いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 171ページ目

いち麦

いち麦

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23年の沈黙(2010年製作の映画)

5.0

過去と現在の2つの事件の対照的な見せ方隠し方や人物たちの表情アップが際立っていて実に悩ましいミステリー。人間の盲点を実感させる捻りある着地点が面白い。こういう形で決着を見る犯罪事件は意外と多いのかも>>続きを読む

ボーダレス ぼくの船の国境線/ゼロ地帯の子どもたち(2014年製作の映画)

3.0

廃船を一人独占し住処とする少年の暮らしに興味津々。やがてそこが“停戦地帯”化していくのは少年の優しさだろう。だが正直に言ってこの温い展開を導く人物の台詞が如何にも…な態とらしさで気になった。

ファニーを探して(2014年製作の映画)

4.0

【ファニーを探して】IFFJ。舞い戻ってきたラブ・レターの相手探しに出かけるちょっぴり変な老若男女5人。ブラックな笑いと呆気に取られるハプニングは緩いロードムービーを不思議な色に染める。愉快な発想で踊>>続きを読む

ロイ(2015年製作の映画)

5.0

IFFJ。映画監督の新たな恋がクランク・インした映画と呼応しあう構造。舞台はロケ地のマレーシアでインドの色は薄い。R.カプール演じる映画中の主人公ロイも泥棒っぽくないがカビールの切ない心を逆に引っ張>>続きを読む

白い沈黙(2014年製作の映画)

5.0

実におぞましい話…上手い時系列のシャッフルで予想していたミステリー味とは全く違う焦点に引き込まれた。不快な刑事など脇役のキャラ達も巧みな味付け。スリラー・タッチの緊張感が最後まで途切れない見応え十分>>続きを読む

アデライン、100年目の恋(2015年製作の映画)

5.0

言わば恋愛を絡ませるタイムスリップSFものの変形版の様。生きる術としての彼女の止まざる知識欲と記憶力。理知的美貌。ひたすら愛から逃避する性癖とそんな人生との決別…切ない要素溢れるラブストーリー。

サバイバー(2015年製作の映画)

4.0

分かりやすい対テロ攻防サスペンス。二人のアクションに見せ場は少ない。ケイトを追い詰めるイノセンスな手が悪意帯びていく辺りやP.ブロスナン演じる暗殺者の狡猾さと職人慣れ故に陥る視野狭さの覗くキャラが魅>>続きを読む

江南ブルース(2015年製作の映画)

4.0

赤貧の少年期を兄弟の様に暮らした二人が辿った壮絶な運命。江南地区の都市開発に抜け目ない政治家らと癒着の暴力団達の派閥抗争を織り込んだドラマ。鉈や刃物の凄惨アクションと様々な表情を見せるイ・ミンホの魅>>続きを読む

ヒトラー暗殺、13分の誤算(2015年製作の映画)

4.0

戦争へと向かう情勢に抗い自分の信念と意志で行動を全うした男の物語。愛に生きようとした姿もダブらせ興味深い人物像に。その時代と過去を行き交う演出も効果的で結末の知られた話でも最後まで引き込まれた。

ヴェルサイユの宮廷庭師(2014年製作の映画)

4.0

造園に専心する男女が惹かれ合い愛し合うまでのステップ以上に聡明な女性庭師の真っ直ぐな心が窺われるエピソードや封印されていた過去…それらが解かれ愛の物語にジワリと染み込み味付けていく作りに胸を震わす。

ダイバージェントNEO(2015年製作の映画)

4.0

細部に無理を感じるドラマだし仮想現実の世界など映像も既視感アリアリなんだけれど今作で広げた風呂敷をきちんと畳み一旦区切りをつけたところは好感。S.ウッドリーが表情の幅を広げる精一杯を見せてくれた。

海賊じいちゃんの贈りもの(2014年製作の映画)

