフを連発することでも分りますが、次から次へと危機が連続する豪華客船内のサバイバル物語。舞台は今では中国が好き勝手にやっていて危険な香りが漂う嵐の南シナ海。
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ぐるりのこと。(2008年製作の映画)

4.0

あえて庶民という言い方が良く似合う、私達庶民の直ぐ近くにいる人達が大勢出て来る作品で、私達の周囲に起きるよくある"ぐるりのこと"があれこれ色々と良い事も悪い事も描かれている。いい事ばかりはありゃしない>>続きを読む

ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

2.7

彼の作品の舞台となりイングマール・ベルイマン監督の愛したフォーレ島は、スウェーデン本土の南東のバルト海域に浮かぶリゾート地。
そこの様子を初めて見ましたが北の植栽に囲まれた南の島の楽園のような感じが
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

1.5

リーチ・マイケル選手の太った兄貴みたいな変な人が初めの方に登場して来て、いきなり少し嫌な予感がしました(?)。

私は『鳥』(1963)で初めて経験した、訳のわからないうちに始まり訳のわからないうち
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.5

私のfilmarksベストムービーの作品の中でリメイクされたのは『十二人の怒れる男』だけ。その他にも5点満点を付けた私の大好きな作品がリメイクされることは滅多に無く、それだけでも嬉しいのに加えて本作オ>>続きを読む