いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

いち麦

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恋しくて(1987年製作の映画)

5.0

三十数年ぶりに再見。恋愛映画の中では大のお気に入り作品。今更もう初見時のように心が震えることはないんじゃないかと心配していたが大丈夫だった。今見直してみてもラスト30分には登場人物たち其々が切なくて>>続きを読む

ジム・キャリーINハイ・ストラング(1994年製作の映画)

3.0

Opタイトル・クレジットでは主演のスティーヴ・オーデカークの名前の方が大々的に冠されている。「ブルース・オールマイティ」「ナッティ・プロフェッサー」「パッチ・アダムス」などの脚本も手がけたマルチ・タ>>続きを読む

ダークグラス(2021年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

血の色・質感よくゴア描写が効いていたのはダリオ・アルジェントらしくて嬉しくなった。溢れんばかりのイレニア・パストレッリの濃厚な色気も堪能できた。ただ、古風なシンセ・サウンドの音楽からか、うんと時代物>>続きを読む

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.0

新米映画監督が浴びる嫌味な言葉満載の不快パート、運命的な出逢いを果たす恋愛パートが面白くココは結構引き込まれていた。特に窪田正孝の可愛さハンパない。そして三浦貴大のあの滅茶苦茶な説教タレ演技も。自分>>続きを読む

ドミノ(2023年製作の映画)

3.0

予告編を見て主観的映像にちょっとオーバーな演出はあっても、あくまでシリアスなクライム・サスペンスだろうと期待していたが違った。これSFサスペンスか。始めは意表を突かれた映像の場面も次第にネタが明かさ>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ファイル共有ソフト開発者である金子勇氏の人物像、著作権侵害ほう助の嫌疑が争われた裁判の焦点がよく分かり、色々考えさせられたという意味で大満足。まぁ被告人と弁護団が判決の出る前に居酒屋(?)で酒を酌み>>続きを読む

1944 サイパン攻防戦80年目の真実(2022年製作の映画)

1.0

アメリカ軍の野戦病院を、押し入る日本兵から死守しようと少人数アメリカ兵たちが戦う様子を描いているが、この1、2カ月前(1944年6月)に日本軍司令部の置かれたサイパン島へ米軍が上陸し交戦を始めたのだ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間がごく自然に抱く妬み嫉みが、白人コミュニティで共有されている先住民たちへの差別で正当化されているような狂気。物語の根底にはそれを感じながらも、寧ろ特異な人間関係を描いた人間ドラマとして堪能した。>>続きを読む

カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

3.0

利害関係が複雑に絡む複数の組織が入り乱れるアフガニスタンの荒原地帯。よく似た兵器の装備や服装で敵か味方か瞬時には分からぬ者どもが次々と目の前に現れる恐怖がよく窺われた。昨今の中東情勢、イラン、アフガ>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

人間社会に反旗を翻したA.I.を人が成敗するSFは今まで多々見させられてきたので人とA.I.が等しく共生する世界を是とし、自分たちとは異なる価値観を抱く世界を滅亡させようと故意に戦争を仕掛けるアメリ>>続きを読む

極限境界線 救出までの18日間(2020年製作の映画)

4.0

実話ベースとはいえフィクションだから、ファン・ジョンミン、ヒョンビンにそれぞれ見せ場が用意されていてエンタメ性も十分。人質救出という同じ目的を持ちながら政府外交官と情報工作員とが早々啀み合う理由が、>>続きを読む

高速道路家族(2022年製作の映画)

4.0

逃げることだけは上手いギウの情けなさは腹立たしくなるほど。一見、妻子を愛しているようでいて実は精神的に依存しているだけと思われる父親の弱さ、中古家具屋を営むヨンソンとその夫の心根の優しさ、未就学の子>>続きを読む

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)

4.0

プライドを捨てずに新たな職場で再起を果たそうとする女性コックの自己実現の物語が、次第に移民を取り巻く社会問題提起へとシフトしていく過程が軽妙でユニーク。説明過多にならない演出に好感。最後の山場でカテ>>続きを読む

(2023年製作の映画)

5.0

実際に障がい者施設で起きた事件を題材にしてはいるが、犯罪者の物語でも被害者側の物語でもなく、この施設で働くことになった女性、その家族の人生と選択が主題となった人間ドラマだった。事件の当事者を直接掘り>>続きを読む

死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.0

前作の終わりでフックが掛けられていたため物語の大筋は既に読めてしまって意外性はない。でもアイリーンの人物像について新たな真相も明らかにされていたし、ホラー映像として凝った演出が幾つか見られたのは良か>>続きを読む

オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.0

ガイ・リッチー前作「ジェントルメン」が好物だった自分はキャスティング等から似たテイストを期待していたがちょっと違った。J.ステイサムの武闘アクションは堪能できても、世界を舞台に凄腕諜報員が仲間の手も>>続きを読む

グリーンマイル(1999年製作の映画)

5.0

今見ても長尺を全く感じない名作。信じられないような奇跡を何度も起こすコーフィに、信仰心がほぼ全くない自分にさえ磔にされていくイエス・キリストが重なり、まるで宗教的な作品を見ているようだった。メリンダ>>続きを読む

春画先生(2023年製作の映画)

4.0

惹かれ合う2人がなかなか結ばれない、という恋愛物語の王道を踏んではいるものの、思いのほか官能的な演出の数々と終盤の意外な山場で楽しませてくれた。思い返せばあれもこれも伏線になっていて、なるほどこの着>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

