カツマさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

4.0

開けてはならない禁断の扉。悪魔は笑い、すがる者は修羅へと堕ちる。恐るべき連続殺人事件の背景に透けて見える、凶悪な殺意とは果たして何か?一人、また一人と、毒牙は無慈悲な刃を立てる。降り積もる雪と凍てつく>>続きを読む

水を抱く女(2020年製作の映画)

4.3

水面に映る哀しみの影。愛しき人の残像が、ただ浮かんでは消えていく。運命はそこにあり、非情なほどに愛の迷路に惑わせた。神話のような寓話、それは現代を舞台にしたお伽噺か。彼女は水を抱き締める。そう、愛する>>続きを読む

エスケープ・ルーム2:決勝戦(2021年製作の映画)

3.9

悪夢は終わってはいなかった。望むはずのない決死の舞台。死のサバイバルはついにファイナルの火蓋を切った。集められたのはサバイバルを勝ち抜いてきた強者、幸運の持ち主ばかり。だが、逃走するだけでは終われない>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

美食の旅は至高の境地。それは厚顔強欲、ブルジョワたちの満潮の無い舌舐めずり。そんな俗物たちに相応しいメニューがあるとしたら、極端な結論としてこんな奇怪な夜が待っていた。暴走に次ぐ暴走、逃走の果ての諦念>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.0

大自然の風景に不穏な影が潜む。忍び寄る何か、恐るべき実体は見えないままにその美しい大地に禁忌は滲む。それはある幸福の形。ただし、恐らく普通ではないケースであった。存在するのは夫婦と羊たちによる牧歌的な>>続きを読む

神が描くは曲線で(2022年製作の映画)

3.7

蜃気楼の上を歩く。それはユラユラとした実体のない真実の形。だからこそ、その真相は信じるか否かという曖昧な基準の上で判断される以外なかった。ある夜の惨劇は二転三転、捩れ続け、神の描いた曲線ですらなぞって>>続きを読む

エノーラ・ホームズの事件簿2(2022年製作の映画)

4.0

夢のような二次創作はまだまだ続く!?シャーロック・ホームズにじゃじゃ馬の探偵願望の妹がいたら・・?という創作から端を発したシリーズは、実写化でも新たなフェーズに突入する。目の前には難題ばかり、でも、エ>>続きを読む

スクリーム(2022年製作の映画)

3.8

惨劇は終わらない。いつしかホラー映画の王道となり、シリーズ化され、オリジナルメンバーが再出演することになるほどにあの叫びの夜は終わらない。これは作為的な世代交代?いやいや、何も変わらない悲劇の連鎖が2>>続きを読む

聖なる証(2022年製作の映画)

4.3

もはや正しいかどうかに意味はない。信じるか、または信じられるか。物語からどのようなメッセージを受け取ることができるか。それに尽きるのかもしれない。外側も内側も創作かどうかはさておき、受け手に委ねること>>続きを読む

キャメラを止めるな!(2022年製作の映画)

3.8

大爆笑の火の粉がまさかのフランスに飛び火!ほぼほぼそのまんまのリメイクがここに爆誕!にも関わらず何かが違う?同じはずなのに何故?やはりオリジナルは素晴らしかった。だけれども、このリメイクもなかなか健闘>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.3

空虚な響きだけがそこにある。地獄のような戦場、弾け飛ぶ命。兵士たちが夜空の星になっていくのはひたすらに無為、意味があるとは思えない作戦に次ぐ作戦。指揮者は行燈と己を語り、若者たちは死んでいく。それが戦>>続きを読む

犯罪都市(2017年製作の映画)

4.2

抗争は血で血を洗う修羅の始まり。それは真っ向からぶつかり合う狂気の刃と打尽の槌。悪人ばかりが跋扈する街で、丸太のような太い腕が仁義なきバトルの先で無双する。力に対抗する力。暴力に負けない威勢。犯罪都市>>続きを読む

グッド・ナース(2022年製作の映画)

4.2

沈黙は心の内と静寂を語る。平熱の殺意、誰にも悟られない狂気。その真意はどこにあった?何度語りかけたとしても、その言葉は濃霧の奥へと消えていく。彼は良き看護師の、はずだった。良き友人でもあり、優しい一人>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

響くのは無音の竪琴。静寂の中に沈むそれは絵画のように心音を鳴らす。迫り来る鼓動の調べ、愛という名の感情はただ風景の残像となって虚空を舞った。時は鬱ろう、世は耽る。それはそう、美しい記憶の中で生きていた>>続きを読む

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

4.2

銃弾の音が突き破る。沈黙の闇を、民主主義の夜明けを、独裁政治の終わりを、まるで明るい未来が待っているかのように。だが、それは新たな闇の始まり。それを知らない男は、過去を精算しようとその心血を削れる場所>>続きを読む

アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.9

冒険は夢へと繋ぐ羅針盤。宝の地図に黄金の財宝、それは未知の世界のアドベンチャー。その始まりの第一歩、兄との約束を胸に今、弟は信用ならない仲間たちと旅に出る。飛行機からの決死のダイブ、地下のダンジョン、>>続きを読む

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

4.0

その荒野の先まで畦道は続く。人生は難しく、老齢にしてもまだ生き足りることはない。いつしか始まった二人と一匹の奇妙な旅路。永遠に続くことはない時間でも、その学びの日々は永久に消えない礎となる。進むのか、>>続きを読む

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ(2022年製作の映画)

3.8

真実は無数に貼られた伏線の中。謎という名の藪の先。それは完璧に構築された物語の先の先。明かされなかった真実が、待たれていたかのように解き明かされる。この終着点が本当のラスト?シリーズは更に深いところに>>続きを読む

