がぶりえるさんの映画レビュー・感想・評価

がぶりえる

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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.0

二十四のつぶらな瞳に導かれし人生

戦争突入の恐怖とか、複雑な家庭の事情を抱える生徒とか、先生の子供の事とか泣けるとこは沢山あるけど、ずっと変わらぬ師弟関係に一番泣ける。先生は生徒を、生徒は先生のこと
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

3.4

蛇女に恋した童貞

前半の投稿映像のパートが長すぎて「おいどうした白石晃士!!クソつまんないぞ!!」って思ったら、後半からちゃんと面白くなるんかい!!疑ってスマナイ。コワすぎ!シリーズ好きなひとは前半
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DOOR デジタルリマスター版(1988年製作の映画)

3.5

戦う主婦と変態セールスマン

画面からヒシヒシと伝わる高橋惠子への圧倒的信頼と偏愛。彼女をいかに撮るかにこだわりまくってるのが見て取れるし、監督絶対高橋惠子のファンだろ!、って思ったら奥さんなんかい。
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.5

麗しきレスリー・チャン

何せレスリー・チャンが綺麗。格好いいとか美しいより「綺麗」。役に入り込みすぎて心がほぼ女性になってしまった天才役者、という難しい役どころをこんなにも違和感なく、かつ華麗に演じ
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戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

3.8

コックリvsニンニク口臭

新シリーズ始動でかかりまくる工藤が今回も破天荒で面白い。彼は日本ホラー映画史上類を見ない、霊に対してバットで立ち向かう脳筋キャラクター。本来幽霊というのは触れられないから恐
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8 1/2(1963年製作の映画)

-

難解。
多分半分も理解できてない。作中に登場する映画監督が「映画のネタが浮かばないよ」って苦しむ姿が映画になってる、っていうメタ構造自体は面白かったけど、細かい一個一個の描写の意味とか台詞はわからない
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エレファント(2003年製作の映画)

3.7

淡々と事件に向かっていく物語

ひたすらリアリティにこだわりまくった淡々とした演出が続く。派手なカメラワークも音楽もない。他愛も無い会話を交わしたり、友達とご飯を食べたり、恋人と外へ出かけたり、趣味に
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章(2015年製作の映画)

4.0

エンドゲーム

終末感、走り抜けた感、卒業式感、謎のやりきった感。不思議な感動と笑いをありがとう、コワすぎ!シリーズ。そして、ありがとう白石晃士。大大大満足の完結編。

過去一くだらないけど、最高の締
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肉弾(1968年製作の映画)

3.7

岡本喜八らしい皮肉全開戦争映画

独特の台詞の言い回しとクセの強いキャラが漫画の様。ナレーションでキャラクターが心の声をボソボソと独り言の様にボヤくところがいかにも岡本喜八的。自問自答を繰り返したり、
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東京暮色(1957年製作の映画)

4.3

暗くて不穏。

家族の日常を繊細な描写で、かつちょっと可笑し味を含んで描く小津の他作品とは一味違う。とことん暗くて、笑いどころなど一つもない憂鬱な作品。

両親が離婚し、男手1つで育てられた姉妹。その
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版(2014年製作の映画)

3.9

インフィニティーウォー

ヤバイことが始まる!!どんどん面白くしてくれるじゃないか!いったい誰がこうなる事を予想できただろう。さすが劇場版、今まで以上にホラー表現、ストーリー展開ともに気合が入ってる。
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無法松の一生(1958年製作の映画)

4.8

無垢で、気前が良くて、強くて、素直で、優しくて、前向きで、人情があって、意思を貫く誠実な男。そういう無法松みたいな男でありたい。
本当に強い男は、たとえどんな事があっても愛する人の幸せを願える男だと教
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い(2013年製作の映画)

4.0

まさかのユニバース化

過去作の本格的な伏線回収はじまる。「白石晃士のコワすぎ!ユニバース」とかホント最高すぎる。この熱いユニバースが世間にほとんど知られていないのが本当に惜しい。バカバカしくも愛おし
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花様年華 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.6

色気。

直接的な描写はほとんどないのに溢れ出る熟された色気が凄い。結婚し、定職に着いて、日々家業と仕事をこなす毎日を送る生真面目な2人の静かながらお互いを深く想い合う大人の恋心が心地よくもあり苦しく
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猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)

3.6

「完全新作」!!

この手の誇大広告をするハリウッドのドル箱映画は、「どうせ期待ハズレだろ。」とか思いながら心の何処かで淡い期待をしてしまうから結局いつも観に行ってしまう。それだと向こうの思うツボなの
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愛してる!(2022年製作の映画)

3.6

真の変態、高嶋政宏が最高。
ホントにああいうことしかねない人だからより面白い。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん(2012年製作の映画)

4.4

腰抜けた

面白すぎる。どうしたコワすぎ?今回凄くない!?あれ?今回はちゃんと万人受けするんじゃないか?ってくらいシリーズ過去作に比べて脚本の完成度が高い。まさかこんな所でタイムループを仕掛けてくると
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欲望の翼 4Kレストア版(1990年製作の映画)

