[4K復元版]ドル3部作劇場上映。12年前に午前十時の映画祭で見て以来。このときは確かフィルム上映だったと思う。今回の4K復元版はとても美しくて本当に驚いた。特にイーストウッドはじめ、劇場スクリー>>続きを読む
セルジオ・レオーネの「荒野の用心棒」を4K版で劇場鑑賞できる機会があったので比較するためにオリジナル版の今作も見た。今回が初見。台詞の所々に聞き取り辛い箇所があったものの、会話の内容までほぼ推測でき>>続きを読む
罪をつぐなうためのクローン作成とその処刑のはずが、本来の目的から逸脱していく狂気の世界。クローンだから幾らでも作れる…何度でも繰り返される…悪夢の無限ループ。それを半ば中毒症のように自分から求める主>>続きを読む
どこか既視感のある設定と展開、着地も今一つ冴えなかったが、宿主と寄生者が同じ身体の中で対決する山場の映像表現は悩ましくて見どころだった。ヴァスが“憑依”殺人の締めくくりをプロトコール通りに出来なくな>>続きを読む
同級生たちからは幼稚で執拗な虐めを受け、母親からは抑圧され父親や弟にも蔑ろにされている少女サラ。そんな彼女の生き地獄のような日々を影からそっと見守っていた不審な男。
この男を主人公にして描けば充分>>続きを読む
権力側の放言が発端で多くの命が犠牲にされた日本の悍ましい歴史とその背景を深く知ることができた。架空の登場人物や虚構のエピソードも多いのだろうけれど、実際に起こった事件の異様さをよく表し問題の核心を射>>続きを読む
元サッカー選手の青年ヴィニーは車上生活に陥り自分を見失い孤立している。そんな彼をストリート・サッカーのコーチであるマルはイタリアで開催されるホームレス・ワールド・カップへイングランド代表選手として出>>続きを読む
恐ろしいドラゴンの棲む洞窟の底へ落とされた王女の奮闘を描いたファンタジー。自分の着ている婚姻ドレスの端々を破りながら、次々と生き延びる道具にしていくのがクール…次第に逞しい姿へと変容していく王女エロ>>続きを読む
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子どもたち全員を自分の自己実現のために圧倒的な支配力と狡猾で巧みな言葉で蹂躙していく父親。次々と起こる子供たち兄弟の不幸は全てこの親父のせいだと見えてくる。三男デヴィッドの病死さえも遠因は親父の教育>>続きを読む
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物語にも2人の人物像にも全く魅力が感じられない、モヤモヤとイライラの募る鑑賞時間だった。心揺さぶるようなラブ・ストーリーを期待して臨んだだけに残念。
ヘソンは余りに幼少期の思いに引き摺られている>>続きを読む
キャラクターたちがみんな表情豊か。造形も結構好みで特にジュリアが生き生きとしていて魅力に感じた。声当てした福島香々の声質が合っていたのもあると思う。背景はイタリアの港町の感じが窺われ趣があった。ちょ>>続きを読む
劇場公開となった「あの夏のルカ」と同時併映された短編。昔 iTunes Storeで購入もした大好きな短編。まさか、また劇場で見られるとは思ってもみなかった。僅か3分の極めて短い短編だがちょっとした>>続きを読む
「〜アフターライフ」の続編。うーん…前3分の2が非常にテンポ悪くて退屈した。ココもう30分短くていい。あるいは物語の細部を肉付けしたり演出を工夫したりすればもっと生き生きした充実作品になるのでは?フ>>続きを読む
イギリス系アメリカ人監督がアメリカの潤沢な資金を使ってオッペンハイマーの名誉回復のため出来るだけアメリカ人の気持ちに沿うように作ったアメリカ映画。自分はこの映画でアメリカが原爆製造や原爆投下を反省す>>続きを読む
原爆の実現を示唆する原理を導いたことではなく、ドイツ・ナチスへの警戒から米大統領へ進言したことこそアインシュタインが責任を感じる処であった。ヒトラーのユダヤ人虐殺を恐れるアインシュタインの心情に寄り>>続きを読む
ウクライナ出身のマリナ・エル・ゴルバチ監督は、2014年のロシアの一方的なクリミア併合発表と親ロシア派分離主義の武装集団によるドンバス地方州庁舎占拠を受けてこの映画製作を決意し、2016年に構想着手>>続きを読む
みゆきと悟の会話はデートを重ねてもなお慎ましい。ケータイだろうが糸電話だろうがツールは何だっていい。何ならそのツールだって無くてもよい。もっと言ってしまえば言葉さえ無くても構わないのかも。大切なのは>>続きを読む
有りがちなサスペンス・スリラーの展開だったけれどハラハラさせられ、最後までしっかり引き込まれた。
狡猾で凶悪なスカイの心にもほんの一寸だけ違う感情が宿っていたことと、それには彼女の出自が影響を及ぼ>>続きを読む
オリジナル版は未見。高額報酬でカフェバーの雇われ用心棒となった元プロ・ファイターが次第に島の地域の悪漢グループから深い反感を買いバイオレンスの嵐に足を踏み入れていく。
