カツマ

デイ・シフトのカツマのレビュー・感想・評価

デイ・シフト(2022年製作の映画)
3.9
日常に潜む悪魔。今の時代、それらは闇夜の中にいるとは限らない。裏から街を牛耳り、昼夜構わず歩き回り、人間たちを知らぬうちに食い殺していく。恐るべきヴァンパイア、新時代の支配者。立ち向かうのは一匹狼、娘想いの父親もといヴァンパイアハンターであった。ここから大きな物語が始まっていくのか?序章にしてはあまりにド派手。息吐く暇など与えない。

Netflixが送る新たなるシリーズものの誕生か!?ジェイミー・フォックスが製作と主演を兼ねた本作は、アクションシーン満載、超弩級のエンターテイメント作品に仕上がった。何しろ、製作に元はキアヌ・リーヴスのスタントマンで、今はジョン・ウィックシリーズの監督しても知られるチャド・スタエルスキが入っており、スタントマン大量投入、大人数でのアクションシーンが矢継ぎ早に連発する、製作側がやりたい放題している一本となっている。ヴァンパイアハンターvsヴァンパイア、その激闘の顛末はいかに!?

〜あらすじ〜

アメリカ、カリフォルニア州、気持ちの良い晴天。清掃員のバドは大家が出かけた隙に家内に侵入。すると、暗闇の中から老婆が現れ、みるみるうちに牙の生えたヴァンパイアへと姿を変えた。バドは素早くショットガンを取り出すとヴァンパイアに向けて発砲。すったもんだの激闘の末、老婆のヴァンパイアと若いヴァンパイアを仕留めた。
そう、バドの本職はヴァンパイアハンター。彼はヴァンパイアの牙を売り、なんとか生計を立てる日々を送っていた。別居中の妻と娘には本職を秘密にしているが、いよいよ、妻が家を売って娘と共に引っ越すと言い出すとバドは大焦り。愛する娘ペイジと離れ離れになりたくないバドは、1週間の間に金を作ると妻と約束して、金作りに奔走する。それでも直前にゲットしたヴァンパイアの牙は高く売れず、バドは吸血鬼ハンター組合の力を借りるしか無くなってしまう。だが、バドはかつて組合に所属していた際、様々な問題を起こして組合を解雇された過去を持っていて・・。

〜見どころと感想〜

王道のヴァンパイア映画がここに爆誕!かつての『ブレイド』を彷彿とさせる設定ではあるが、コメディ色が強く、悲壮感が薄いため、気軽に楽しめるエンタメ作品である。ヴァンパイア映画にも関わらず、昼のシーンが多いところも特徴的。何しろ、この映画は、アクションを魅せること、に力点を置いているため、夜よりも昼のシーンの方が都合が良いのだろう。それも功を奏してか、アクションシーンが闇に呑まれることはなく、次々と投下されるアクションの連続に退屈を感じる隙間無し。楽しませることに全振りしてる作品でもあった。

主演のジェイミー・フォックスがかなりハマっており、テンポの良い台詞回しも含めて、主人公のキャラクターをコミカルに演じている。共演にはジェームズ・フランコの弟でもあるデイヴ・フランコ。彼は映画監督としての経験もあったり、出演作品も何気に豊富。典型的な白人青年を演じるも、徐々に主人公のバディとして頼れる存在になっていく。他には『グレイテスト・ショーマン』『ガンズ・アキンボ』などに出演のナターシャ・リュー・ボルディッツォが後半のアクセントとして機能。更には大物スヌープ・ドッグが最高にクールな役で出演している点も見逃せない。

説明不足のためクエスチョンマークが付くポイントもあるが、それらを超スピードで吹っ飛ばせる最大風力を誇っており、とにかくアクションを楽しんでほしい人向けの作品である。新たなヒーロー誕生なるか?と期待させるヴァンパイアハンターものということで、続編もかなり作りやすいはず。2時間弱の上映時間もドンピシャの体感時間で、王道ジャンプ漫画のような行き当たりばったり感も含めてあまり考え過ぎずに楽しんでほしい作品でした。

〜あとがき〜

スタントマンへの仕事を増やしたであろう大人数アクションが随所に炸裂しまくる何気に硬派なアクション映画である。テンポがかなり良く、考える隙を与えないスピード感も魅力的。ジェイミー・フォックスもノリノリでド派手にショットガンをぶっ放している。

最近、一時期の勢いに翳りが見られるNetflixですが、この手の作品からシリーズ化していくと更に視聴者の囲い込みに繋がりそうですね。夏のお昼に見るにもピッタリの一本で、ご飯を食べた後に観ても眠くならないと思いますよ・・!
カツマ

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