教授さんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

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いわゆるジャンル映画としての良作。
面白かったし、泣いた。
現在、体調的に弱っているのもあるが、日々の悩みも投影してとにかく泣いてしまった。

ありがちな、軽妙さを売りにしたアクション映画かと思いきや
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パッチギ!(2004年製作の映画)

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まず、左翼思想の凝り固まった偏狭の「自虐史観」の映画である批判は受け止める。
本作は「日本人」という主語を強く観れば偏って見える作品である。
それは認めるのだが、そんなことを日本人として、日本人の側で
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ARGYLLE/アーガイル(2024年製作の映画)

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マシュー・ヴォーン作品はハズレなしと思っていた時期から、いつの間にか「もういいかな」という気分になってきたのが前作「キングスマン:ファースト・エージェント」で、スパイ・アクションのアップデートに隠れた>>続きを読む

蒲田行進曲(1982年製作の映画)

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本作は自分の原点のひとつ。
小中学生の読書体験として、原作者兼脚本のつかこうへいの作品は大きく影響を受けてしまっている。
それ故に、なのか現代の「PC」に端を発した「倫理観」がいかに美辞麗句で固めた欺
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大日本人(2007年製作の映画)

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大島育宙のことは置いておいて。また昨今の松本人志の件も置いておいて。
結構前から観直す必要を感じていた本作。

ダウンタウンや松本個人の「笑い」については熱狂的なファンではなかった。
ただ世間的評価と
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戦争と青春(1991年製作の映画)

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本作のレビューをザッと読み進めて、驚くほど感想が似通っていて驚いた。
そして、僕もまた同じ感想しかない。

「また逢う日まで」があまりにも素晴らしく、感動したので今井正監督作品ということで鑑賞。
そし
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また逢う日まで(1950年製作の映画)

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映画に興味を持ってから、ずっと観たいと思いながら観る機会がなく「名作」の誉れも高い作品にも関わらず観ることができていなかった。
この度、U-NEXTで配信されて鑑賞。

1950年代の日本映画、古い日
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BeRLiN(1995年製作の映画)

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色々と感慨深い映画。1995年の日本。1995年の東京。僕は当時17歳。
当時のカッコいいものが、自分の美的感覚を大きく形成している。
その中で憧れだったのは永瀬正敏。

当時、ミュージシャン高野寛と
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

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非常に「現代的」な法廷劇で、王道的なフォーマットに、結末やテーマの提示のさせ方などアカデミー賞で評価されるのも納得の脚本の力を感じる。

自殺か?他殺か?
というミステリー要素を通して、弁護士のヴィン
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恋する惑星(1994年製作の映画)

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恐らく日本公開時は世代的にジャストなタイミングだったにも関わらず、イジケた思春期を送っていたり、周囲の環境のせいでよくわからず敬遠していた映画。

しかし。近年になってのレトロスペクティブ的な再評価に
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オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)

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前半は面白く観たのだけど、途中で飽きてしまった。
観てわかる通り「007」シリーズのパロディを全開にして、1960年代の「スウィンギン・ロンドン」讃歌なサイケデリックなビジュアルを取り入れてポップでオ
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

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この映画を誰もが愛さなくても構わないのだけど、僕は偏狭は価値観の持ち主なので、とりあえず褒めはしないけど、本作のような有象無象の映画は普通に愛せてしまう。

しかし。映画としてはかなり不出来であること
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

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作品で描かれているテーマと作風や作劇がまるで合致していないという印象。
その為、面白さが皆無というわけではないけれど、概ね「面白くない」という感想。
そのため、語りづらいというよりも、何も思わないとい
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黄金を抱いて翔べ(2012年製作の映画)

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ド直球のクライム・ムービーで、ド直球のケイパーフィルム。ジャンル映画原理主義的な「井筒和幸節」が漲っていて怠いところも含めて楽しい映画。

特徴として主人公の幸田(妻夫木聡)と北川(浅野忠信)の関係性
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オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー(2011年製作の映画)

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2011年。東日本大震災直後の日本で、当時の友人たちと大挙して観た。
当時はその鑑賞体験やら世相やらで感動もした記憶がある。
それがもう13年前。

僕としては震災の影響は直接なかったが、ニュースなど
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この世界に残されて(2019年製作の映画)

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「地味」だが「秀作」という感じの、いわゆる「拾い物」扱いされがちな映画。
つまり「映画」に何がしかこだわりを持って観ている人にとっては、もし心に引っかかるものが見つかれば、言いようもない「当たり」の映
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

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「現代の日本」に必要なのは、もはや「暴力」でも「虚無感」でも「狂気」ではなく「人情」だと思う。
その点で、本作のような作品は最も重要な映画だと思う。

本作の大筋はパニック障害を抱える山添(松村北斗)
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現金に手を出すな(1954年製作の映画)

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1954年のフランス映画。
主演はジャン・ギャバンで、どことなくモッサリとした男臭い映画を想像していたので意外だった。

むしろフレンチ・ノワールと称されるギャング映画の古典と言いつつも、現代でも繰り
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

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「映画的表現」は浅いところではなんとなく言語化できても、それが優れた作品になればなるほど、作品自体よりも観客であるこちら側の審美眼が問われるという袋小路にハマってしまう。

