カツマさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

4.8

夢は夢のままでいてほしかった。憧れは憧れのまま、甘美な虚像のままでよかった。キラキラに瞬くヴェールの裏側、そこにあるのは哀しいほどの現実と、見たくもなかった偶像の顔。ダンスホールはクルクル回る、夢の残>>続きを読む

マトリックス(1999年製作の映画)

3.9

運命はすぐそこにある。選び取るのは自らの意思、迫り来る覚醒の時。コンピューターに支配される架空社会、それは現代の寓話のようなフィクションの世界。いつかはそれも夢のような現実となる?マトリックスは20年>>続きを読む

悪なき殺人(2019年製作の映画)

4.4

動物たちが蠢いている。愛したり憎みあったりしながらも、人間という動物たちは地を這いずるように生きている。それは循環、または偶然という名の流転。巡り巡ってそれは悪?いや、動物たちにはそれが何なのかすら分>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.7

それはまるで煙のように。知らぬうちに吸っては吐いて、大気のように呑み込んでいる。大自然の山の向こうに消えた想い。それを臓器のように取り出したなら、秘めし愛の塊が粗野な身体を震わせる。真に丸裸にされたも>>続きを読む

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.5

いつもどこかで焦っていた。時間に足を掬われてて、夢は遥か遠くの星のように、ただ見つめるだけのものになりつつあった。そんな30歳も間近の頃、崖っぷちから鳴り響く、それは豊かなミュージック。何でもない日曜>>続きを読む

COWBOY BEBOP 天国の扉(2001年製作の映画)

4.0

夢を見ていた。天国へと続く夢を。夢幻に宙を舞い、蝶々は美しい幻影を見せた。扉はあると思っていた、死が待っていたその先に。何も見えない、聞こえない。もう愛した人の顔さえも思い出せない。サヨナラは遠く彼方>>続きを読む

レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.8

世界一の盗賊は誰だ!?ある者は不敵にも公然と美術館に忍び込み、そして、ある者は影を踏まずにミスディレクションを遂行する。そこに割り込む訳ありインターポールを巻き込んで、世界を股にかけた宝探しが幕を開け>>続きを読む

モータルコンバット(2021年製作の映画)

3.7

未曾有のバトルワールドがここに開幕!人類と魔族は激突し、選ばれし者たちによる究極のデスマッチが豪快に歴史を刻む!能力が目覚めなければ待つのは『死』のみ。恐るべき修羅の睨み合いを制するのは果たして誰だ!>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.2

明かされる地球の歴史。それは壮大な物語、手の届かないような宇宙の彼方。エンドゲーム後のMCUはついに新たな転換点へと到達し、我々の想像を及ぼせないほどの巨大な地図を描き始める。彼女たちは神なのか?それ>>続きを読む

ヤーラ(2021年製作の映画)

3.8

雪中に消えた足跡。事件は暗中を漂い、その痕跡はまるで水中を泳ぐ透明人間のよう。犯人はどこかにいる。しかし、その証拠も、足取りも、長い年月の底へと埋没していった。それを辿るのはある女性検事の執念と科学捜>>続きを読む

アーミー・オブ・シーブズ(2021年製作の映画)

3.9

それはサバイバルの夜明け前。ゾンビに世界が侵食されている最中に起きた、変態的な金庫破り師誕生の物語!相手は難攻不落の伝説たち、それに立ち向かうは凄腕集団のみで結成された人殺しNGの盗賊団!アーミー・オ>>続きを読む

母の聖戦/市民(2021年製作の映画)

4.3

日常が闇に侵される。容赦なく捨てられる平和、頼る者のない絶望。そんな悲劇の当事者となった時、ほんの一市民にどれだけのことができようか。夫は面倒臭そうに言葉を投げ、警察は当てにならない、となればもう彼女>>続きを読む

エスケープ・ルーム(2019年製作の映画)

