広島カップ

ほの蒼き瞳の広島カップのレビュー・感想・評価

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)
3.2
ミステリーが映画として成立するにはその雰囲気作りが非常に大切です。基本的には暗くて寒い舞台の方が雰囲気が上がる気がします。
本作はそれらを醸成するカメラ、衣装や音楽が平均点以上で満足でした。奇を衒うことなく平均点を維持するのは結構難しいのではないでしょうか?
加えて役者達の踏ん張りが大切です。
クリスチャン・ベールは同じくスコット・クーパー監督とタッグを組んだ『荒野の誓い』(2017)でもそうでしたが、マスタッシュを長くして口元を隠すと何喋ってるんだか分かり難くなってミステリアスな佇まいになります。
ハリー・メリングはエドガー・アラン・ポーの役で暗闇のロウソクの明かりだけの空間で引き立っていました。彼の見事な鼻梁と、マン丸お目目を更に大きく見開いてセリフを捲し立てる演技はミステリアスというより少し怖かった。

ただしビッグサプライズが無かったことも確かで、平均点は上回りますがピークまでは達しない作品でした。
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