とはいえ、映画は「観客」の
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岸和田少年愚連隊(1996年製作の映画)

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幾度となく繰り返し観ている作品。
井筒和幸監督のような「プログラム・ピクチャー」の職人監督はとても好きだ。

本作も井筒監督のベースにある「関西」的な土着性を全面出した世界観ながら荒々しい言葉の応酬と
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ドランク・モンキー/酔拳(1978年製作の映画)

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カンフー映画の傑作…と言われている本作。子供の頃から親しんできたジャッキー・チェン。監督はユエン・ウーピン。
まだ映画のことをまるで知らずに無邪気に楽しんでいた頃の思い出としてはちゃんと血肉になってい
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大河への道(2022年製作の映画)

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いきなり暴論を言うと、誰がこのような「映画」を観るんだろう?という疑問が湧く。いわゆる括弧つきの「日本映画」で、企画・主演は中井貴一。
企画者の弁としては「数少なくなった時代劇を日本の文化や伝統として
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ローマの休日(1953年製作の映画)

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歴史的評価が確定し過ぎている作品であるが故に、思うことがあまりない。
「不朽の名作」に対して僭越ながら、ぼんやり観る限りはとても楽しい映画である。

良くも悪くも、時代柄まだ「物語の力」を信じられてい
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

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上映時間169分。睡眠不足の頭には全編とても眠かった。
コンセッションで糖分をドーピングしつつ、目薬を何度もさしながら、それでもうつらうつら。
冒頭のシーンからタルコフスキー然としたルックの提示で覚悟
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この広い空のどこかに(1954年製作の映画)

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1954年の日本映画の豊かさ。テーマ主義に陥ることなくテーマを多層的に描く脚本と、その役柄を掘り下げる俳優たちの巧みさ。
「ホームドラマ」という形式をドライに演出するという作劇のクールさに驚く。

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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

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面白かった。今、とてもメンタルの調子が悪く、気持ちの乱高下が続いているので、正直シンプルで痛快な物語が心地よい。

2020年。
「コロナ・パンデミック」の渦中。
思えばつい最近に起きた「ゲーム・スト
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廃市(1984年製作の映画)

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強烈だった。低予算で作品規模もミニマムな福永武彦原作の文芸作品。
大林宣彦監督のシネフィル的な演出家気質が全開である一方で、毎度のような「暴走」は控えめで純文学的な世界観で統一されている。
それ故に、
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ホーム・アローン2(1992年製作の映画)

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パート1に引き続き、より困惑してしまった。前作もかなり強引な物語だったけれど、本作になるとやっぱり無理が出てきてしまっているし、それを感じさせない為か、よりエクストリームな描写が増えていてとにかく困惑>>続きを読む

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

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大変申し訳ないのだが、俳優としてのジェシー・アイゼンバーグは好きではない。これも大変申し訳ないことで、顔が好きになれないという理由。

ただ本作は概ね素晴らしかった。自分の体調のコンディションも関係し
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ホーム・アローン(1990年製作の映画)

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とにかく眠くて疲れていたので観た。
主演のマコーレー・カルキンとはほぼほぼ同年代。当時もだいたいリアルタイムで本作を観た記憶がある。
それからきっと30数年ぶりに観たということになるのだが。

今更、
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砂の器(1974年製作の映画)

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「日本映画史に残る名作の1本」みたいに言われる本作。観ていて「?」ってなった。
野村芳太郎監督の作品とは相性が悪いのもあるが、作劇の緩さ、ポンコツさに驚く。
さすがにドラマが薄いのだ。

冒頭の秋田、
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

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現代で映画を観るのに、ジェンダーギャップ的な課題にどう向き合うかは前提になっている。
このことは歓迎すべきこと、というのが大前提だが、それ故に正解を模索しても果てがない課題でもあるので、扱い過ぎる弊害
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嘘八百 なにわ夢の陣(2023年製作の映画)

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そんなに声を上げて推していくほどではないが、その飾らず適度に良質な日本映画、というバランスの作品はとても貴重。
その点で本シリーズは楽しく観ていたのだが、多くの人がレビューしている通り、本作で、道を踏
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嘘八百 京町ロワイヤル(2019年製作の映画)

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意外にもだんだん好きになってきたシリーズ。誤解を恐れずに言えば、そこまでクオリティを気にしない「緩さ」こそ本作の魅力。
その「緩さ」というものは、物語を「難解にしない」為のもので、緩さを狙いに行ってい
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BULLET BALLET バレット・バレエ(1999年製作の映画)

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若き頃はこの「スタイリッシュさ」に酔っていただけの自分。
ただ年齢を経て観ると見事な脚本に感動してしまう。

「何かを見ないようにしてきた」と自殺した恋人の桐子(鈴木京香)への喪失感。
まずワンシーン
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サン・セバスチャンへ、ようこそ(2020年製作の映画)

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まぁまぁ面白かったのだけど、心のどこかで「毒にも薬にもならない」という印象が残る。
ウディ・アレンの「キャンセル問題」というのがそこまで意識的には大きく尾を引いているわけではないのだが、世間的には色々
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