いち麦さんの映画レビュー・感想・評価 - 167ページ目

いち麦

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サウルの息子(2015年製作の映画)

2.0

地獄のような状況下では人は自分が生きる為ならば何でもするエゴイスティックな存在。その贖いを全うしようとするが如く子供の弔いに奔走するサウルの姿もやはりある意味エゴイスティックである。スタンダードの狭い>>続きを読む

ザ・ウォーク(2015年製作の映画)

5.0

3D鑑賞。曲芸師の芸を極めた師匠と芸術家の芸を極めようとする青年の反目と投合、同朋を集め協力しパフォーマンス完成目指して歩を進める過程も惹きつけた。これぞ映像勝る瞬間とも言うべき沢山の見せ場があり大>>続きを読む

エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)

5.0

アイゼンバーグが最強の戦闘能力とナイーヴな心を併せ持つマイクを、K.スチュワートがクールな翳りに切ない心を隠すフィービーを見事に好演…最高の魅力だった。丸腰から始まる戦闘アクションも見応え十分。ロー>>続きを読む

SPY TIME スパイ・タイム(2015年製作の映画)

3.0

カルロス・アレセス等スペイン個性派俳優達の競演。自分でも不思議な潜在的戦闘能力に次第に目覚めていく息子と容赦ない強さ健在の父との名迷バディぶり…だが独特のテンポについ乗り遅れそうな場面も。

死の恋人ニーナ(2015年製作の映画)

4.0

如何にも意味あり気な元カノの存在…有りがちなオチとその見せ方今一つスッキリしないのが惜しい気もしたが、ニーナの茶目っ気ある表情や絡みに何度も吹き出しそうになった。映像演出やドラマ部分も割と抜かりなく>>続きを読む

ビューティー・インサイド(2015年製作の映画)

5.0

ウジンの葛藤と決意、イスの変容と苦しみ…2つの大きなうねりに深く心酔し何度も込み上げた。突拍子もない設定を下衆なコメディに貶めず真摯で切ないラブ・ストーリーに作り上げた韓国映画の心意気に痛く感動。>>続きを読む

千年医師物語 ペルシアの彼方へ(2013年製作の映画)

5.0

S.スカルスガルドやB.キングズレーの演技、抑えられぬ知的好奇心や冷静な科学的考察力などロブの有能な医師の素質も織り込まれ、連ねられる様々なEp。最後まで飽きない起伏に富むエンタメ冒険譚。

の・ようなもの のようなもの(2015年製作の映画)

4.0

トルコはソープに。前作を思い出させる小ネタ場面の数々にニヤニヤ…そして32年後の志ん魚の哀愁漂う風貌に胸がいっぱいになった。殆ど絶妙な遊びで紡がれた前作に比べ落語の話が濃く真面目なドラマに。
松山
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の・ようなもの(1981年製作の映画)

4.0

落語家のタマゴたちの一寸拙いエンタメ青春グラフィティ。彼らが周囲の一般人たちをも巻き込んでいく不思議な熱感コメディに思わずクスッと。愛らしい秋吉久美子や東京下町の情景が懐かしい。軽快なカットも際立っ>>続きを読む

殺されたミンジュ(2014年製作の映画)

4.0

復讐鬼の狂気が様々な苦しみを派生していく様に息が詰まる。復讐と良心の間を振り子の様に揺らぐ人々の心は最後に何処へ針を落とすのか。ギドクらしい刳い演出と噛みしめる程に深みを増すラストの意味など見応えあ>>続きを読む

ナイト・チェイサー(2015年製作の映画)

3.0

ドラマの焦点と味が次第に大きく転換するスリラー。常軌を逸した様に執拗に追跡してくる車、表情を見せず言葉も発しない正体不明の男の不気味さが最後まで牽引。ただ引っ張った割にこのラスト、カタルシス不足で珍>>続きを読む

インシディアス 序章(2015年製作の映画)

