いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

いち麦

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K.G.F:CHAPTER 2(2022年製作の映画)

4.0

いきなり物語の語り手チェンジ。CHAPTER1 から打って変わってロッキーが実によく喋る。いくら弱者の立場からのし上がろうとも一度絶大な権力を手に入れてしまうと全く違う人格が頭をもたげてくる…そんな>>続きを読む

K.G.F:CHAPTER 1(2018年製作の映画)

3.0

K.G.F とはインド南部カルナータカ州に実在したコーラーラ金鉱(Kolar Gold Fields:2001年に廃坑)の名から取った架空の闇金鉱都市。この周辺地域を舞台に貧民出の男子が成長し暗躍す>>続きを読む

ダントン(1983年製作の映画)

4.0

フランス革命晩期の混乱した恐怖政治の頃が舞台。同じジャコバン派で一時は協力関係にあったロベスピエールと反目し、やがては粛清されていく革命家ダントンの悲運。それに手を下したロベスピエールの苦悩。時の権>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

3.0

ホラーとして度々出現する笑い顔がしっかり怖い。規則性を持たせた設定が興味深く、主人公の精神科女性医師ローズが考えられる策を幾つか講じていく終盤の過程もあって、どう太刀打ちするのだろうと最後まで引き込>>続きを読む

バックドラフト(1991年製作の映画)

5.0

チームワークを重んじ仲間を大切にするスティーヴンでも弟ブライアンを気遣う愛情表現は何とも不器用。そんな彼を初めは斜めから見て反発していた弟がやがては兄の真っ直ぐな仕事魂や自分に向けられた思いを理解し>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

字幕版で鑑賞。言語化すると込み入った複雑なストーリーでも映像にするととても分かりやすくなる映像エンタメの極み。楽しめた。相変わらず観客が置いてきぼりを喰らわないような優しい演出も端々に施されていて有>>続きを読む

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

妊娠・出産・子育てに向けた女性の精神的安定性に、幼少期の母子関係・体験が大きく影響を与えるのだなと実感。女性作家ラマの真実や心理をそれとなく明かしていく映像描写はとても良いと思った。ただ、法廷場面は>>続きを読む

マッド・ハイジ(2022年製作の映画)

2.0

劇場で見た吹替版の予告のノリが良かったので吹替版を鑑賞。スイスのお国自慢お家芸ネタでとことん攻めていた前半には好感。でも本筋が既視感のある画と展開で繋げられた意外と真っ当な話だったり、緩急のつけ方に>>続きを読む

パリ、嘘つきな恋(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

イタリア製リメイク版「あなたのもとに走る」を見た後に鑑賞。こちらがオリジナル版。仏コメディアンのフランク・デュボスクが脚本・監督・主演。いやぁプレイボーイという設定の割にはちょっと干からびていやしな>>続きを読む

幸せのイタリアーノ/あなたのもとに走る(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

(イタリア映画祭2023)
仏製オリジナル版「パリ、嘘つきな恋」より先に鑑賞。物語としては予想通りに展開するラブコメだったが見せ場が多く大満足。50歳にもなろうとするジャンニの下品な女たらしぶりは
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デルタ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

(イタリア映画祭2023)
アレッサンドロ・ボルギ対ルイージ・ロ・カーショ目当てで鑑賞。でもボルギの髭はあまりにも濃すぎ。髪型も冴えず折角のマスクがこれでは台無しだ(笑)。
イタリア北部を流れる
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乾いたローマ(2022年製作の映画)

3.0

(イタリア映画祭2023)
渇水状態に陥ったローマ。さらに謎のパンデミックが襲う。そんな状況下でも潤沢に水を使える特権的人間が相当数いる。専門的知識を生かしTV出演する大学教授が家に居る妻と娘に大
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奇妙なこと(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

(イタリア映画祭2023)
またしてもロベルト・アンドー監督の、笑いとシリアスさをコラージュするような離れ技的創作が圧巻。イタリアの劇作家ルイージ・ピランデッロ(1934年にノーベル文学賞を受賞と
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ノスタルジア(2022年製作の映画)

4.0

(イタリア映画祭2023)
片思いのような一方通行の郷愁。何ともナイーブ(世間知らず)なフェリーチェ。ルイージ神父や悪友スパジアーノなど登場人物たちの丁寧な描写を追えば、もうこの着地以外には考え
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パラミドロ(2021年製作の映画)

3.0

元バンドマン&闘牛士オジサンと、彼の運転するバンに同乗した女性たちの噛み合わない人間模様が下敷きになっていて、その味わいが良かったりラストのバトルがまぁまぁ可笑しかったりでオーソドックスなホラー要素>>続きを読む

ぼくのデコ 23歳のヴァンパイア兄貴(2021年製作の映画)

4.0

原題に倣って邦題もあの「ぼくのエリ 200歳の少女」に寄せてはいるが、こちらは愛すべきおバカなホラー・コメディ。思わず吹き出した大笑い場面多数。ダブリンが舞台となっているため登場人物の殆どがアイルラ>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.0

人間は雑食だから人肉は臭くて不味い…とはよく聞くが、だったら植物食のヴィーガンたちの肉は美味いのか? 菜食主義者が何を食べようが食べまいが個人の自由だが、肉屋を敵にまわし食肉文化まで破壊しようと過激>>続きを読む

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

4.0

ガブリエーレ・アモルト神父がローマ教皇に仕えた実在のチーフ・エクソシストであっても、戦ったあの最恐最悪な悪魔ほか諸々が事実かどうかはさておき、如何なる神にも信仰を抱かない自分は当然フィクションとして>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.0

