ktyさんの映画レビュー・感想・評価

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蛇の道(1998年製作の映画)

3.4

来月日仏俳優スタッフ結集したセルフリメイク版が公開されるので1998年オリジナルを予習。若き香川照之と哀川翔の狂気の復讐劇。憎しみと痛みで攻める不穏な映像美が黒沢監督らしい。ドロドロしてるのに爽やかな>>続きを読む

アレキサンダー(2004年製作の映画)

3.3

豪華絢爛な宴やスケールの大きい戦闘シーンは見応えありましたが、コリン・ファレルの一昔前のヘビーメタルのロッカーのような雑にウェーブのかかった長髪が顔とも、紀元前の時代とも合ってたのか疑問でした😢

フランチェスコ(1989年製作の映画)

3.8

ヴァンゲリスが46歳の時の作品。
12世紀後半から13世紀前半のイタリアの物語。フランチェスコはイタリアの裕福な家の出身でしたが、富を捨て、乞食同様の身なりで、貧しい人々や病気の人々の救済に身を捧げま
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狂った野獣(1976年製作の映画)

4.1

昭和51年京都駅行きのバスを銀行強盗がバスジャック。元祖『スピード』78分。間抜けな川谷拓三、沈着冷静な渡瀬恒彦らの振り切った演技😊乗客のキャラが『スピード』より濃い😆若い頃の鶴瓶さんや三上寛のライブ>>続きを読む

快盗ルビイ(1988年製作の映画)

2.9

太い眉毛、カフェバー、家電製品、インテリア、ゆったりした自由が丘など80年代当時の記憶を掘り起こすようで懐かしかった。小泉今日子と真田広之の共演は微笑ましい。ただ映像の切り替えのテンポがヌルいと感じま>>続きを読む

ジャズ・ロフト(2015年製作の映画)

5.0

ユージン・スミスが『水俣』で報道写真家としての名声を取り戻す前の、戦前から戦後の苦闘の日々。

ロフトで遭遇した音楽家達や家族や隣人、編集者、評論家らの証言と膨大な写真、録音テープを再構築したドキュメ
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キネマの天地(1986年製作の映画)

4.0

1933年ドイツが国連を脱退した年から翌年の蒲田の制作現場の群像劇。戦争が少しずつ近づく世相が緊張感を加える。

有森也実の可憐さと、父親役の元旅芸人の渥美清さんの別格の凄み😆エンドクレジットに最初に
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FUTURE WAR 198X年(1982年製作の映画)

4.1

舛田利雄、勝間田具治、両巨匠監督に、『復活の日』の高田宏治脚本、制作総指揮、渡辺亮徳、劇中イラストレーションを生頼範義、メカデザインに辻忠直、キャラクターデザインを須田正己、声優に北王子欣也、夏目雅子>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

4.3

「情けは人の為ならず。」を地で行く。ブルックリンのタバコ屋の親父役のハーヴェイ・カイテルが活躍する、まるで『3丁目の夕日』😆

タイトルが示すように登場人物達はタバコを吸いまくります。タバコの煙が会話
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

4.0

野球部の試合の応援に駆り出された地味な高校生達。たわいもない会話とブラバンと試合の流れに浸る75分。日の当たらない生徒にも輝く瞬間がある😊

放課後アングラーライフ(2023年製作の映画)

3.7

都会でいじめられた女の子が関西に転校し釣り友達の友情に育まれ再生する83分。関西弁丸出しの明るさが、傷ついた心を少しずつ癒やしていく。ヒロインの顔のアップの痛々しい表情を捉えたカメラが、転校後、陽光と>>続きを読む

劇場版 あしたのジョー2(1981年製作の映画)

4.5

テレビ版の総集編は名シーンのダイジェスト版で慌ただしくなりがちだが、本作は何かが違う。

リングに倒れた敗者達や夢破れた登場人物達の想いが重なり、最後に迎えるホセ・メンドウサ戦。

男には、負けるとわ
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耳をすませば(2022年製作の映画)

3.3

アニメ版は神社のシーンが小っ恥ずかしくて挫折😣

実写版は、中学生のヒロインがひたむきに一生懸命演技してるけど過剰。演技指導した大人の責任。

バロンの造形や骨董品店のセット、美術制作の気合いが入って
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リトル・ジョー(2019年製作の映画)

3.8

リトル・ジョーという新種の赤い花の栽培が行われる研究所。ヒロインの研究者とその息子の親子の物語。

一輪挿しのような赤い花が整然と並ぶシーンに雅楽が流れる。オーストリア映画なのに和楽器の音色が鳴り響く
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

4.0

豪華客船パニックブラックユーモア作品。オストルンド監督の二度目のパルムドール受賞作。

前作のタイトルが「正方形」で本作は「三角形」。タイトルも尖っているが、内容も攻めている。

146分の長さを退屈
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.9

カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作らしい、一筋縄ではいかない異色作。

美術館で現代アートで集客するには「話題作り」ありきか?その話題の方向を間違えると悲喜劇を招く。現代のスウェーデンが抱える移民問
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FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.0

「故郷」の深い意味を知る。
1980年代政情不安のアフガニスタンからロシアそしてデンマークに「Flee」逃れたアミン少年が成長して半生を語るドキュメンタリーアニメ。

実話に基づくではなくて、「実話」
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喜びも悲しみも幾歳月(1957年製作の映画)

4.0

昭和7年から昭和32年の灯台守の夫婦が、激動の昭和史を背景に、苦楽を共にする物語。

灯台で働くって滅私奉公。
人里離れた僻地で何の娯楽もない。転勤ばかりで子供も可哀想。それでも船の航行と安全を守り、
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新・喜びも悲しみも幾歳月(1986年製作の映画)