スティルウォーター(2021年製作の映画)

4.3

ただ目の前は寂寞の色に染まった。街から離れ、知らぬ土地で誰かを愛し、幸せになれるはずの風景があった。何が間違っていたのか?愚か者は誰?それはまるで故郷の街が束縛しているかのように、どうしようもない慟哭>>続きを読む

アテナ(2022年製作の映画)

4.4

戦争が始まった。哀しみは降り積り、そして、負の連鎖はもう止められないところまできてしまった。こんなはずではなかった。止められるはずだった。しかし、悲劇は新しい悲劇を生み、哀しみは底の見えない憎しみへと>>続きを読む

サイン(2002年製作の映画)

4.3

奇跡を信じるか?潜む謎、襲来する恐怖。絶体絶命の危機においてもなお、あなたは奇跡を信じることができるか?それは啓治か、それとも幸運な偶然か。『サイン』は確かにあった。だが、それに意味を見出すことは難し>>続きを読む

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

4.4

静寂が止まらない。ムクムクと膨れ上がり、哀しみが押し寄せたとしても、音のない時間は続いた。淡々と忍び寄る悲劇。何事もなく聴こえる悲鳴。凶弾は平熱を帯びてなお、その足音を響かせることをしなかった。ヒタヒ>>続きを読む

アイ・ケイム・バイ(2022年製作の映画)

3.6

深淵は奈落のように広がっていた。空回りする正義感、その代償としては大き過ぎる悲劇の残滓。彼が首を突っ込んだのは、絶対に覗いてはならない闇の間際。人間の表と裏側。それは極端なほどに膨れ上がり、深い場所へ>>続きを読む

サマリタン(2022年製作の映画)

3.7

最強の男は忽然と姿を消した。スーパーヒーローはもういない。世の中は荒み、悪は跋扈し、街は貧困にまみれていた。そんな時に少年が出会った一つの奇跡。彼は本当にサマリタンなのか?明らかに強靭、確実に異常。だ>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.3

不穏な何かが押し寄せてくる。それは超自然的な災厄か、それとも人為的な災害か。しかし、見えない、捕捉できない。確実なのは、何かあり得ないことが起こっているということ。空は振動し、電気の群れは居所を失った>>続きを読む

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

4.5

降りたいのに降りられない!何しろ乗ってくるのは暗殺者ばかり、転がり出るのは無惨な死体。東京ー京都間の列車内はカオスひしめくクローズド・サークルとなり、高速の車内では決死のサバイバルが繰り広げられる。そ>>続きを読む

プレデター(1987年製作の映画)

4.0

密林に潜む悪魔。ジャングルというクローズドサークルの中、宇宙のハンターと軍人たちが正面衝突、それは血で血を洗う死闘となった。銃弾は四方八方撃ち込まれ、殺るか殺されるかの決死のバトルが幕を開ける。襲撃者>>続きを読む

デイ・シフト(2022年製作の映画)

3.9

日常に潜む悪魔。今の時代、それらは闇夜の中にいるとは限らない。裏から街を牛耳り、昼夜構わず歩き回り、人間たちを知らぬうちに食い殺していく。恐るべきヴァンパイア、新時代の支配者。立ち向かうのは一匹狼、娘>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.3

悪夢のような惨劇。それはあまりにもリアルな体験、ただ見ていることしかできない悲劇。だが、その連続殺人が現実になった時、物語は恐怖の切先をこちらへと向け、ホラー映画の在り方を根底から覆す。稲妻は走り、死>>続きを読む

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.8

もう雪崩のように止まらなかった。優しさでついた嘘。それが雪だるま式に巨大化し、彼は喉から手が出るほど欲しがっていたものを手に入れた。でもそれは本当の自分じゃない。真実の行動じゃない。あくまで彼の弱さが>>続きを読む

プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)

4.3

命の獲り合いが始まる。それは遥か昔々に遡り、数世紀前の世界に降り立つ異物。宇宙から来襲したそれは恐るべきハンター、禍々しき災厄だった。プレデターは降臨し、人類と初のバトルを展開する。あくまで序章。ただ>>続きを読む

ムーンフォール(2021年製作の映画)

3.8

堕ちてきた宇宙。遠くで楕円を刻んでいた月が突如、地球に衝突。これぞ、正にディザスター。終わりの日は突然訪れ、人類に為す術などあるはずもなかった。全てが終わる、チリと化す。そんな人類に残された起死回生の>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

3.9

最強vs最恐。それは暗殺者たちによる世界規模の白熱バトル!だが、その男を捕捉することは不可能、殺すことも不可能。どんな窮地に陥っても顔色一つ変えず、最強の男は淡々と自身の最短を貫いていく。彼の名はシッ>>続きを読む

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.2

終末がやってくる。恐竜たちは解き放たれ、人類と恐竜は共存する運命を余儀なくされる。それは正にジュラシック・ワールドの完成か。人類は恐竜を管理しようと踠き続け、ついに生態系の破滅をも誘発させる事態となっ>>続きを読む

ジュラシック・パーク III(2001年製作の映画)

3.8

再び対峙する恐怖の魔窟。あの畏怖、あの衝撃、悲劇はフラッシュバックするかのように瞬き、人類の禁忌を強烈に悟らせた。にも関わらず、恐竜たちとの再会は博士にとって運命的に不可避であった。ジュラシック・パー>>続きを読む

ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997年製作の映画)

3.8

人は何故、入ってはいけない場所へと土足で踏み入り、そして犯してはならない禁忌を犯すのか。人類はあの惨劇から学ぶことをせず、欲にまみれて恐竜の島という宝物庫へと手を伸ばす。だが、それは新たなる悲劇の始ま>>続きを読む