いち麦

空飛ぶペンギンのいち麦のレビュー・感想・評価

空飛ぶペンギン(2011年製作の映画)
3.0
共同生活をする羽目になったペンギン(ジェンツーペンギン)をどうにかしなければならないのと、別れた妻と暮らす2人の子供達から信頼を取り戻すこと、仕事の難題案件をクリアすること。…と複数のミッションを同時に解決しようとする、よく有りがちな緩いコメディ。マンションの屋内に氷雪を持ち込んで敷いたペンギン部屋には呆れた。主人公の人物像は原作の児童小説から大分掛け離れJ.キャリーに寄せているようだ。でもペンギン達の可愛くて人懐っこい姿・仕草が作品の一番の魅力ではないかと感じた。

J.キャリーは往年の名優ジェームズ・ステュアートの物真似やスローVTR再生などの持ちネタも少々織り交ぜてはいるが、彼が振り撒く灰汁の強いあの独特の笑いは殆どない。ペンギンに全く興味ないエリート・サラリーマンが役処とはいえ、相互作用の生まれる俳優との演技とは違いCGペンギン相手のやり取り演技はどこか上手く噛み合っていない印象を受けた。

ところで前出演作「フィリップ、きみを愛してる!」と同様にJ.キャリーは今作でも顔が皺で老けた実感(その前は地顔の出てない「Disney’s クリスマス・キャロル」なので不明だが、この2008〜2009年辺りが彼(当時46〜47歳)のお肌の曲がり角だったのではないか?と勝手に邪推している)。
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