このレビューはネタバレを含みます
駅員たちがホームのベンチで油を売って、花嫁衣装を着た新婦の姿を眺めながら「さっきのぽっちゃりした方は良かったな」「あれは駄目だ貧相だ」などと、余計なお世話だと言いたくなるような他愛もない会話をしてい…
>>続きを読む戦後、昭和の美しき日本の風景、古めかしくも色褪せない和装空間。ああ、なんとも伝統味のある映像作品なんだろう。良い部分ばかり切り取っても、とはあの頑固さをこうも滑稽に描かれると粗も取れますまい。人情物…
>>続きを読む佐分利信と浪花千栄子という図太い二つの軸があり、田中絹代が昇華させる。この3人が傑出し、画面に途轍もないエネルギーをもたらす。その点とても攻撃的だ。
娘を嫁に出すということはあまりにも多義的で、感情…
わからず屋ながら当時の「娘を嫁に出す」という価値観の中で一生懸命娘のことを考えてる不器用な父親を佐分利信が地味に見事に演じてる。
最後はどこか幸せそうな顔してて。
キャピキャピ気味の山本富士子の見事…
香り高き親子愛の物語。
父母娘の3人の視点で描かれる親子の関係性。それぞれの価値観の違いをこんなにも的確に、かつ説教臭くなく美しく描けるなんて。上品な語り口と和を感じさせる色を多用した画面の鮮やか…
笠智衆の詩吟に、同窓の面々が聞き惚れるシーンがとても切なくて感動しました。
どこの家庭もおしなべて親バカなのが大変面白い芝居で、独特のアングルとカット繋ぎの文法が決まっているせいか泣いたり喧嘩して…
感情表現を排した、
まるで漱石の文章のような映画。
詩吟の意味、子に背かれた(と思っていた)、男たちの心…
全く異なる世界で生きていた男たちだからこそ、今の時代では想像を絶するような価値転倒が必要に…
◎極上コメディで縁取る強権家父長と娘の結婚
デジタル修復版(1958/2013年)による上映
*状態は頗る良好、セピアがかったカラーも味に。
これは面白い!
『東京物語』と並ぶ小津の最良傑作群の…