がぶりえる

ヒストリー・オブ・バイオレンスのがぶりえるのレビュー・感想・評価

3.0
殺戮の代償

凄く面白くなりそうで、なかなか面白くならなくて、そのまんま終わる映画だった。前半のとんでもない事になりそう感が強かっただけに、後半のストーリーが振り切れず肩透かしを喰らった。そもそもトムが強すぎるから、最後、彼が何か大きな壁を乗り越えた感がない。修羅場を迎えるシーンは何度かあったが、どれもあっさり勝っていく。確かに、殺戮の過去の代償がトムの家族に降り掛かっていく様は緊迫感があって面白かったし、父の暴力的な一面をみた息子が暴力的衝動に目覚める展開も「暴力の虚しさ」と「負の連載」を象徴していて興味深かったが、結局ラストはトムが暴力で落とし前をつけるから腑に落ちずモヤモヤが残る。

あと、配役に納得がいかない。ヴィゴ・モーテンセンが何者でもないわけないやろ。「俺はトムですよ。ジョニー?えっ、ダレデスカ?」って白々し過ぎるわ。どう考えてもお前やろ。奥さんが病室でトムに「あなた、真実を語って」って言ったとき吹き出しそうになった。見たまんまや。そいつが清廉潔白の裏のないやつに見えるか!?笑。とにかく、ヴィゴモーテンセンはなし!