教授さんの映画レビュー・感想・評価

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仁義なき戦い 代理戦争(1973年製作の映画)

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「仁義なき戦い」シリーズ3作目。
前作は「スピンオフ」的な扱いなので実質は1作目の続編。

もう、神がかり的にべらぼうに面白い。
戦後日本の歴史的テキストでもあり、青春映画であり、日本の民主主義や資本
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プリシラ(2023年製作の映画)

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90年代後半か00年代からひとつのムーヴメントになった「ガーリー・ムービー」の先駆者的なイメージのソフィア・コッポラっぽい映画だなぁという印象。

ひとつの「ジャンル映画」として観るならば本質的なこと
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機動戦士ガンダム(1981年製作の映画)

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テレビ放映版のダイジェストを劇場公開した作品。擦られ過ぎた作品なので今語るべきことはもうないのかもしれないと思う。
個人的にもそこまで熱狂してガンダムを追いかけているわけではないし、アニメーションのオ
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シュリ(1999年製作の映画)

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韓国映画の記念碑的作品。本作からすべては始まったという感慨の強い名作。

キャストもハン・ソッキュ、キム・ユンジン、チェ・ミンシク、ソン・ガンホと超豪華。
そして当時の韓国映画史上最大のバジェットの多
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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圧倒的な「映画力」と言いたくなるような映画。
タイトルバックにいきなりの「ゴダール」オマージュなら冒頭の、意地悪なほど長めに続く森のシーン。石橋英子の音楽と合わせて、本作が「禍々しさ」を抱えた物語であ
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とべない風船(2022年製作の映画)

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映画としては生彩を欠く凡庸な作品。
西日本の豪雨災害を受けてのインスパイアが、物語に機能しているかどうかが微妙。
憲二(東出昌大)の抱える喪失感というのが演技力以上の要素としてまるで機能していない。つ
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

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ポッドキャスト課題作品。

「好き」を公言するにはちょっと羞恥心が邪魔するほど、ミーハー的な部分と作品の持つテーマ性の意義深さが同居している傑作に違いない。

本作の確信犯的なところは、物質主義であっ
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セブン(1995年製作の映画)

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とても面白かったのだけど、感想が湧いて来ない。
ただ、劇場公開時を知っているので、時代の「潮目が変わった」という革命的な映画であることは後年になってよくわかる。

つまり。明るく大味な「ハリウッド大作
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さや侍(2011年製作の映画)

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作品数を重ねる度につまらなくなる松本人志監督の3作目。
「お笑い」に対してストイックで天才と称されているけれど、本当に「お笑い」に関しても天才なのか疑問符がつく。

冒頭の賞金稼ぎに狙われる主人公の野
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

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ネトウヨと生きていく社会について。
「ラブコメ」と括るにはとてもヘヴィな内容だが面白かった。

メンタルヘルスの問題を抱えるスティーブン(ピーター・ディンクレイジ)と宗教と戒律の呪縛を内面化しているパ
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ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

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久しぶりに後味の悪い映画を観たという感想。
充分面白い俗悪なエンターテイメントだと思う半面、ディテールの粗さや、俳優たちの演技の大仰さに疲れたという気持ちもある。

部品は揃っているのだが、ドンデン返
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

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何から書いていいかわからないぐらい、泣いてしまった。
史実については観る前から調べていたし、さしてプロレスにも興味があるわけではないのだが、引き込まれてしまった。

とにかく目を覆うばかりの悲惨な物語
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エイリアン3(1992年製作の映画)

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「エイリアン」シリーズは4作目までは監督を務めた各人の作家性やトーンが各々で強烈に発揮される印象。
本作は、シリーズの位置付けとしてよりも監督、デヴィッド・フィンチャーのデビュー作としての意味が大きい
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サニーサイド(1919年製作の映画)

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公私共にチャップリンの「スランプ期」の作品(らしい)。
ただサイレント期のチャップリンの良し悪しについては、正直違いがよくわからない。まだまだ勉強が必要。

コメディ的な「笑い」についても、世代的であ
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しんぼる(2009年製作の映画)

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基本的には世の中で言われている通りの酷評。
なぜ製作されたのかが全くわからないというのが本作は悩ましい。

「海外向け」と、外国文化に対して何ら関心のない松本人志監督の、無知と軽視が散見されるつくり。
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

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本作を観て、例えば恋愛における「倫理観」みたいなのは(常々思っていることでもあるが)、本当にどうでもいいや、と思えたというのが感想。

正解を持ち得ない「正しさ」という考えにおいて、恋愛に限らず他者を
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

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本作のテーマとはまったく関係がないことだが、近年言われている「トキシック・マスキュリニティ」という考え方は、社会構造の問題としては重要な課題の一つだとは思いつつ、広く流布され浸透したものについては「言>>続きを読む

戦火の馬(2011年製作の映画)

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いつの間にやら本当の「巨匠」に登り詰めていたことに気付かされるスピルバーグ監督。
初期作品から順番に追いかけていると、それが確実にわかってくるから面白い。