3.7

欲に生き、欲に散る人間の恋愛ドラマ

台詞が良すぎる。
「脚のない鳥は決して地面に下りたりしない。」
「最後に何を見るのか知りたいから俺は目を瞑らない。」
「彼は毎日来て、1分間の友達から2分の友達へ
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説(2013年製作の映画)

3.8

どんどん面白くなってる

やはり工藤の荒々しさが良い。勝手に病院を抜け出すところから、もう期待通りの工藤。例の呪物を呪われた人間に巻き付ける力技の戦法がアホずきて大好き。人間の筋力では太刀打ちできない
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大人は判ってくれない(1959年製作の映画)

4.0

美しきジャン=ピエール・レオを見る

とても辛辣に心に突き刺さる映画。うだつの上がらない父と子供に強く当たる母。学校という閉塞的で、役に立つのか立たないのか分からない授業と課題で評価される異空間。母の
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ブエノスアイレス 4Kレストア版(1997年製作の映画)

3.9

よく分かんないけどなんか通じ合える人

ウォン・カーウァイの映像センスが今回も素晴らしい。何も起こってなくても、見てるだけで「いいなぁ」と思える何かがある。本当にこの人の作品は不思議。さらにウォンカー
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恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.0

「この時彼女との距離は0.1mm。
 57時間後、俺は彼女に恋をした。」

良い音楽と良い映像とカッコいい台詞がマッチすることで生まれる「なんか凄い事が起こってる感」みたいなのがずっとあって、その何か
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ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

3.0

殺戮の代償

凄く面白くなりそうで、なかなか面白くならなくて、そのまんま終わる映画だった。前半のとんでもない事になりそう感が強かっただけに、後半のストーリーが振り切れず肩透かしを喰らった。そもそもトム
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天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

4.3

センスガンギマリショットに酔い痴れる

強烈なオリジナリティ。見たことない撮り方しかしてないし、しかも全カットキマってる。意味わからんくらいのドアップカットと夜街をカラフルに照らす電飾が象徴的。所々に
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裁かるゝジャンヌ(1928年製作の映画)

3.1

ひたすらジャンヌの顔が怖い。

宗教観のない僕には全く入り込めないストーリーだった。神の子やらサタンやらどっちでも良くない?と思いながら見てた。

トロメオ&ジュリエット(1996年製作の映画)

2.4

やりたい放題
下劣な露悪趣味全開

十数年後に「ガーディアンズ」を任される男が撮ったとは到底思えないドス黒い下品映画。暴力とセッ◯スしか頭にないキャラクターたちの馬鹿騒ぎ。

とりあえずシェイクスピア
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戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊(2012年製作の映画)

3.8

面白くなってきた

もはやコメディの領域。見るからにヤバそうな所にズカズカと入っていく工藤がツボ。そして、工藤の暴走とパワハラの餌食になる市川と投稿者たち。呪物を首にかけて幽霊にアタックするという聞い
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ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)

5.0

人生は巡る。

まずやっぱり、内容なんて語らなくて良いくらい映像が良い。全てを包み込むような優しさがあって、本当にいつまでも見てられる。映画館で35mmフィルム上映で見たので、よりノスタルジーを感じら
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.9

答えはきっとある。

やっぱりエドワードヤン好きだなぁ...。ずっと見ていたい気持ちになる。一枚一枚の画がとにかく綺麗で、且つノスタルジックで、眼球が溶けるような温もりに包まれてる。カメラをほとんど動
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軽蔑(1963年製作の映画)

3.8

愛のジレンマ

ゴダール作品のキャラクターは、人間の本音とか愛の伝わらなさ加減がとてもリアル。言いたい事が上手く言えないジレンマに陥って、抜け出せなくなって、自分さえも見失って、訳わかんなくなる感じが
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.1

愛を見つけに最果ての地へ。 

再生の物語。前半、徐々に父親になっていくトラヴィスと徐々にトラヴィスを父親として受け入れて行くハンター、変化していく2人の関係性がとても優しく描かれていて、言葉にならな
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彼岸花(1958年製作の映画)

4.8

香り高き親子愛の物語。

父母娘の3人の視点で描かれる親子の関係性。それぞれの価値観の違いをこんなにも的確に、かつ説教臭くなく美しく描けるなんて。上品な語り口と和を感じさせる色を多用した画面の鮮やかさ
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屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)

4.6

血塗られた母性

悪魔のような映画。明日出産を迎える女と彼女のおなかの中から胎児を取り出そうとする謎の女の攻防戦。理不尽展開と残虐描写のオンパレード。裂く、撃つ、刺す、抉る、焼く、絞める。容赦無い鮮烈
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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

3.4

失うものが無い無敵の男達

良くも悪くもストーリーは想像の範囲内。余命モノ×アウトローは結構ベタだし、まあそういう終わり方しかないよねって感じ。映画全体の雰囲気とメインキャラ2人のオシャレさ目当てで観
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EMMA エマ(2020年製作の映画)

3.6

遅れてきた思春期

ストーリーも、アニャも、美術も、画面の端から端まで美しい映画。ミア・ゴスとアニャという次世代2大スターの共演が見れる贅沢かつ綺羅びやかな作品。

1人の賢くて美しい、全てを持ってい
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