いち麦

蟻の王のいち麦のレビュー・感想・評価

蟻の王(2022年製作の映画)
4.0
劇作家アルドと青年エットレとの愛は、師弟愛ともいうべき互いの知性と教養への敬愛から育まれたものであった。そこから最後の最後までブレない愛の形に魅了された。こんな同性愛もあるのだなぁと。それを全く理解できない者たちの偏見の“壁”の強固さや、体制批判と結びついた社会ムーブメントのズレもまた思いやられる。
こんなにやつれ細ったルイジ・ロ・カーショを見たのは初めてで少々驚いた。青年エットレを演じた新人俳優レオナルド・マルテーゼの表情演技が冴えていてこちらも魅力的だった。これからの活躍が期待でき、とても楽しみ。脇でもイイ味を出していた今作のエリオ・ジェルマーノが若い頃のデ・ニーロっぽく見えて仕方なかった。
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