そういえばロバート・ロドリゲスの監督作品は「デスペラード」意外観ていないぐらいにふんわりとした印象だったので、観てみた。
監督だけでなく脚本、撮影、編集を手掛けているぶん、「ロドリゲスの映画」という感触があって、叩き台のストーリーに「作家性」が詰まっている。
本作は、かなりの低予算映画であるが故に見えてくる「映画の面白さ」がある。
ほぼ「自主制作」の体である故に、有名俳優は出演していない。
その為、出演者に失礼ながら「華がない」。
脚本も大まかに見れば、登場人物はかなりのボンクラ、あるいはバカばっかりのため描き込みという点は不十分。
それを「どう面白く」するかが演出であったり、撮影による画面作りであったり、編集によるテンポやリズムによるもので、映画は基本的にはそれが全てである。
少なくとも画面作りにおいては低予算の制約の中で「プロっぽい」画面が常に構成されているので、人気監督になる人はやっぱり技術力が高いのだと、痛感する。
つまり、それだけで「映画」ついての教科書としても役に立つし、シンプルに面白い。
特に、コメディ要素が多めである点も含めて、ガンアクションのケレン味や、ラブロマンスの唐突さに加えての「どアップ」など、ショックを感じるような躊躇のないショットも多い。
全体を通しての「緩さ」の心地よさと、その緩さの中に刺激的なショットを交える「演出」を加える緊張と緩和が楽しい。