3.0

ランバート家での事件前の前日譚という設定だが原題通り第3章という位置付けで最早エリーズの貫禄を感じずにはいられない。相変わらず何てことはないアイテムでビビらせる演出に湧く。微笑ましいサービスシーンも>>続きを読む

白鯨との闘い(2015年製作の映画)

5.0

帆船航海や鯨油目的の昔ながらの捕鯨の場面はCG映像に加えミニカメラからの超広角ショットを巧みに挟み素晴らしいカメラワーク。対決続くサバイバル部から結末までの名作の裏に隠された壮絶なドラマは畏怖の念に>>続きを読む

デビルズ・シティ(2015年製作の映画)

2.0

切ないラストのダーク・ファンタジー。捻り少ない物語は決して悪くはないと思うがあの被り物だけの悪魔達の姿がまるで学芸会の舞台の様に安っぽく見えて。人間臭いキャラでも姿までそのままのあの演出はどうかと…>>続きを読む

INFINI/インフィニ(2015年製作の映画)

4.0

完成度が十分でない技術を描く現実感と、彼らを待ち構えていた有機体の特性が面白い…地球で待つ妻の元に帰りたい一心のウィットが取った賭とも言える最後の作戦。人間同士の闘争と共存についても思いを巡らす。>>続きを読む

バーバリアンズ セルビアの若きまなざし(2014年製作の映画)

4.0

保護観察処分の身である放蕩者のセルビア人青年ルカの鬱屈と発散に満ちた日常を追うドラマ。背景に窺える長いコソボの民族紛争や主人公の複雑な事情を抱えた家庭環境なども見応えがあった。
また訓練を受けたと
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クリミナル・ミッション(2015年製作の映画)

3.0

攻めてるのに窮地に陥った感で旧友男共の間抜けな会話が愉快。ここに漂う微妙な感触を味わえぬと結末の爽快なネタばらしが今一つに萎むかも。J.トラボルタの上品さが話の邪魔をしてる様に映るがこれもまた良し。

エリザベス 神なき遺伝子(2014年製作の映画)

2.0

クローン人間を作った科学者とその秘密。SFホラーとして見せる展開が早々に顔を出しそのオチが結局見せ場なのかも知れぬが辿り着くまでとても単調で退屈。生命倫理の観点でも科学的側面でも凡庸で新鮮味ない。

神なるオオカミ(2015年製作の映画)

4.0

中国文革時代の下放、内モンゴルで遊牧民生活を体験する青年学生が狼の野生に惹かれていく姿が瑞々しい。自然との共生で培われた生き方や草原の景色は見応えがあった。ただ動物たちの描写に結構不自然な場面が多く>>続きを読む

パディントン(2014年製作の映画)

4.0

揉め事や厄介を持ち込みそうであっても自分達と由来の異なる者に勇気をもって心を開くことの大切さ…笑いを誘う愛らしいクマの冒険譚が現代社会にさり気なく語りかける様。歴史香る景観と深まる家族の団結にも心が>>続きを読む

ピンクとグレー(2016年製作の映画)

4.0

色の変わる時のあのサビ転調直後の様な快感は大きな魅力だが暫くすればそれも薄らぐ。後半のグレイ・パートでさらに牽引力となる心情表現の深みがあれば。でもキャストの自然な演技で友情や屈折感が良く滲み出てて>>続きを読む

ダイナマイト・ファミリー(2014年製作の映画)

4.0

行方不明の両親を廻るサスペンスに異父母兄妹のドラマとコメディ要素が程よく混合。長男役ユン・サンヒョンと次男役ソン・セビョクの対比が面白い。懐かしのアニソン元歌の主題歌が最後に色を添える…楽しめた。

パラドクス(2014年製作の映画)

5.0

所謂ループものとは一寸違う頭を使う納得タイプのSF。無限地獄に陥った者達の混乱を描く導入よりシュールな映像力が炸裂する後半パートが俄然面白い。このオチは決して目新しくないが斬新なお約束事と映像力が堪ら>>続きを読む

不屈の男 アンブロークン(2014年製作の映画)