やはり台湾製オリジナル版を見た後ではどうしても見劣りしてしまう。正直言って、男女を入れ替えた翻案には無理に感じる箇所があった。山場の描写が浅いのも不満。こちらはファンタジーではなくコメディーに振り切>>続きを読む

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

5.0

台湾では七夕の日がバレンタイン・デー同様に恋人と過ごす大切な一日になっているんだなぁと実感。次第に切なさでいっぱいになるラブストーリーで引き込まれた。特に忘れてはいけないある大切な事にシャオチーがよ>>続きを読む

シンデレラ/3つの願い(2021年製作の映画)

5.0

ノルウェー語でシンデレラは”Askepott”というのか…全然違うんだなぁ。
北欧ノルウェー版シンデレラは白馬にまたがる狩りの得意な快活な娘。現代風でとても面白い翻案だった。雷鳥(食す)は狩ってよ
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

4.0

奇妙で変わってはいるが実直なルイスの性格と偏見に捉われない自由なエミリーの精神が互いに惹かれあっていく過程が麗しい。両手を同時に動かして敏速にイラストを描き上げるあのスタイルは本当だったのだろうか?>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.0

同性愛と信仰の板挟みで苦悩する聖女には程遠く…。評判通り奔放で赤裸々な性描写がこの作品の大きな特色。実像はさておきP.ヴァーホーヴェンの描くベネデッタの悩ましい本性を探っていくのが面白い。自分は真の>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

5.0

中世騎士道の寓話か。映像がとても美しく、台詞・語りよりも映像優位な作品でとても好み。怠惰な生活を送っていた不甲斐ない青年ガウェインが、伯父アーサー王の期待と恋人エセルの唆しを受けて本物の騎士になるこ>>続きを読む

キラーカブトガニ(2021年製作の映画)

3.0

ちょっと下品でバカバカしい。見る前アサイラム製のような真面目なB級モンスター・パニックを想像していたら、もっと脱線したB級ホラー・コメディだった。最後、怪獣vs.変テコ犬ロボット(?)になっちゃう山>>続きを読む

海底47m 古代マヤの死の迷宮(2019年製作の映画)

2.0

前作から更にハードル下げて見たんだがなぁ。海底遺跡の探検中にサメに襲われる一番主要なパートの映像が見通し悪いのはとても致命的。突っ込み入れながら、フィンなしで泳ぐ姐ちゃん達のなま脚を見てるぐらい(重>>続きを読む

アラビアのロレンス/完全版(1988年製作の映画)

4.0

何と言ってもCGなどのVFXなしで撮られた圧倒的にスケールの大きな映像スペクタクル…やはり大画面での鑑賞が相応しい名作。ロケの苦労も相当だったろう…有り難や。ただ、充分に味わい尽くすには中東の近現代>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

5.0

謎解きトレジャー・ハンティング、レジェンド的シリーズの最終作か。多分このシリーズに誰よりも思い入れが強かったであろうH.フォードの復活は感慨深く胸が熱くなった。

今作のターゲットは「人類の歴史の
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インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

「運命のダイヤル」公開前に復習のため再鑑賞。1957年が舞台となっていて、東西冷戦と共産主義への嫌悪、核戦争の危機が世相として織り込まれている。公開時に劇場で見て期待を大きく裏切られた苦い記憶がある>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989年製作の映画)

5.0

「運命のダイヤル」公開前に復習のため再鑑賞。「レイダース〜」後の1938年の物語で、今でもシリーズ最高傑作と思える作品(でも「魔球の伝説」が一番好き)。確か公開前の宣伝では“あのインディ・ジョーンズ>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

5.0

「運命のダイヤル」公開前に復習のため再鑑賞。今作は1935年の上海から物語が始まり、1936年のペルーの密林盗掘から始まった前作「レイダース〜」よりも前の前日譚。だから、ショーティが殊更に“Dr.”>>続きを読む

タイガーボーイ(2012年製作の映画)

4.0

(イタリア映画祭2023)
カタルシスのある着地だが、これで問題が全て解決したかといえば、とてもそうは思えない。寧ろこの後に事態はもっと悪い方向へ展開していくのではないかと思ってしまう。でもこの少年
>>続きを読む

差し出がましいのですが(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

(イタリア映画祭2023)
鋭い観察眼を持っていると自分の感じ取った想像の仔細を相手に話したくて仕方なくなるのだろうか。特に口にするのも憚られるようなことが浮かんできたときは…。言いたいことが全く言
>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

食人族が割と簡単に同類を探し出してしまうのは、よくゲイ映画の中でまるで嗅ぎ分けでもしているかのように、相手に出会ってすぐ自分と同じ同性愛者だと分かる不思議さ(本当にそうなのかは知らない)に通じるもの>>続きを読む

月の満ち欠け(2022年製作の映画)

2.0

原作未読。“生まれ変わり”というような、超自然的でマジカルなテーマは小説なら敢えてリアリティーを纏った描写を使い巧みに成立させられても、実写映画でそれを無作意のままストレートに映像化すると上手く行か>>続きを読む

空飛ぶペンギン(2011年製作の映画)

3.0

共同生活をする羽目になったペンギン(ジェンツーペンギン)をどうにかしなければならないのと、別れた妻と暮らす2人の子供達から信頼を取り戻すこと、仕事の難題案件をクリアすること。…と複数のミッションを同>>続きを読む