教授さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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クライマーズ・ハイ(2008年製作の映画)

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端的に言って変な映画。
映画全体の、映画らしい佇まいも含めてよくできた映画なのに、何が描きたいのかさっぱりわからない作品…。

まず本作の「大ネタ」として扱われる「日航ジャンボ機墜落事故」は、完全に背
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マーベルズ(2023年製作の映画)

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非常に興行収入が低迷しているらしい本作。世界的には「MCU」の熱狂は潮が引くように、冷め切ってしまった…などと聞く。

ただ、僕は結構楽しんで観た。
面白く感じたのはマーベル・スタジオ自体が「エンドゲ
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レジェンド/光と闇の伝説(1985年製作の映画)

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約30年ぶりの鑑賞。内容に関する記憶は全くなく、リドリー・スコット監督であり、主演はトム・クルーズであり、SFファンタジーということしか覚えていなかった。
印象に残っているのは、かつての「日曜洋画劇場
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

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なんとなく感想はぼんやりしているが、僕はやっぱり1930年代の悪辣な日本軍が絡む時代と「バビロン的」な都市を舞台にしたスパイ・アクション、あるいはフィルムノワールが条件反射的に好きなんだと思う。

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ベスト・キッド(1984年製作の映画)

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非常にシンプルなストーリーを、繊細な感情を表す演出やテーマを忍ばせる丁寧な演出で見せてくる質の高い映画。
さすが「ロッキー」のジャン・G・アヴィルドセン監督作品。

母子家庭でニュージャージーからカリ
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Life work of Akira Kurosawa 黒澤明のライフワーク(2022年製作の映画)

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んー…と絶句してしまうほど、面白さは感じなかった。
というのが、本作で映し出されている「乱」以外にも「影武者」や「夢」、そしてその他のメイキングを追ったドキュメンタリー作品もそれなりにあり。
映画製作
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デスペラード(1995年製作の映画)

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前作「エル・マリアッチ」を観ると、結構しっかり「続編」していることが新鮮。
当時の「タランティーノ・ブーム」の中で色んなフォロワーが出てきた中で、ロバート・ロドリゲスは丁寧な職人作家という印象で、本作
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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他人の好き嫌いに優劣をつけることは愚行だということは、百も承知であることは予め断っておく。
クドいようだが、これらは「あくまで個人的な見解」であることも同じく断っておく。 

それを踏まえて、至極、個
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

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非常に意地悪で、そのクセとってもクールでという相反する「構造」を映画的にこれでもかと見せつけてくる個人的には大好きな映画。
さすがデヴィッド・フィンチャーという感じ。

マーティン・スコセッシ監督の「
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ドミノ(2023年製作の映画)

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2作続けてのロバート・ロドリゲス。
前日に「エル・マリアッチ」を観ていたので、結構参考になった。

かなりのキャリアを積み重ねてきて、もはやベテラン監督になっている中、職人的娯楽映画の「鏡」と呼びたい
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エル・マリアッチ(1992年製作の映画)

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そういえばロバート・ロドリゲスの監督作品は「デスペラード」意外観ていないぐらいにふんわりとした印象だったので、観てみた。

監督だけでなく脚本、撮影、編集を手掛けているぶん、「ロドリゲスの映画」という
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

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あまり内容については語ることがない映画。しかしその使い倒された定型の(しかも近年は乱発気味)ジャンル・ムービー。
定型であるが故に、求められるのはその「お約束」としての「型」をどれだけ忠実に踏襲するか
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私は貝になりたい(2008年製作の映画)

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結構退屈な映画でショックだった。
戦中派である橋本忍の脚本があるとしても、戦争を知らない世代が描く当時の世相という嘘臭さが前面に出ている。
それは本作をリライトした橋本忍も同様なのだろう。やはり「時間
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

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総じて面白かったのだけど、監督のギャレス・エドワーズのことはあまり好きになれない、というような感想。

正直、脚本というか、ストーリーに没入できない粗さが目立つ。
平たく言えば「日本のアニメ」的な世界
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私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?(2022年製作の映画)

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本作を観る前に「社会や世界で起きていることに注視する」とメモしていた。

というわけで本作。
実際の事件に関しては概要だけ頭には入っていた。
それをどう「料理」するのか、という点が本作の見どころといっ
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DAU. 退行(2020年製作の映画)

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劇場ではさすがに体力がもたないと、勝手に憶測して保留していたが、配信になったので、3日に分けて観た。

とりあえず映画作品としてはかなり優れていると感じる。
長尺ながら、退屈に感じるところは皆無。チャ
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嵐を呼ぶ男(1957年製作の映画)

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結論としてはとても面白かった。
というかサクサク観ることができた。
ただ、批判ではないのだが、中身はまるでない。
いわゆる「アイドル映画」の系譜だろう。

古い日本映画が好きなのだが、昔から「日活映画
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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本作の上映時間の長さに対しては「体感は一瞬だった」みたいな言葉は、少なくとも初見時にはない。ちゃんとそれなりに長く、内容の重さや、地味さも含めて集中力が途切れるところもなくはない。
「長さ」による疲労
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十戒(1956年製作の映画)

