カツマ

サマリタンのカツマのレビュー・感想・評価

サマリタン(2022年製作の映画)
3.7
最強の男は忽然と姿を消した。スーパーヒーローはもういない。世の中は荒み、悪は跋扈し、街は貧困にまみれていた。そんな時に少年が出会った一つの奇跡。彼は本当にサマリタンなのか?明らかに強靭、確実に異常。だとしても、男は自身をスーパーヒーローだとは名乗らない。サマリタンはどこにいる?少年と老人の出会いが生んだ新たなダークヒーロー絵巻の幕が開く。

アマゾンプライムで独占配信中のシルベスター・スタローン主演のダークヒーロー映画がここに誕生!原作はMythos Comicsのグラフィック・ノベルズから取られており、伝説のヒーロー、サマリタンを巡る闘いが描かれている。よくあるヒーロー映画ではあるが、特殊な趣向も凝らされており、最後まで油断は禁物。スタローン無双映画として、数多くの肉弾戦を楽しめる作品でもある。新たなヒーローものの定番となるか?最強のヒーロー、サマリタンの全貌がここには隠されている。

〜あらすじ〜

25年前。グラニット・シティには二人の超人戦士がいた。それは対称的な双子のヒーロー、ネメシスとサマリタン。ネメシスは親の敵を晴らそうと悪の限りを尽くし、対してサマリタンは正義のために戦い続けた。そして、ネメシスvsサマリタンの発電所でのバトルで、サマリタンはネメシスに勝利。サマリタンもその時の大爆発に巻き込まれるも、民衆は善のヒーロー、サマリタンはまだどこかで生きていると信じていた。
そして、現在。13歳の少年サムは貧困に喘ぎながら母親と二人で過ごしてきた。サムはサマリタンの大ファンでサマリタンが世の中を良くしてくれると信じているが、現実は甘くはなく、家賃も払えないくらいに母子の生活は困窮していた。そんなサムのアパートの隣りにジョーという名の老人が住んでいた。ごみ収集人の彼は人との接触を控えて過ごしてきたが、サムがギャングに襲われているところをスーパーパワーで撃退。それ以降、サムはジョーこそがサマリタンなのだと信じるようになり・・。

〜見どころと感想〜

非常にオーソドックスなヒーローもので、『バットマン』のような世界観と、『イコライザー』のような、実はそこら辺のオッサンが最強だった系のドッキング作品である。少年が悪に呑まれそうになるところを、サマリタン?と思わせる老人に助けられ、二人の交流を軸に物語は進んでいく。とにかくジョーが別格の強さ。負ける可能性がほぼない最強のヒーローなので、比較的スカッとしながらアクションを楽しむことができるだろう。

また今作は主人公を演じたシルベスター・スタローン映画であり、彼の勇姿を堪能するための作品でもある。すでに70代の半ばに差し掛かるスタローンだが、そのボディはまだまだ健在。ギャング共をパワフルに放り投げては、太い脚で強烈なキックを食らわす。アクションレジェンドが現役バリバリであることをその目に焼き付けてほしいと思う。逆にスタローン以外のキャストがかなり弱く、そこに関しては課題も残ったか。敵キャラがモブ過ぎる点も大きなマイナスポイントだっただろう。

監督は『オーヴァーロード』でナチスとゾンビ映画の混合に挑んだジュリアス・エイヴァリー。ただ、『オーヴァーロード』ほどのぶっ飛んだ描写はなく、カルト感が抑えられたエンタメ作品に仕上げてきている。
ジョーは何者なのか?やはりサマリタンなのか?ジョーの過去に何があったのか?などなど謎は多く、それらが解き明かされていく過程が今作の醍醐味でもある。物語にその先はあるか?スタローンが元気ならまだまだシリーズ化は可能かと思うけれど果たして・・!?

〜あとがき〜

今作はアマプラで大々的にピックアップされている、ひたすらスタローンが無双しまくる映画ですね。スタローンリスペクト映画ということで、とにかくスタローン演じる主人公が超絶強い。負け試合は想定不要の作品です。

サマリタンとネメシスの対立の掘り下げ具合がやや足りないかな、という気もしましたので、そのあたりをキッチリと回収すべく続編は作り上げてほしいですね。アクションシーンは迫力満点。案外、オープニングが一番カッコ良かった?ような気もしました(笑)
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