前作「タンタンの冒険」からはうって変わって
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この子を残して(1983年製作の映画)

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神保町シアターの特集上映にて。

広島、長崎の原爆についてはもはや、トラウマと言ってもいいほど幼少の頃から映画や書籍を通じて触れている。
そのきっかけは忘れたが印象的なのは小学校の頃の長崎への修学旅行
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青春ジャック止められるか、俺たちを2(2024年製作の映画)

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ファーストシーンのVHS方式のビデオカメラの件。値段についてのやり取りで「当時」の男子高校生が「高っ!」と発した時点でほぼほぼ映画に関しての興味が下がってしまった。
最後まで観てしまえば、描かれている
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

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それなりに、という意味では充分楽しかった映画。なのだが、一方で脚本の不備や設定の甘さで物語運びがとっ散らかっているし、雑にも感じる微妙な出来。

しかし面白く観ることができたところはとても多い。
前作
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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前作は眠かったのもあって、あまり記憶に残っていなかったのもあるが、物語としては「何も起こらなかった」という印象があったのだが、そのあと観返すと、そういうわけでもなかった。
原作の世界観に没入するための
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ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争(2023年製作の映画)

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映画は観た者(観客)が自由にイメージを膨らませてあーでもないこーでもないと言い募ることで完成する、という側面がある。

気軽にアップリンク吉祥寺で、駆け込みでチケットを買い、午前中に本作を観る。
上映
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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本作は現状、観客からと批評家からも高い支持を得ていて、興行的にも大成功している(日本は某アニメでも観てるだけの国なので例外)中で、ちょっと褒め過ぎだと感じた。

クリストファー・ノーランは完全無欠の映
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12日の殺人(2022年製作の映画)

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ドミニク・モル監督の作品は前作「悪なき殺人」に続いて2作目。
前作譲りの「ミステリー」を通した人間模様と、いわゆるエンターテイメントなカタルシスから横道に逸れたテーマの活かし方という点で共通している。
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

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いわゆるジャンル映画としての良作。
面白かったし、泣いた。
現在、体調的に弱っているのもあるが、日々の悩みも投影してとにかく泣いてしまった。

ありがちな、軽妙さを売りにしたアクション映画かと思いきや
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パッチギ!(2004年製作の映画)

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まず、左翼思想の凝り固まった偏狭の「自虐史観」の映画である批判は受け止める。
本作は「日本人」という主語を強く観れば偏って見える作品である。
それは認めるのだが、そんなことを日本人として、日本人の側で
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

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マシュー・ヴォーン作品はハズレなしと思っていた時期から、いつの間にか「もういいかな」という気分になってきたのが前作「キングスマン:ファースト・エージェント」で、スパイ・アクションのアップデートに隠れた>>続きを読む

蒲田行進曲(1982年製作の映画)

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本作は自分の原点のひとつ。
小中学生の読書体験として、原作者兼脚本のつかこうへいの作品は大きく影響を受けてしまっている。
それ故に、なのか現代の「PC」に端を発した「倫理観」がいかに美辞麗句で固めた欺
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大日本人(2007年製作の映画)

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大島育宙のことは置いておいて。また昨今の松本人志の件も置いておいて。
結構前から観直す必要を感じていた本作。

ダウンタウンや松本個人の「笑い」については熱狂的なファンではなかった。
ただ世間的評価と
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戦争と青春(1991年製作の映画)

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本作のレビューをザッと読み進めて、驚くほど感想が似通っていて驚いた。
そして、僕もまた同じ感想しかない。

「また逢う日まで」があまりにも素晴らしく、感動したので今井正監督作品ということで鑑賞。
そし
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また逢う日まで(1950年製作の映画)

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映画に興味を持ってから、ずっと観たいと思いながら観る機会がなく「名作」の誉れも高い作品にも関わらず観ることができていなかった。
この度、U-NEXTで配信されて鑑賞。

1950年代の日本映画、古い日
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BeRLiN(1995年製作の映画)

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色々と感慨深い映画。1995年の日本。1995年の東京。僕は当時17歳。
当時のカッコいいものが、自分の美的感覚を大きく形成している。
その中で憧れだったのは永瀬正敏。

当時、ミュージシャン高野寛と
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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非常に「現代的」な法廷劇で、王道的なフォーマットに、結末やテーマの提示のさせ方などアカデミー賞で評価されるのも納得の脚本の力を感じる。

自殺か?他殺か?
というミステリー要素を通して、弁護士のヴィン
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恋する惑星(1994年製作の映画)

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恐らく日本公開時は世代的にジャストなタイミングだったにも関わらず、イジケた思春期を送っていたり、周囲の環境のせいでよくわからず敬遠していた映画。

しかし。近年になってのレトロスペクティブ的な再評価に
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オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)

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前半は面白く観たのだけど、途中で飽きてしまった。
観てわかる通り「007」シリーズのパロディを全開にして、1960年代の「スウィンギン・ロンドン」讃歌なサイケデリックなビジュアルを取り入れてポップでオ
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