ktyさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

映画好きのためのゾンビコメディー😉
カウリスマキ監督の『枯葉』で引用された作品と知り鑑賞😀

報道ニュースだけの壮大な世界観や過去の名作のメタファーの数々、豪華俳優陣にくだらない演技を全力でさせる監督
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ヒーローの掟(2015年製作の映画)

3.2

チープこの上ない女性ヒーロー短編5分。
今後、〇〇ウーマンとか冷めた目で観そう。ばかばかしくて良い。

BS松竹東急 短編映画劇場 録画

ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

5.0

スーパースター達の顔圧とオーラがぶつかり合う録音現場。共作のプロセスとプロジェクトの進行が細やかに説明された80年代洋楽ファン必見のドキュメンタリー😀

インターネットのない時代に電話で交渉、カセット
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向かい風(2022年製作の映画)

3.5

ノルウェーの海岸の断崖絶壁で風力発電所建設に反対して佇む老女。彼女を退去させようと警備員が説得しようと試みる。

山口の上関原発の建設反対運動を思い出した。そんな世間に報道されない世界観というか虚無感
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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

4.5

1934年アカデミー賞五部門受賞作品。
恐慌真っ只中の当時のアメリカ国民に受け入れられたのも納得の心暖まるラブストーリーいやコメディー。☺️

今観ても全く色褪せない若い二人の軽妙なやり取りにずっと引
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百万粒の涙(2015年製作の映画)

3.5

初老の男性が見知らぬ若い女性と出会う切ない短編。

二人のギクシャクした噛み合わない会話が最後に収束する終わらせ方が深い。

短編映画劇場は良作揃い。

BS松竹東急 録画

土を喰らう十二ヵ月(2022年製作の映画)

4.0

信州の山村で愛犬と暮らす老人、努の質実剛健な生活。二月の立春から始まる一年を沢田研二がゆったりと演じる。

囲炉裏端のダイニング、ピクチャーウインドウの採光が素敵な畳敷きの居間、電化製品は照明器具のみ
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エンド・オブ・キングダム(2016年製作の映画)

3.5

ロンドンの景勝地が無残に破壊される。アメリカの製作陣は容赦がない。前半は爆破や戦闘シーンが爽快。

銃弾の雨あられも主人公には当たらないので安心して見てられるが、主人公と大統領のキャラが被ってるのが残
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海辺のオクトパス(2019年製作の映画)

3.5

トルコの海辺で遊ぶ男の子と女の子の夏の日の短編映画。

冒頭の世界観が映す子供達の無邪気さと、海の青、余韻がしっかり残る終わり方が秀一。

ポスターもオシャレ。

BS松竹東急 録画

勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.7

ジャン=ポール・ベルモンド演じるミシェルの自由奔放で無軌道な生き方に付き合わされる。ヌーベルバーグの代表作を再鑑賞。

多くの方々が本作の偉大さを述べられているので敢えてコメントすべきこともないかな。
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.3

18世紀イギリス王宮、美しいヒロイン、レイチェル・ワイズとエマ・ストーンが、ゴジラみたいな女王のご機嫌を取り、競い合う。

天井から壁の隅々まで作り込んだ美術と、華麗な衣装に注がれる、光と影の濃淡。そ
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故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.0

1977年のニューヨーク。
そこで暮らす一人暮らしの娘に向けて、ベルギーの母が綴る手紙が読まれるドキュメンタリー。

劇伴の代わりに都市の雑音。

左右対称にこだわる構図。

通りの虚無感。

積極的
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7月4日に生まれて(1989年製作の映画)

4.0

1947年7月4日に生まれ、ベトナム戦争に従軍し、銃弾を浴び、下半身付随になり帰還したロンを演じるトム・クルーズ。

彼の絶望しもがき苦しむ姿が辛い。同様に苦しむウィレム・デフォーの熱演も見応えがあっ
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ドッペルゲンガー(2002年製作の映画)

3.6

役所広司さんが一人二役で、もう一人の自分と遭遇するショットの攻めた構図が面白い。

残酷な描写と笑える描写が渾然一体となって安定の奇妙な世界観を久しぶりに堪能。

役所さんと柄本さんの演技対決も見もの
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.3

酒をこよなく愛するというか飲んでないとやってられないという静かな怒りをたぎらす優男ホラッバと、哀しさを秘めたヒロイン、アンサがカラオケバーで出会う。

このカラオケバーの昭和の世界観と、ロシアのウクラ
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

3.5

フィンランド人の男二人が、エストニアとロシアの女性二人を後部座席に乗せて走るロードムービー。

サンタの故郷
「ラップランドにはトナカイしかいない」という自虐ギャグが好き。😊

女性と上手く言葉を交わ
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「僕の戦争」を探して(2013年製作の映画)

3.2

1966年スペインで、ビートルズファンの英語教師が、当時映画撮影でスペインのアルメリアにいたジョン・レノンにアポ無しで会いに行く。ヒッチハイカーの二人の男女を連れた珍道中。

ヒッチハイカーの若い女性
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希望のかなた(2017年製作の映画)

3.9

シリアの内戦で妹以外の家族を失いフィンランドに流れ着いた若者と、彼を支援するレストランの人々との交流。

困っている人に支援の手を差し伸べる人々がいる一方で、難民と難民に手厚い行政を、快く思わぬ人々も
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街のあかり(2006年製作の映画)

