いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

いち麦

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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.0

偉大な指揮者、音楽家であり良き指導者でもあったレナード・バーンスタインの半生を描く。彼がチャンスをモノにしていく驚くべきエピソードから紐解かれる。作曲家として成功したい気持ちが周囲からの評価に沿わず>>続きを読む

グッド・ナース(2022年製作の映画)

5.0

罪を厳しく追及する一方で同僚として友としてチャーリーに優しく接するエイミーが麗しい。J.チャステインへの優しい笑顔が一転して表情のない冷たい視線を向ける殺人鬼へと切り替わるE.レッドメインに背筋がゾ>>続きを読む

苦い涙(2022年製作の映画)

3.0

R.W.ファスビンダーのオリジナルは未見。映画監督カントが恋に身を落とし、良き理解者や母親や娘の前でも情けない姿を晒す様子が余りにも哀れ。熟年者の悲哀も加わり笑うに笑えない。驚くほど挿入歌の歌詞がそ>>続きを読む

ティル(2022年製作の映画)

5.0

発端となった事件から裁判で評決が出るに至るまで様々な形で伸し掛かる差別の嵐、命すら軽んじる言動の蔓延に強い憤りが込み上げてきた。その一方で少年エメットを襲った悲劇は彼の恵まれた成育環境が災いしたと見>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.0

ウージェニー、ドダン、ヴィオレット、ポーリーヌの四人がまるで家族のように息のあった動きで様々な料理を並行して作っていく手際良さに見入った。終盤、自分の素朴な問いかけに対するドダンの答えを聞いて喜ぶポ>>続きを読む

ブラック・レイン(1989年製作の映画)

4.0

日本のヤクザに興味を持った米国人製作者がリサーチしヤクザの世界を紹介しようと作り上げたとのことだが、正しくその通りに出来上がった作品だと感じた。M.ダグラスと高倉健がタッグを組みながらもそれぞれ自国>>続きを読む

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)

4.0

イマジナリー・フレンドの視点から描かれた物語だからまぁ切ないんだけれど、もっともっと切なくてもよかった。物語の大筋は原作に縛られるかも知れないが演出で盛れたんじゃないかな。特にラスト。キャラクター造>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

字幕版を鑑賞。不自然に響く吹替版の主題歌を予告編で何度も聴かされていたので本編見るまでは正直言ってテンション下がっていたのだが…。これは字幕版を見て正解だった。とにかくキャラクターの口の動きにぴった>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

4.0

記念写真撮影のために飛び出し集まるキャラクターたち。もの凄い数。好きなキャラや印象深かったキャラが登場する度にワクワク。2次元キャラと3次元キャラが互角に違和感なく共演している映像は流石だなと思った>>続きを読む

Winter boy(2022年製作の映画)

5.0

同性愛の青年が主人公。赤裸々な性交描写があるのでそういうのがムリな人は鑑賞注意。

監督の半自伝的な物語という。パリで暮らす兄のもとで見せた奔放で大胆なリュカの行動には、父の喪失による哀しみと抑制
>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.0

謎の多い市子の過去が次第に明かされていくミステリーっぽい味わい。何処までも走り抜けていく市子。彼女の選択と生き方も一つだろうが、脆さと強さの両方がよく伝わってきた。背景には社会的な問題も見えてくる。>>続きを読む

スイッチ 人生最高の贈り物(2023年製作の映画)

4.0

ラブストーリーの芯を家族のドラマで熱く描く韓国映画ならではの展開。愛する家族のために一から頑張る夫の姿が素直に心に響いた。それもあの茶目っ気たっぷりで可愛らしい子どもたちが居ればこそ。こういう押さえ>>続きを読む

ポッド・ジェネレーション(2023年製作の映画)

3.0

人工胎盤により女性が妊娠の身体的負担から解放された設定は近未来を描くSFの幾つかでも見かけた覚えがある。そこに焦点を絞り自然な妊娠・分娩ではなく人工的な胎児育成と産出を選んだ夫婦のドラマ。選択前には>>続きを読む

ショータイム!(2022年製作の映画)

5.0

今も存続しているファーマーズ・キャバレーの実話がベース。第一線から弾き出されたダンサーやシンガー、マジシャン等々、訳ありな面々が存続の危機に立つ農場の納屋で自分たちの出し物を作っていく物語。ボニーが>>続きを読む

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

5.0

実話ベースのフィクション。シチリアの乾いた青空を背景に写し込んだ少年たちの悲恋。同性愛を蔑み嫌悪する人々の言動は容赦なく、1980年代のローカルな気風が突き刺さる。ニーノが叔父や甥っ子と行くハンティ>>続きを読む

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

5.0

T.バートン&J.デップ版のウォンカ達とは見事なまでに重ならない(笑)。寧ろ1971年版「夢のチョコレート工場」(1971)に寄せている。とは言いながら主人公はジーン・ワイルダーの演じたウォンカにも>>続きを読む

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

5.0

久しぶりに手持ちソフトで再鑑賞。ジーン・ワイルダー主演の「夢のチョコレート工場」(1971)での改変を引き継いだ箇所もあるが、寧ろこちらの方が原作に忠実に作られているように感じた。もし原作者ロアルド>>続きを読む

夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.0

ロアルド・ダール原作「チョコレート工場の秘密」最初の映画化作品。謎の人物スラグワースが仕掛けたり、胡桃を選別するリスが金の卵を産むガチョウで機械選別になっていたりと、原作から改変された箇所も幾つかあ>>続きを読む

