いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

いち麦

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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ビクターが妻を失う冒頭のハイチ地震時のエピソードが、最後の山場に彼が負う選択の苦悩へと繋がっている。その結果としての娘の救出は妻(母)の思いの実現だったようにも思えて感慨深い。神も悪魔も信じないビク>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

ナポレオンの映画として当然期待される巧みな戦略の数々を紐解いていく作品ではなかったが、やはり大勢の兵士が戦う戦場場面のスケール感は劇場の大画面ならでは。戦場の冷たくて重い空気の感触さえ映像優位で伝わ>>続きを読む

バッド・デイ・ドライブ(2023年製作の映画)

4.0

スペイン版オリジナルの「暴走車 ランナウェイ・カー」では主演のルイス・トサルが役柄に今一つマッチしてなかった記憶が。でも今作のL.ニーソンはイケ好かないバックグラウンドを程よく醸す演技(特に台詞回し>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

一人のコントラクト・キラーが、依頼ではなく自分の意志で一連の殺人をこなしていく。物語はシンプル。でも彼の普段とは異なる成り行きに、彼は普段通りの仕事の流儀を当てはめて行おうとする。殺しの線引きや考え>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

4.0

見事に「X エックス」のあの老婆に繋がる若き日のパールの姿。何とハワード爺まで。殺人の一つ一つがこちらの予想通りに展開していくのも許せるくらい人間ドラマ・パートは見応えがあって、彼女の屈折した思考の>>続きを読む

トロールズ ミュージック★パワー(2020年製作の映画)

2.0

キャラ・デザインやアニメーションなど一層お子様向けになって映像だけを楽しむ分には就学前の児童にも大いに受けそう。だが自分としては不満点も多い。

前作よりキャラがグッと増えた上に物語の進行がごちゃ
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トロールズ(2016年製作の映画)

4.0

物語は良くある展開で進み、「幸せは他者に依存したり周りから与えられるものではない」というテーマも割とストレート。思わず歌い出したくなるような有名楽曲の数々、ブサかわキャラの造形や動き、心理状態を表し>>続きを読む

蟻の王(2022年製作の映画)

4.0

劇作家アルドと青年エットレとの愛は、師弟愛ともいうべき互いの知性と教養への敬愛から育まれたものであった。そこから最後の最後までブレない愛の形に魅了された。こんな同性愛もあるのだなぁと。それを全く理解>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

真実と正義の追求を信念とするドキュメンタリーディレクターがぶち当たった過酷な現実。結局、萌の腹の子の真実はどうだったのだろうか。由宇子は真摯に人と向き合うインタビュー取材を信条にしているようだが、そ>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

舞台劇が似合いそうな脚本で、着地や映像演出がいかにも古風な味わいのコメディ。それにしてもI.ユペールは早口で捲し立てる快演が見事に嵌っていて、登場から一瞬で全て掻っさらっていった感。彼女が絡む場面は>>続きを読む

ボルサリーノ(1970年製作の映画)

3.0

タイトルはイタリアの高級帽子ブランド名から。ホンキートンクが奏でるあの剽軽なテーマはきっと誰もが耳にしたことのある有名な曲。実在した2人のギャングをモデルにアラン・ドロンが映画化とのこと。一人の女性>>続きを読む

マッドタウン(2016年製作の映画)

4.0

ジム・キャリー出演作を追って鑑賞。台詞が極めて少なく、限られた手がかりを元に考えながら物語を追っていく好みなタイプの作品。砂漠と乾燥地帯を舞台に現代のアメリカと地続きな世界を感じさせるサバイバル・ス>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

2.0

何だか横溝正史ミステリーを見させられている気分だった。でも行動原理にブレや不自然さを感じてしまう登場人物が少なからずいて解き明かされる真相に浸りきれなかったのが悔しい。なんか妖怪まで恨む相手が違うよ>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

5.0

悪天候相手のフライト・ディザスターパニックから入って武装ゲリラ相手のサバイバル・アクションへ抜ける、何ともウルトラC級的な展開。予告編を見てG.バトラーが旅客機機長なんて有り得んワ…と思っていたが、>>続きを読む

スラムドッグス(2023年製作の映画)

3.0

飼い犬が嫉妬するほど自分のチ◯コの方を可愛がる飼い主のダグ。嫌われても嫌われてもクソ野郎な飼い主のもとへ戻ってくるレジーの姿が健気で可哀想…何だか親から虐待を受けてる子どもを見てるようだった。なので>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.0

優秀な頭脳を世界制覇に利用しようと子供の頃から懐柔しようとする米軍の如何わしさ、それを突破し超えていく異能の子供たちの一風変わったエネルギー。それぞれの事情を抱えてもがく大人たち。いつもの拘った構図>>続きを読む

ダーククリスタル(1982年製作の映画)

5.0

“セサミストリート”のマペット師J.ヘンソン&F.オズ作品。CG全盛の今では流石に着ぐるみ+アニマトロニクスは辛いものがあるが、公開当時は斬新なクリーチャー、独特のオーガニック感、予想外の結末に驚喜>>続きを読む

天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)

5.0

「ルド&クルシ」と後先になったけどようやく観了。これぞ原題に勝る邦題!ガルシア・ベルナルもディエゴ・ルナも丸出しお尻が若いな~。結末でようやく全容がわかって落ち着けた冷涼感漂う作品。いいね。

ルドandクルシ(2008年製作の映画)