“ほつれる”というより“つくろう”だろうか。でも結局は繕えなかった。物語が始まる時点で既にこの夫婦は完全に壊れていたと思うので。敢えていえば門脇麦演じる綿子の人生の道程がほぼ長い間ずっと“ほつれ”て>>続きを読む

湯道(2023年製作の映画)

3.0

緩々なのに、お風呂で温まる気持ちいい感覚は不思議なくらいちゃんと味わえる作品だった。これは劇伴の効果かも知れない。子どもの頃に家の五右衛門風呂に入っていた記憶がある僕は妙に懐かしい場面も(入り方には>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

マッコールが機を逃さず割と先手気味に仕掛けていくためか痺れるほどの懲悪漢ぶり。なるほどカモッラがテロ組織と繋がるという設定は今どきっぽくて面白い。何よりも、負傷し辿り着いた田舎町が次第に彼にとって第>>続きを読む

シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

5.0

ミュージカル俳優を志す少年少女を特別鍛錬するサマー・キャンプの存続問題騒動がメインだけれど、若者達を指導する様子が親しみやすい楽曲に乗せてたっぷり描き込まれていた。この作品自体がまるでミュージカルの>>続きを読む

白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

物語の芯は詰まらなくはないのだけれど…。序盤からある登場人物の、流れとして不自然な言動があってどうにもこうにも早くから興を削がれてしまった。そしてストーリーのスケールに不釣り合いなほど奇を衒ったよう>>続きを読む

フリークスアウト(2021年製作の映画)

5.0

サーカスの団長と、出し物にされている異形者たちとが如何に共生し麗しい絆を築いてきたのかが窺え不思議な温もりと味わいだった。彼らが決してナチス・ドイツを倒すべく正義に燃えているわけではなく慎ましい望み>>続きを読む

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)

3.0

ロシア革命の起こりを戦艦内の限られた出来事からプリミティブに描いていて驚くと同時に興味深く見た。有名な「オデッサの階段」場面の緊迫感は今見ても凄いと思った。なるほどこれで映画製作を志す人たちがモンタ>>続きを読む

ハント(2022年製作の映画)

5.0

イ・ジョンジェは頬がふっくらしてきたし、チョン・ウソンは額が広くなってきたし…で仲の良い2人の顔がだんだん似通ってきた感。全斗煥大統領を焦点にし実際にあった数々の事件を巧みに引用・翻案し、韓国現代史>>続きを読む

BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

3.0

気がつけば山田涼介のマスクを和製シャラメのようだな…なんて思いながら眺め入っていた。決して詰まらなかったわけではないのだけれど見ていて不満も多々感じてしまった。
特殊詐欺集団のメンバー間で交わされ
>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

2.0

オープニングの感触はなかなか良く、これは大いに笑わせてくれるかなと期待したが結局それほどでもなかった。熊は凶暴化しただけだし、色々なキャラクターが登場するのにその誰も肉付けが弱く笑いに繋げられてなく>>続きを読む

The Son/息子(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

自傷や自殺の欲求に駆られる者は何かの弾みでその殺意が他者にも向けられそうな気がして…思わせぶりなカットの数々、その先を見るのがとても怖かった。少年ニコラスが抱く激しい厭世感は多分に器質的な問題である>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

4.0

警察署を舞台に追われる者と追う殺し屋+サイコパス、彼らを取り締まるべき新人警官がまさかの命を賭けた争いへと雪崩れ込む。先の読めない展開は圧巻だし、G.バトラー演じる殺し屋の立ち位置が鑑賞者の心中で次>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

5.0

日常的な生活における人付き合いに潰されていくバーナデットと南極へと動き出すバーナデットの姿は余りにも対照的だが、その両方を見てこれは…と彼女の真の姿や現在の状態がよくわかった。娘ビーが母親のことを心>>続きを読む

エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

4.0

前回のフィルム上映による劇場鑑賞からほぼ9年ぶり。デミアン・カラス神父の人間臭さがとても良い味わいだったと改めて実感。
ただ、神父が投げかける聖書の言葉で憑いた悪魔が余りに素直に苦しむ様子を見て、
>>続きを読む

コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

4.0

南北朝鮮のあの刑事コンビ再び。ちょっとオジさん度が高くなっちゃったけどやっぱりヒョンビンの魅力がいっぱい詰まっていて良い。今作では更にもう一人FBI捜査官のイケメンが加わり腹の探り合いと恋の三つ巴。>>続きを読む

ザッハトルテ(2022年製作の映画)

5.0

ラブコメとしての王道展開は予想されるが、場面場面で細かな成り行きを楽しく想像。ウィーン版「恋しくて」だね、これは。とにかくミリアムがとても魅力的に描かれていて、カールの心変わりは至極納得できたのが良>>続きを読む

ハウス・バウンド(2014年製作の映画)

5.0

「M3GAN ミーガン」のジェラルド・ジョンストン監督の長編第1作ということで鑑賞。今作は全く別の方向性だろうけど脚本が上手くて期待以上に楽しめた。
すぐに怒り出す性格や母親との確執など不良娘カイ
>>続きを読む

アラビアンナイト 三千年の願い(2022年製作の映画)

4.0

ジョージ・ミラー監督作品。物語研究者アリシアと3つの願いを叶えようと申し出るジン(魔人)との間の駆け引きのようなやり取り。次第にアリシアの核心へと近づいていく感触。性愛を知り尽くすジン(魔人)の体験>>続きを読む