5.0

美しい群青色の水やハイランドの景色…子供たちの弾けた言動に笑わせられながらもやがて意外な展開のドラマに揺さぶられ着地点ではじんわり心温まる物語。ビター・ウォームなテイストを醸す映画力感じた作品。

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)

4.0

父と息子の様々な複雑な感情が全て詰り合い傷つけ合うバイオレンスに吐瀉される壮絶な刑務所の中。でも描かれる父親の愛と息子の変容描写に説得力があって唸らされた。ルパート・フレンドの凛々しいマスクにも惹か>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.0

随分カッコつけた演出だが、あれ?と首傾げる箇所多い。キャラ達の関係や過去の因縁の見せ方も薄く復讐劇に力が入らぬ。肝の“ガンフー”も自分にはそれ程クールに映らず。傷アリ尚端正なキアヌのマスクを拝めたの>>続きを読む

ヴィヴィアン・マイヤーを探して(2013年製作の映画)

5.0

知られざる女性写真家の姿に迫っていくエキサイティングなドキュメンタリー。前半は発掘者でもある監督自らのプロデュース業を追い、後半は赤裸々なインタビューが続く…浮かび上がる興味深い彼女の人物像。

ピッチ・パーフェクト2(2015年製作の映画)

3.0

歌と踊りのパフォーマンスよりもパワーアップしたエイミーとリリーの可笑しさが印象的。バンパーも大分イメージ挽回。それにしてもあの実況の二人は何かにつけ侮蔑的な貶し様で益々不快…米国白人男性の心の声か。

カンフー・ジャングル(2014年製作の映画)

5.0

遠近、緩急と繊細なアクションにとことん心酔できるフレーミングやカメラワークが素晴らしい。分かりやすいプロットと怒り悲しみの感情移入しやすい演出も見事。中国武術の幅広さと奥行きで魅せる記念碑的な作品で>>続きを読む

全力スマッシュ(2015年製作の映画)

3.0

チャンピオン崩れの元女性選手と前科者たちの身の錆と緩く奇妙な連帯感が試合の流れを大きく揺する。中国独特の笑いのツボがちょっぴり寒かったコメディ色丸出しスポ根モノ。それでも試合の場面には自ずと手に力が>>続きを読む

ザ・リディーマー(2014年製作の映画)

3.0

復讐の前後に執り行われる儀式やパルドと“サソリ”…因縁の関係が次第に映像で紐解かれる演出は雰囲気十分。過剰なエフェクトを掛けず地味ながら戦闘アクションをしっかり見せるのも好み。ただ展開が捻りなく単調>>続きを読む

キングスマン(2015年製作の映画)

5.0

青年エグジーが熟年スパイのハリーの姿を追って成長していく姿が嬉しい。この過程の見事なテンポ良さ。連発打ち上げ花火の様に爽快さが次々に炸裂する終盤は圧巻。姑息なタネの後出しもなく分かりやすい親切設計エン>>続きを読む

マイ・インターン(2015年製作の映画)

5.0

デニーロの慎ましく賢い老紳士もA.ハサウェイのデキる女性社長も二人魅力の演技で生き生きとしたキャラクターに。老いの辛い現実は影を潜め、周囲の社員や家族も巻き込んで人生の正念場も修羅場も爽やかに気持ち>>続きを読む

バクマン。(2015年製作の映画)

5.0

垂涎の豪華キャスト。原作も未読だし漫画の世界も良く知らないがスポ根モノのような起伏で存分に楽しめた。劇中漫画の入れ子的作用反作用もイイし作品が出来上がっていく過程の映像と音響が見応え十分。劇伴のドリ>>続きを読む

ベイビー(2015年製作の映画)

4.0

IFFJ。国際テロ組織に対するインドの精鋭秘密工作隊の活躍を描くアクション・サスペンス。舞台が緊張関係にある周辺国や西アジア諸国でインド映画らしい。長尺を飽きさせぬ構成分け…特に終盤のハットトリックが>>続きを読む