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歴史の基本的なことを意外にちゃんと知らない部分もあって、とりあえず映画から始めてみる。
ということで旧約聖書「出エジプト記」の話。

見どころはとにかく豊富。
とにかく大スケール、大スペクタクル。デジ
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

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まず本作を鑑賞中、最後列のパーティピープル的なカップルがほぼ全編に渡り喋り続けていて、序盤はずっと睨みつけていた。
観終わったあとは、ロバート・マッコール(デンゼル・ワシントン)ばりに「やれやれ」と冷
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子連れ狼 冥府魔道(1973年製作の映画)

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「子連れ狼」シリーズの5作目。
子供の頃に凄く好きだった印象があったが、観返すと大味なストーリーラインが意外に乗れなくて、面白いんだけど内容がわからない、という感慨があった。
そもそも通好みの、よくわ
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

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凄くよくできた日本映画。
であるのだけれど、原作由来の「コミック的」な作劇が、実写映画作品としてモヤモヤもする点が散逸する、といった感想。

日本映画は特に近年「コミュニケーションの断絶」を何かしら表
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

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前作「パラベラム」はもはやギャグとしての「アクションばかりの映画」として全然好きじゃなく、更に本作は約3時間弱の長尺で正直あまり期待してなかった。

加えて近年の「純粋映画回帰」のトレンドと合致するよ
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ミュンヘン(2005年製作の映画)

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時世柄も影響する本作。
冒頭から唸るような「演出」の細やかさと、とても地味なストーリーラインをこうもエンタメとしてグイグイ見せていくテクニックが秀逸。

冒頭の「ミュンヘンオリンピック事件」の再現も、
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almost people(2023年製作の映画)

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「喜怒哀楽」それぞれの感情が欠落した4人の兄妹たちのそれぞれのエピソードをオムニバスという形式と(なるべく)一本の映画としてシームレスに繋ぐような試み、という形で製作された「コンセプチュアル」な作品。>>続きを読む

スワロウテイル(1996年製作の映画)

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映像がもっともらしい割に、ディテールが緩く、脚本がガタガタ過ぎて笑ってしまった。
岩井俊二監督作品には「これは映画なのか?」という評がついて回るが、本作は特にそれが顕著。

時節柄のトレンドである世界
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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

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凄く楽しんで、めちゃくちゃ笑いながら観た。
韓国での興行収入1位の大ヒット作だそうだが、世間の評価も含めて、納得の出来。

韓国映画の良質さの背後には概ねハリウッド映画の影響があって、そのスケール感、
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バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

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「適応障害」でもいいし「発達障害」でもいいし、何なら「アスペルガー」だの「HSP」だの周囲からも言われる自分にとって、その「属性」に名前をつけられるのも鬱陶しければ、それを「治療」と称して社会と同化さ>>続きを読む

デス・レース2000年(1975年製作の映画)

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何も、どこにも「正義」のない世界こそ、本来の「人間」のあるがままの姿でそれ以上でもそれ以外でもない現実を前提にして、どうしようもなさを残したまま、尊厳の奥底にある大義を暴力的に発揮する映画に、いつも元>>続きを読む

裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

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何の気なしに、こんな映画を観るなよ、と叱り飛ばしたい気持ちになるほど、観終わった後はまんまと衝撃を受けてしまった。
ずいぶん久しぶりに「映画的映画」としての古典(クラシック)の強烈な体験をした。

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将軍家光の乱心 激突(1989年製作の映画)

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東映の「集団抗争時代劇」の流れを組むアクション大活劇。
やはり、時代劇は落ち着く。
冒頭から狂乱じみた矢の応酬。女性の首は射抜かれ、侍たちの目玉も射抜かれ、爆破に斬り合いと、いきなり景気が良い。

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国葬の日(2023年製作の映画)

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僕個人のパーソナルな話なので、アレなのだが、つくづく「日本国民」が嫌になるドキュメンタリー作品。

「安倍晋三」という元内閣総理大臣を、嫌悪している自分にとって、微かにでも「崇拝」している姿を見ると落
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

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個人的には「大傑作」と言われる「スパイダーマン/アクロス・ザ・スパイダーバース」よりも本作の方が無邪気に好きだし、感動もした。
という意味で、両者はとても比較しやすいと思う。

「スパイダーバース」が
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ほつれる(2023年製作の映画)

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加藤拓也監督は、徹底した「撮り方」と物語の構成力の確かさで「映画」を、映画であるということを意識的に、且つ前のめりに表現してくる作家だと思う。
そのため、本作も実にドラマを確実な構図で捉えようとするし
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ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発(2008年製作の映画)

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そこまで気持ちが乗って褒めそやす気はないのだが、それでも丁寧に作られた素晴らしい特撮怪獣映画。

松竹唯一の怪獣映画である「宇宙大怪獣ギララ」とはシリーズという整合性はないのだが、まさかの同じデザイン
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ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト)(2022年製作の映画)

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いわゆる「商業用」の「劇場公開作品」が困窮しているためか、近年こういった「ドキュメンタリー」作品が乱発して公開されているが、正直本作もわざわざ映画館で観るべき作品かはわからない。

本作で言えばジャン
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