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

5.0

ポーランド人、ユダヤ人、果てはドイツ人の子どもまで匿うウクライナの心優しい音楽家夫婦の運命。子どもたちが身を潜める家の中に次々と押し入ってくる者がどの国の兵士なのか、目まぐるしく変わる状況変化に頭を>>続きを読む

遙かなる帰郷(1997年製作の映画)

3.0

ユダヤ系イタリア人青年プリーモが、ソ連軍によって解放されたアウシュビッツから故郷イタリアのトリノの自宅へ帰るまで。ソ連兵が闊歩し混乱を極める東欧各地を巡り紆余曲折の道のりは、安穏ならぬロードムービー>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

5.0

ジュリア・ロバーツ、イーサン・ホーク、マハーシャラ・アリ、ケヴィン・ベーコン出演、製作総指揮にオバマ前大統領夫妻が名を連ねる。
もう、次に何が出てくるのか分からない不穏感。一体、何が起こっているの
>>続きを読む

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ビクターが妻を失う冒頭のハイチ地震時のエピソードが、最後の山場に彼が負う選択の苦悩へと繋がっている。その結果としての娘の救出は妻(母)の思いの実現だったようにも思えて感慨深い。神も悪魔も信じないビク>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

ナポレオンの映画として当然期待される巧みな戦略の数々を紐解いていく作品ではなかったが、やはり大勢の兵士が戦う戦場場面のスケール感は劇場の大画面ならでは。戦場の冷たくて重い空気の感触さえ映像優位で伝わ>>続きを読む

バッド・デイ・ドライブ(2023年製作の映画)

4.0

スペイン版オリジナルの「暴走車 ランナウェイ・カー」では主演のルイス・トサルが役柄に今一つマッチしてなかった記憶が。でも今作のL.ニーソンはイケ好かないバックグラウンドを程よく醸す演技(特に台詞回し>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

一人のコントラクト・キラーが、依頼ではなく自分の意志で一連の殺人をこなしていく。物語はシンプル。でも彼の普段とは異なる成り行きに、彼は普段通りの仕事の流儀を当てはめて行おうとする。殺しの線引きや考え>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

見事に「X エックス」のあの老婆に繋がる若き日のパールの姿。何とハワード爺まで。殺人の一つ一つがこちらの予想通りに展開していくのも許せるくらい人間ドラマ・パートは見応えがあって、彼女の屈折した思考の>>続きを読む

トロールズ ミュージック★パワー(2020年製作の映画)

2.0

キャラ・デザインやアニメーションなど一層お子様向けになって映像だけを楽しむ分には就学前の児童にも大いに受けそう。だが自分としては不満点も多い。

前作よりキャラがグッと増えた上に物語の進行がごちゃ
>>続きを読む

トロールズ(2016年製作の映画)

4.0

物語は良くある展開で進み、「幸せは他者に依存したり周りから与えられるものではない」というテーマも割とストレート。思わず歌い出したくなるような有名楽曲の数々、ブサかわキャラの造形や動き、心理状態を表し>>続きを読む

蟻の王(2022年製作の映画)

4.0

劇作家アルドと青年エットレとの愛は、師弟愛ともいうべき互いの知性と教養への敬愛から育まれたものであった。そこから最後の最後までブレない愛の形に魅了された。こんな同性愛もあるのだなぁと。それを全く理解>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

真実と正義の追求を信念とするドキュメンタリーディレクターがぶち当たった過酷な現実。結局、萌の腹の子の真実はどうだったのだろうか。由宇子は真摯に人と向き合うインタビュー取材を信条にしているようだが、そ>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

舞台劇が似合いそうな脚本で、着地や映像演出がいかにも古風な味わいのコメディ。それにしてもI.ユペールは早口で捲し立てる快演が見事に嵌っていて、登場から一瞬で全て掻っさらっていった感。彼女が絡む場面は>>続きを読む

ボルサリーノ(1970年製作の映画)

3.0

タイトルはイタリアの高級帽子ブランド名から。ホンキートンクが奏でるあの剽軽なテーマはきっと誰もが耳にしたことのある有名な曲。実在した2人のギャングをモデルにアラン・ドロンが映画化とのこと。一人の女性>>続きを読む

マッドタウン(2016年製作の映画)

4.0

ジム・キャリー出演作を追って鑑賞。台詞が極めて少なく、限られた手がかりを元に考えながら物語を追っていく好みなタイプの作品。砂漠と乾燥地帯を舞台に現代のアメリカと地続きな世界を感じさせるサバイバル・ス>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

2.0

何だか横溝正史ミステリーを見させられている気分だった。でも行動原理にブレや不自然さを感じてしまう登場人物が少なからずいて解き明かされる真相に浸りきれなかったのが悔しい。なんか妖怪まで恨む相手が違うよ>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

5.0

悪天候相手のフライト・ディザスターパニックから入って武装ゲリラ相手のサバイバル・アクションへ抜ける、何ともウルトラC級的な展開。予告編を見てG.バトラーが旅客機機長なんて有り得んワ…と思っていたが、>>続きを読む

スラムドッグス(2023年製作の映画)

3.0

飼い犬が嫉妬するほど自分のチ◯コの方を可愛がる飼い主のダグ。嫌われても嫌われてもクソ野郎な飼い主のもとへ戻ってくるレジーの姿が健気で可哀想…何だか親から虐待を受けてる子どもを見てるようだった。なので>>続きを読む