3.7

おっとりした加藤剛と江戸っ子らしい大原麗子のチャキチャキした明るさが、夫婦の仲睦まじさを醸し出す。そこに父親役の植木等が突然訪れる。

原作も監督が手掛けているからか。木下恵介監督の脚本は純文学のよう
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TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.5

今や被り物のバレエ公演まで人気のムーミン。

その誕生のメモ書きのようなイラストは正に「手慰み」。やがて新聞の連載、コミック、演劇と拡がる。メディアミックスの元祖なんだと気づきました。

原作者トーベ
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シティーハンター(2024年製作の映画)

3.6

鈴木亮平の肉体美とキレのいいアクション。原作のキャラに成り切り、演技を全力で楽しんでるのが伝わるよう。

彼に負けない脇役陣、特に槇村役の安藤政信と、冴子役の木村文乃は花がありました。香役の女優さんは
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珈琲時光(2003年製作の映画)

3.5

今週の週刊文春の連載コラム「黄金の日本映画」で紹介された小津安二郎生誕100年記念、一青窈、浅野忠信主演、侯孝賢監督作品、2004年公開。

一青窈演じるライターの陽子が住む雑司ヶ谷の木造アパート、荒
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.0

殺風景な部屋と荒涼とした世界が続く。
映像が提供する空間の余白。
それは「考えろ」というメッセージか?

推測するに、主人公が目にする外界は脳内で生成されるイメージつまり表象。

彼の表象を観客に追体
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.6

ムービープラス副音声付
カッパえびせん的名作。観るほど発見があるのでスルメのように味わい深いです。

西伊豆の某ホテルのセレクトに本作の内幕本がありました。帰宅して図書館で借りた覚えがあります。この本
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銀河鉄道999(1979年製作の映画)

4.5

先日友人に、「999が途中立ち寄る惑星は、大概一部の支配者層が裕福で、庶民は貧しい生活を強いられる。その惑星ではクーデターとか庶民の悲劇ばかり。下車する999の乗客は裕福な客層。今の日本は999みたい>>続きを読む

地球へ・・・(1980年製作の映画)

4.2

竹宮恵子先生原作の少年SFアニメ大作
40数年前大判コミック全三巻持ってました。

コンピューターに支配された地球軍と、宇宙の辺境の星に住む超能力を有する新人類ミュウとの攻防を描く。

宇宙船の有機的
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裁き(2014年製作の映画)

3.6

これがインドの裁判の現実か?
年老いた歌手カンブレがステージで歌を歌った二日後、下水清掃人が亡くなった。
警察は、歌詞が自殺の原因として、カンブレを自殺幇助の罪で逮捕。なぜ😣

いわゆる能天気なミュー
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小さな兵隊(1960年製作の映画)

3.4

1958年から1962年アルジェリアがフランスからの独立を目指して戦う中、永世中立国スイスのジュネーブでのスパイ戦を描いたゴダールの作品。1960年88分。

主人公の独白が、見る小説のよう。
ただ6
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星になった少年 Shining Boy & Little Randy(2005年製作の映画)

4.1

日本人初の象使い小川哲夢の実話の映画化。坂本龍一のメインテーマと品格のある編曲が沁みる。

タイの象使い学校周辺の山間部。太古につながるような豊かな自然。大らかな現地の生徒達、寛容な校長先生の人格者た
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666号室(1982年製作の映画)

3.5

「映画は死に瀕している芸術か?」1982年テレビとビデオが台頭して映画が衰退している世相を背景に15人の監督が答える。43分のインタビュー。

座り方に性格が出てるなぁ。特にスピルバーグ😌野心家の座り
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EO イーオー(2022年製作の映画)

3.6

動物が主役の映画だと日本なら将来有望な子役とのお涙頂戴劇になりがちだけど、本作は黙々とロバを描写する。

意図的な赤い映像をどう受け取るかで評価が変わる。自分には身勝手な人間に対する怒りに見えた。
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タワーリング・インフェルノ(1974年製作の映画)

4.0

一度観始めたらやめられない、止まらないカッパえびせんのような名作の一つ☺️

人間ドラマと災害のエピソードが発生するタイミングが絶妙で、次に何が起こるか知ってても目が離せません😳

竣工パーティーで火
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ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ(2015年製作の映画)

5.0

『アイリーン・グレイ 孤高のデザイナー』のポスターによく似た女優オーラ・ブラディ演じるグレイの悲痛な表情と始終憂いを秘めた弦の調べが静謐な画面構成と合う😊

更に嫌な性格の滲み出るル・コルビュジエ役の
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エビータ(1996年製作の映画)

4.5

巨匠アンドリュー・ロイド・ウェバー作曲の全台詞歌詞が美メロ、壮麗な編曲、それに負けないマドンナの歌声、ダンス、演技、それから圧倒的な群衆の贅沢な使い方の連続でアルゼンチンの近代史の一部を描いた傑作。>>続きを読む

イメージの本(2018年製作の映画)

4.0

極彩色の映像とモノクロのひねった映像の断片が連続する中を独白が横切るゴダールの実験性に富んだアート作品。

断片と言葉をつなぐのは観る側の感性次第というサービス精神の欠片もないぶっ飛んだ作風。

映像
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アイリーン・グレイ 孤高のデザイナー(2015年製作の映画)

4.0

アイルランドの貴族の家系の出で、1900年代初頭フランスで工芸品の製造過程から着想を得て、家具デザイン製造から建築設計まで手がけ、残存する家具はオークションで億の値のつくアイリーン・グレイ。

親交の
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