3.8

そして扉は開かれる。放り込まれた死のゲーム、命をかけた脱出劇の幕が開く。絶体絶命の密室、疑心暗鬼に襲われて、ギザギザの心拍音が生死の狭間で鳴り響く。運命に翻弄されれば最後、不運の奈落が口を開いて待って>>続きを読む

スヘルデの戦い(2020年製作の映画)

4.3

死の行軍はまだ終わらない。泥沼の戦場、死闘は凄惨を極めた。その裏で犠牲になる市井の人々、彼らの地獄はもう終わるはずだったのに。連合軍vsドイツ軍、そのオランダ戦線の火蓋を切ったスヘルデの戦いが新たな戦>>続きを読む

ザ・トリップ(2021年製作の映画)

4.2

その愛憎劇は修羅の沙汰、ヘドロまみれの夫婦仲。どこかに愛はあるのかと問いかけながら凶器を振るう。どうしようもなく内輪揉め、と思いきや、いつの間にやらサバイバル。カオスは転がり、底無し沼に堕ちていく。さ>>続きを読む

G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(2021年製作の映画)

3.6

彼はこの世に存在しない男。名前は抹消され、亡霊のように虚空を彷徨う。闇の底をもがき続け、その手にあるのは復讐のみ。世界を救うことなど二の次のはずだった。だが、兄弟との出会い、忍びの道、傲慢と裏切り、そ>>続きを読む

G.I.ジョー バック2リベンジ(2013年製作の映画)

3.7

乗っ取られた米国、このままでは確実に世界は終わる。にも関わらず、頼みのG.I.ジョーは壊滅寸前、絶体絶命、もうこの世界を救える者はいないのか?いや、まだ終わりではない、生き残った戦士たちによる、負けら>>続きを読む

G.I.ジョー(2009年製作の映画)

3.6

あらゆるものを爆破する!目の前の敵を、世界に仇なす対象を、飛来するミサイルを、木っ端微塵に打ち倒していく!そんな最強の武装軍団G.I.ジョーの相手となるのは、エッフェル塔の爆破を狙うなんかヤバそうな悪>>続きを読む

21ブリッジ(2019年製作の映画)

4.0

犯罪に侵される街。銃撃は乱舞し、悲劇の痕は数を増す。それを治癒するため、一人の男は夜を駆け、犯罪者に容赦のない鉄槌を食らわしていく。この終わりなき犯罪の夜明けはどこへ。どんなに悪を断罪しても、愛する人>>続きを読む

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償(2020年製作の映画)

4.6

魂が奮い立つ。拳を突き上げ、張り裂けそうに心は叫ぶ。カリスマがいる、目の前に時代を動かす先導者(リーダー)がいる。彼は生まれるべくして生まれた、そう、民衆を守るため、当たり前に生きるための権利を得るた>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.5

伝説は蘇る。身体を震わせるほどの重低音、立体的に歪む砂。そこには現代のテクノロジーが実現させた宇宙があり、そして、才能の集合体の結実としての究極があった。SFの古典と謳われ半世紀、ついに完全体としての>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2021年製作の映画)

3.9

悲鳴が聞こえる。それは耳からするりと分け入っては、罪という名の毒を噛む。助けを求める声。だが、本当に苦痛で顔を歪めているのは誰なのか。絶え間ない偏頭痛、思い出したくもない記憶。彼の中に巣食っている直視>>続きを読む

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

4.0

別れの時が来た。最高のジェームズ・ボンド、誰よりも相応しいその姿。行かないでほしいと願いつつ、彼の背中は遠ざかっていく。ならば、その花道を見届けなくてはならない。ダニエル・クレイグという偉大な俳優が演>>続きを読む

007 スペクター(2015年製作の映画)

4.1

黒幕は霧中に潜む。姿なき暗躍、真実という名の恐怖。これまで007を何度も追い詰めてきたヴィランたち、それらを裏から操ってきた悪の権化が牙を剥く。自身の過去の切れ端と対峙する007、彼に待つ未来への選択>>続きを読む