4.5

ヘルシンキで警備会社に勤務する男の孤独と付き合う作品。

愚直にひたむきに生きる男の孤独は、まるで『タクシードライバー』のトラヴィス役のロバート・デ・ニーロのようだ。
しかし彼には、トラヴィスのように
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.3

ロンドンの水道局に勤めるフランス人の中年男性が突如解雇される。失意の主人公は殺し屋に自分の殺害を依頼する。

ロンドンの郊外の寂れた汚い街ばかりでスタイリッシュな建物は皆無。お笑いの小ネタをそこかしこ
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.3

記憶喪失の男が無一文から、周囲の人々の恩情を受け、立ち直る。主人公役のマルック・ペルトラの、モリッシーと蟹江敬三を足して二で割ったような面構えが役にピッタリ。

岸田今日子みたいなカティ・オウティネン
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浮き雲(1996年製作の映画)

3.8

中年夫婦が不況のフィンランドで、苦難を乗り越えようともがき続ける。

カティ・オウティネンさんの感情を押し殺した悲痛な表情はカウリスマキ作品の象徴か?

彼女が運営する飲食店の支配人と仲間達の醸し出す
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ハウリング(2013年製作の映画)

3.5

『リバー、流れないでよ』のヨーロッパ企画のタイムトリップ11分短編。

面白いかどうかはさておき、低予算の短編でも作品の世界観が成立するのが素晴らしい。子供の頃母の三面鏡で遊んでたの思い出した。

友達の家(2013年製作の映画)

3.0

『リバー、流れないでよ』の山口淳太監督の五分間ホラー。

家屋の不穏な雰囲気を孕んだ正統派ホラー。階段とか廊下の向こうに何かいると思わせる演出が巧み。

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.0

旅館でタイムループ?86分。
午後の一定の二分間が延々と繰り返されるタイムループに会話と行動が多重録音のように重なるアイデアが斬新。

旅館の造りに見るたびに発見のある美しさと、人々の慌てふためく姿に
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パワー・ゲーム(2013年製作の映画)

2.9

産業スパイの若者が、依頼元の企業社長役のゲイリー・オールドマンと、先入先の企業社長役のハリソン・フォードの二人に翻弄される。

ゲイリー・オールドマンがIT大企業の社長さんの風格に欠けてた。またハリソ
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前田建設ファンタジー営業部(2020年製作の映画)

3.5

マジンガーZがアニメで出撃するシーンに出てくる、水面が割れる地下格納庫を前田建設という実在する会社が設計した実話の映画化。

まるでプロジェクトX。
マジンガー愛溢れる台詞と
土木工学に携わる熱い技術
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水を抱く女(2020年製作の映画)

3.6

原題ウンディーネは湖または沼に住む美しい女性の精霊。人間と精霊の悲恋物語は現代も繰り返されるのか?

バッハのもの悲しい旋律で始まり、甘い物語に戦慄が走り、余韻を残して終わる。その統一感が味わい深い。
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Valimo(2007年製作の映画)

3.0

鋳物工場の労働者が昼休みに映画を観に行く4分間。

工場で働く人々が皆つまらなそう。
それがカウリスマキ監督作品らしいといえばらしい。

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

3.7

ゴミ収集車の運転手の主人公は無愛想なスーパーマリオみたい。『マッチ工場の少女』のヒロインが相手役で嫌な予感。1986年73分。

カウリスマキ作品の役者達はなぜか笑わない。虚ろな表情でゴミ収集をする重
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ロッキーVI(1986年製作の映画)

3.7

ロッキーのパロディー1986年8分。

何級?そして試合の展開、ボクシングを舐めてる。相手国がどこを意味してるか劇伴で遊んでるのも笑える。

真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.5

北部の炭鉱で失業し、コンパーチブルの白いキャデラックに乗って、南部に訪れ仕事を探す面長の男の物語。1988年74分。

色彩と心情の変化、緊張と緩和が淡々と進む。これが心地よい。

登場人物達の不器用
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Bico(2004年製作の映画)

3.5

過疎化の進むポルトガルの農村の5分のドキュメンタリー。
見たことのない村とお婆さんたちと家畜の暮らし。ただそれだけ。

関係者の話を聞く機会があるのでu-nextアキ・カウリスマキマラソン始めました。
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シン・タイタニック(2022年製作の映画)

3.0

『タイタニック』のパチモン。その名は「タイタニック3号」アサイラム制作。

丁寧な船内のしつらえ、ケイト・ウィンスレットより美人のヒロイン、船長の名前がローズ、客船の外観の再現度など元ネタを知ってると
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燃えよドラゴン(1973年製作の映画)

4.5

テーマ曲の最初の二小節、ターン、タタ、聴いた瞬間、脳内でアチョーの叫び声が聞こえそうな素晴らしいサウンドロゴ。

エピソードが次から次へと繰り出される巧みな編集。すべての格闘シーンに名シーンがある。
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アポカリプト(2006年製作の映画)

4.4

16世紀前半マヤ文明の美術、衣装、全編マヤ語の拘り。アメリカ作品なのに英会話がない。メル・ギブソン監督。

アメリカの観客が字幕を読む苦痛を減らすためか、台詞が最小限で、顔芸、特に眼力で語らせる説得力
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