4.0

陽気で無垢な兄弟がふとしたことからサッカー選手になってスターの盛衰を味わう。2回の兄弟PK戦が見どころで、特に攻・防共にハッピーになれる筈のラストの面白いPK戦に兄弟の人間味が凝縮されている。楽しめ>>続きを読む

理想郷(2022年製作の映画)

5.0

東京国際映画祭上映時のタイトルは「ザ・ビースト」(英語タイトルも同じ)。一般公開時に付けられた邦題が秀逸。最初はこの邦題が皮肉のように思えたが見ていくうちに次第にじわじわと意味を持つように感じられる>>続きを読む

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

5.0

実話ベースで組まれた歴史ミステリー的な面白さに加え、社会的不遇に悩む女性が自己実現を果たす人間ドラマの高揚感まで合わせて堪能できた。
敗者となった者の真実は勝者によっていとも簡単に歪められ、一度塗
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俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨーク(2013年製作の映画)

4.0

前作に引き続き仲良し4人組が再登場。落ち着いた2人をもう一度引き離し対決させながら、アフリカ系女性上司との関係を上乗せ。今度は黒人蔑視を炸裂させながらも、やはりその相手と懇ろになってしまう…ロンの情>>続きを読む

俺たちニュースキャスター(2004年製作の映画)

4.0

ウィル・フェレルを中心に、ポール・ラッド、デビッド・ケックナー、スティーブ・カレルの4人組がTV局のニュースキャスターやレポーターとして奮闘するおバカ・コメディ。アンカーマンを目指す主人公ロンは女性>>続きを読む

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

5.0

コーエン兄弟の作品中では一番好きなブラック・コメディ。
そこはかとなく可笑しい数々の笑いネタも好きなんだが、身代金目当ての誘拐事件がどんどん有らぬ方向へ転がっていく主流の物語もコーエン兄弟ならでは
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裸の銃を持つ男(1988年製作の映画)

4.0

監督こそデヴィッド・ザッカー単独となったが「フライングハイ」でチームを組んだジム・エイブラハムズとジェリー・ザッカーも製作総指揮と脚本に名を連ね、あの笑いの質感をしっかり踏襲したおバカ・コメディ。レ>>続きを読む

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)

3.0

ロブ・ライナー監督第1作。架空の5人組英国ロックバンド“スパイナル・タップ”の米国進出を追うモキュメンタリー。監督自身インタビュアーとして出演。ステージ&バックステージは勿論、マネージャーやメンバー>>続きを読む

フライングハイ(1980年製作の映画)

4.0

ジム・エイブラハムズ、デヴィッド&ジェリー・ザッカー兄弟の「ケンタッキー・フライド・ムービー」3人組が脚本に加えて今度は監督まで務めた…全編に映画パロディや下らないギャグ、下ネタが溢れるおバカ・コメ>>続きを読む

ケンタッキー・フライド・ムービー(1977年製作の映画)

2.0

ジム・エイブラハムズ、デヴィッド&ジェリー・ザッカー兄弟の3人組脚本による初長編コメディ作品。長編とはいっても、TV番組、映画、映画予告、商品CMなどのパロディの形態を取った長短22エピソード・オム>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

5.0

原作未読。“正欲”とは一体どういう意味なのだろう?と見るまで不思議でならなかったが、見終えて納得。なるほど“性”の字ではまるで相応しくない。
精神医学の世界では1960年代頃まで同性愛は精神障害と
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デシベル(2022年製作の映画)

4.0

大衆の集まる大都会の施設のあちこちに時限爆弾を幾つも仕掛け、救える命の選択を主人公に迫る犯人。周囲の騒音に反応してタイマーが進むスリリングな仕掛け。でもその容赦なさが牽引するだけのクライム・アクショ>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

一つの恋の終わりを知るとともに、まだ恋と呼べるのか分からないがとても親密な関係に新たに出会う列車の旅。…なんていうとロマンティックな映像が浮かびそうだが、もっとリアルに人間臭のする力強い物語だった。>>続きを読む

クーダ 殺し屋の流儀(2022年製作の映画)

4.0

マイアミの治安悪そうな界隈。A.バンデラスが血生臭いコントラクト・キラーを熱演。まぁ有りがちなノワール・アクションものだが分かりやすく意外にも麗しい着地に後味がそれほど悪くなくコンパクトな尺の中で十>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

荒唐無稽で突っ込み入れたい箇所もゴジラ見ている最中だけは暫し忘れられるくらい、あの暴れる動きには迫力があり楽しめた。毎度、映画「ゴジラ」に期待するのはココなんだろうと思う。恐竜似の姿と動きから元祖へ>>続きを読む

火の鳥 エデンの花(2023年製作の映画)

2.0

原作未読。閉じたままの眼と子役(吉田帆乃華)の声とが妙にマッチしていて、コムは可愛いかったな。
こちらをハッとさせ暫し考察モードへと誘うくらいの禁断のSF要素と、苦笑してしまうくらい陳腐な要素とが
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コンペティション(2021年製作の映画)

5.0

ペネロペ・クルス vs. {アントニオ・バンデラス vs. オスカル・マルティネス}。物語でも演技力の優れた実力派ベテラン俳優と受賞経験豊富な人気俳優のプライド対決。2人は言わば水と油の関係なのに敢>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

5.0

映写室の覗き窓から見た映画の世界が、まず動く映像を映す技術へ、そして映画作りへと少年を誘う。時代の変化に適応し生きていく力の必要性を否応なく見せつけられ、やがて自分の興味関心を突き詰めるためにも学ぶ>>続きを読む