南国マリン・リゾート風フロ>>続きを読む
旧作「ヴィデオドローム」を彷彿させるような肉体系だけれどホラーとは少し違うかな。無痛なのは未だしも身体を切り開く方も切り開かれる方もエクスタシーを感じているのは何故?ぶっ飛んだ設定が多いのにそれらに>>続きを読む
悪戯好きなアイルランドの守護聖人=聖ブリジッドに願い事をするとどうなるか?ファンタジックな演出と首尾良すぎる展開も、よくあるマリッジ・ブルーが下地に織り込まれているようで物語の流れが自然に感じられた>>続きを読む
シンプルな展開でもカタルシスが十分味わえて満足。荒廃した景観とナチス・ドイツ軍の残していった凄惨な傷跡を見せるオブジェクトの映像も惹きつける。副題バレもあって死なない爺さんだと分かっているから、場面>>続きを読む
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元々、宮崎駿の人気作は殆どソフトも揃えているくらい監督の作品は好きなのだけれど、この作品だけはタイトルの尊大さと公開前・直後の商魂逞しい情報規制キャンペーンの不快さもあって長らく避けていた。長編アニ>>続きを読む
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戸籍がないという現実的な問題とは別に、青年ピアニスト“1900”が下船して大陸の土を踏む勇気を最後まで持てなかったのは何故なのだろう。豪華客船ヴァージニアン号は欧州から大勢の移民をアメリカへと運んだ>>続きを読む
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それまで娘エストレリャが知らなかった父親アグスティンの実像が次第に見えてくるミステリアスなテンションが良い味わいだった。研ぎ澄まされていく娘の感受性と作られていく大人の男性観。娘の初整体拝受の儀式は>>続きを読む
奔放に自己中心的に生きていたオーストリア皇妃エリザベート。この映画では、いつまでも若くて美しい女でありたい願望、愛されたい願望だけは強く、誰かを愛したり優しく接したりすることができない…つまり与える>>続きを読む
普段まず見ないJホラー(?)だったのにタイトルに釣られて見てしまった。舞台となる“砒石島”…なんてなかなかシブい地名。見ていて全く怖くないのが自分には絶望的なんだが、物語は案外しっかりしていて笑い要>>続きを読む
次第に砂漠の民たちに溶け込み信望を得ていくポール。アラキスの生態系を熟知し利用できるフレメンとの協調なくしてこの星は統治できないことを圧倒的な威力で見せつける映像スケールが素晴らしい。
現代の世相>>続きを読む
ありのままの自分を出していくことの快さを初めて知った娘メイリン。この家系に先祖代々伝わる不思議な現象と解決方法が愉快。思わず笑ってしまう場面が多かった。
親の期待に応えようとする子供と、自分の思い>>続きを読む
劇場公開となった「私ときどきレッサーパンダ」と同時併映された短編。台詞なし。この画の質感は嫌いじゃない。庭の敷地で飼育されていた飼い犬とそこに棲み着いている野良の子猫との交流。人と動物、動物と動物の>>続きを読む
初め自分の大好きなイタリア映画「ドッグマン」(マッテオ・ガローネ監督)のリメイクだと勝手に思い込んでいたが全くの別物。謳われている“ダークヒーロー”とはちょっと違う。ノワールっぽくもありJ.フェニッ>>続きを読む
義父・義母を崖から突き落とし殺した男と、図らずもその瞬間を動画撮影してしまった少年たちのドロッドロ、命懸けの頭脳戦。少年少女たちの複雑で訳ありな家庭環境をしっかり背景に窺わせながら次々と意外な方向へ>>続きを読む
劇場版31作品目。いよいよ3DCG版発進。クレしんに登場するキャラクターたちはもともと目の白い部分がないのが特徴で、それをそのまま今作の目玉と謳っている(?)3DCGで作るとどうなるか。これ、何だか>>続きを読む
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「アンダーカレント」というタイトルで自分はあのB.エヴァンス&J.ホールのジャズ名盤をまず真っ先に思い浮かべるのだが、何と今作は公開前に打たれたチラシのキー・ヴィジュアルまであの名盤のジャケット・デ>>続きを読む
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ジェフリー・ライトが繰り出す軽快なテンポの対話と思わず漏らす表情が脳の隅々まで刺激して知的興奮を起こす…久しぶりに風刺の効いた痛快コメディを堪能できた。大満足な愉快作。
“セロニアス”ときたら“>>続きを読む
いい意味で諦観した“ちひろ”の対人関係の心地よさ。ふと激しい言葉が口をつくこともあり、この境地に達するまで一体どんな修羅場を掻い潜ってきたのだろうと彼女の人生を想像させる。母親とも、きっと大きな出来>>続きを読む