007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.2

亡霊が追いかけてくる。抹消したはずの過去、切り捨てるべき闇。そこから這い出てくるのは悪しき怪物、屈折して混濁へと堕ちる愛。空はどこへ、あの落ちてくるはずのない運命はどこから来た?行く当てもない私怨、狂>>続きを読む

007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

3.8

燃え盛る復讐の炎。それは轟々と音を立てながら、静かなる狂気の背後で揺れ動く。愛した人の死がもたらした新たな闘争、それは血で血を洗う悲劇の上塗りであり、間違いなく命の重さは軽減されていた。スパイとしての>>続きを読む

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.0

モノトーンのプロローグ、新たな伝説の始まり。受け継がれし名前を胸に、21世紀のジェームズ・ボンドが誕生する。無鉄砲にして無軌道、まだまだ猪突猛進する若かりし頃の日。最強のスパイに滲む青さの果てに、零れ>>続きを読む

ケイト(2021年製作の映画)

3.7

東京の夜。運命は流転し、一夜にしてサバイバルは加速する。待っているのは死。それでも何かを成し遂げようと、彼女は暗殺者としての最後の炎を燃やし尽くす。荒ぶる火の粉はふりかかり、容赦なく戦士の命を削ってい>>続きを読む

空白(2021年製作の映画)

4.6

泥沼は加速する。負の連鎖に導かれるように、怒りのナタは鋭さを増す。誰が悪い?正義とは何?嵐のような混迷の中で、呑み込まれゆく人生は転げ落ちるように崩壊していく。絶望的なすれ違い、分かり合えない想い。も>>続きを読む

ロマンティックじゃない?(2019年製作の映画)

4.0

ロマンティックな恋って何?ディ○ニー映画みたいな歌とダンス?キラキラ豪奢なお部屋の装飾?長身のイケメンに追いかけるられること?いやいや、現実の恋愛なんて全然ロマンティックじゃない。ラブコメなんて、スク>>続きを読む

シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

4.3

伝説は蘇る。1000年の布石を経て、ヴェールの下の巨大な組織が目を覚ます。10個のリングに秘められた謎、屈強な遺伝子に宿る闘志。新たな闘いの火種はそこにあり、アベンジャーズの先の扉に手をかける。何が始>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

4.2

誰だって無敵になれる。身体の芯は煌々と燃え、心は全能感に満ち溢れる。気は大きくなるし、最悪な人生だって忘れられる。泥酔、酩酊、ミッドナイト、泥酔、酩酊、オールナイト、何かが壊れてしまう足音。もう戻れな>>続きを読む

ヒーズ・オール・ザット(2021年製作の映画)

3.8

まるで魔法のように恋をする。気付いてしまった淡いときめき、素直になれない胸のざわめき。もしもう一度だけ会えたなら、もっと素敵な人に見えるはず。でも、そこまで辿り着くのは至難の業、二人の距離は埋まりそう>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.6

狂気は血飛沫のように乱舞する。抉られる恐怖、地獄と化した街は燃える。一人の怪物の帰還、それは全てを破壊し、殺し、八つ裂きにする修羅の爪痕。危ういバランスは完全に崩壊し、人の心は呆気なく闇堕ちの一途を辿>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.9

どうしてそうなった!?実績無しのダメダメ捜査官たちが、どういうわけか張り込み先のチキン屋さんで大成功!もはや捜査どころじゃない、客は押し寄せ、チキンを揚げることこそ生きる道!?いやいや、彼らはダメでも>>続きを読む

ゾンビランド:ダブルタップ(2019年製作の映画)

4.2

ゾンビを殺るのに二度撃ち(ダブルタップ)は必須。なんせ奴らは死んだと思えば襲ってくる、絶対に油断は禁物。それでもやっぱりゾンビランドは通常運転。ちょいグロ、ちょいバカ、ちょいラブのちょいビル・マーレイ>>続きを読む