4.0

冒頭戦闘機内部視点の戦闘シーンは刺激的。一貫したテーマを様々な場面から見せる味は良い。
ただ、漂流パート…小物、衣装、演技とほとんどすべてにおいてリアリティがなさ過ぎだったのはとても残念。

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

5.0

オーソドックスな筋立てだがゴシック風の作り込まれた屋敷内に廻る秘密の内装、自然と人工物を対比させた映像美に吸い込まれる程に酔う。ホラーの味付けを塗したサスペンス・スリラーとしては十分魅力的な作品だっ>>続きを読む

フランス組曲(2015年製作の映画)

5.0

許されぬ恋を描くラブ・ロマンス…でも寧ろ、K.S.トーマスの素晴らしい演技で魅せる仏国の威厳と愛の具現ともいうべきアンジェリエ夫人のキャラクターやブルーノ中尉の心の動きに引き込まれた。S.ライリーも>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

2.0

如何にも若者受けしそうなルールを持ったゲームの様な(笑)。突っ込み処も満載で一寸も怖くない。これ、友達とワイワイ冷やかし入れながら笑って楽しむ類のホラーか。ただシンセ・サウンドで纏めた劇伴と音響は新>>続きを読む

タイム・トゥ・ラン(2015年製作の映画)

5.0

腕利きディーラー役のJ.D.モーガンとカジノ元締め首領役のデニーロ。二人の人柄が滲む味わい深い対決と人間関係のドラマを織り込んだサスペンス。婦警の活躍もイイ。意外な展開と緊張感、結末の爽快感など魅力>>続きを読む

ライアー・ハウス(2012年製作の映画)

3.0

次々と相手を変えながら進む対話劇。会話の雰囲気に飲まれているうちに次第に意外な真相へと転がされていくこの感触が面白い。ただ痛々しさもあってか余り気持ちの良い決着じゃない。引きのショットが少ないのも今>>続きを読む

ラバランチュラ 全員出動!(2015年製作の映画)

3.0

マホニーらお馴染みポリアカの面々が昔のヒーロー映画での成功を懐かしむスター他を演じ夢再びとロスを襲うモンスターに立ち向かうコメディ。往年の名作を彷彿させるオマージュ的場面多数。蜘蛛達はご愛嬌ネ。

デッド・ノート/デス・ノート(2014年製作の映画)

4.0

クズどもに死をもって贖わせる制裁者とその幇助者の誕生譚。警察署のごく限られた場所が舞台だが、謎の男の惑わす台詞や主流を繋ぐ登場人物たちの個々のイベントに起伏や捻りがあり、単調な繰り返しに陥っていない>>続きを読む

スタング 人喰い巨大蜂の襲来(2015年製作の映画)

3.0

逞しく頼もしい娘ジュリアに対し、どこか頼りなげだが健気なポール。不細工でお粗末な造形の巨大ハチの恐怖はそっちのけで、彼のいじらしさが何よりもじんわり来て良かったワ。今時らしいベスト・カップルになりそ>>続きを読む

ザ・ハロウ 侵蝕(2015年製作の映画)

5.0

得体の知れぬミクロの恐怖と襲い来るマクロの恐怖。2者を繋ぐある生物のエピソード。正気と狂気の狭間で示された感動的な救済。人物像もプロットも見事、映像演出や音響も非常に良く作り込まれた見応え十分なホラ>>続きを読む

タイガー・マウンテン 雪原の死闘(2014年製作の映画)

5.0

ツイ・ハークがまたも期待上回る大スペクタクルで魅せてくれた。何時もながらの戦闘場面の派手なカメラワークとVFXは勿論、小隊戦術、スパイとしての活躍、聳え立つ険しい鷹嘴峰や雪原など見所満載。
味わい
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スウィート・ホーム(2015年製作の映画)

5.0

カルロス・フェルナンデス製作総指揮のスリラー作品。舞台となるこの場所とこの状況ならではの設定と展開…小ネタ等も要所要所に生きている。映像演出も派手さはないが良く作られており最後まで目一杯惹きつけられ>>続きを読む