ケニチローさんの映画レビュー・感想・評価

ケニチロー

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

◼︎信頼筋のレビューを読んで納得したのが以下のオチ

◼︎巧は冒頭から花を迎えに行くことを忘れ、クライマックス前にもう一度忘れる、ちょっと〝うっかりお父さん〟では済まされない酷さである

◼︎つまり、
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ピンク・フロイド/ライブ・アット・ボンベイ(1972年製作の映画)

3.0

◼︎「なんだこの気持ち悪い画角は……」と思ってIMDbなどで調べてみれば、2003年にディレクターズカットと称して、ヘボいイメージCGと様々なオフテイクを付け足し、元々のスタンダードサイズをヴィスタに>>続きを読む

隻眼の虎(2015年製作の映画)

4.8

◼︎男と男のshippingを題材にしたら向かう所敵無しの韓国映画だけどこれはまさかの〝虎とチェ・ミンシク〟という力技を中盤以降にブッ込んで来て驚いた

◼︎果たしてそんなことが可能なの?!と見守って
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.7

◼︎もっとコメディ方向に寄せてるのかと思ったけど老老介護の問題とか、割りとシリアスなアフリカ系の家族あるあるを描いた真摯なドラマで、センセーショナルかつステレオタイプな黒人作家、というのは複軸として描>>続きを読む

愛は霧のかなたに(1988年製作の映画)

4.2

◼︎終盤にほとんど『地獄の黙示録』のカーツ大佐と化すダイアン・フォッシー、こっちをメインで観たかった気もするが十分面白かった

エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

4.7

◼︎二つの宗教の狭間で身も裂かれんばかりの一生を送ったであろう表題の人物の物語

◼︎ベロッキオ待望の新作だけど、何というか……いよいよヴィスコンティの領域なのか?という凄い映画だった

◼︎基本的に
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バーバリアン(2022年製作の映画)

2.8

◼︎こういうサバービア系ホラーとしての新鮮味だと「(良くわからんけど流行ってるっぽいので入れてみた)フェミニズム要素」があると思うんだけど、恐らく作り手が真摯にその辺を理解しようとせず用いてるのでただ>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

4.8

◼︎ポスターのメインビジュアルと「……そんなリンダが巻き起こす大騒動!」みたいな予告からは100倍ぐらい自由であり、かつ全編に渡り突拍子の無いケオティックなグルーヴが渦巻いている映画で、間違いなく本年>>続きを読む

ブラック・ウィークエンド(2013年製作の映画)

3.5

◼︎箸にも棒にも引っかからないような所謂〝B MOVIE〟なんだけど、ほぼテレビドラマか低予算映画が主戦場であろう名も知れぬ俳優陣をそれなりに魅力的に見せる演出だとか、序盤の手際の良さだとか、端々に光>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

◼︎日本でこういう世界の暗黒面を描くなら絶対に歌舞伎でやるべきだと思う

◼︎その際は自戒の意味を込めて松竹主導でお願い致します🙄😱😭🫣

オーメン:ザ・ファースト(2024年製作の映画)

4.5

◼︎めちゃくちゃ面白かった!まさかこの前日譚で「My Body, My Choice.」的なことをブッ込んでくるなんて夢にも思わなかったが、でも後に続く話を考えればどういう結果になるかは明白ではあるん>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.7

◼︎わかりやすい売り方としては「初恋の相手である幼馴染と良き理解者である夫との間で揺れ動く女心…」的な感じになるんだろうけど、監督のセリーヌ・ソンは

「ええまぁ、入り口はそんなんでも良いですけど実際
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異人たち(2023年製作の映画)

4.3

◼︎ディズニーからのお招きにより一足お先に試写で鑑賞

◼︎「山田太一の原作未読で88年大林映画版も未見」という状態で本作を観ましたが、こんなにガッツリと「being GAY」についての話がオリジナル
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RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

4.5

◼︎ラッパー成り上り物語:色々ありました篇、かと思えば、その〝色々〟が本当に「色々あり過ぎる(なにせ話の発端はイラン革命)」ので序盤からかなり面喰らう&あまりの面白さに身を前に乗り出す感じ

◼︎「生
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ブルックリンでオペラを(2023年製作の映画)

4.9

◼︎(暫定で本年度ベスト1)本作の脚本を書き、監督もしたレベッカ・ミラーの

「90年代〜00年代ぐらいに消費されまくった不思議ちゃん(ManicPixieDreamGirl)は20年後30年後に多分
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.2

◼︎一番印象が近いのは「イミテーション・ゲーム」で、チューリングはエニグマを撃破した後でも「暗号が解けていない振り」を強要された訳で、直接的ではないにせよ「殺した」そして「救えたけど見殺しにした」とい>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.5

◼︎不自由なく暮らしてきた者(エリザベス・バンクス)が〝望まぬ堕胎〟を迫られることになり、そこで〝望まぬ妊娠〟によって堕胎せざるを得ない持たざる者たち(&その支援者)と巡り会う

◼︎異なる世界の邂逅
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リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング(2023年製作の映画)

4.7

◼︎凄く良かった、というか、簡単に答えが出ない宿題を出された気分

◼︎誰の言葉か忘れたけど「彼はどんな属性の人間でもそこ(成功とかそんな意味だと思う)に辿り着ける可能性を示したが、彼が辿り着けた訳で
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

4.5

◼︎面白かった!一番苦手なワイティティ作品が「ジョジョ🐰」なんだけど、「魚もまさかマリネにされるとは思わなかったはずだ」とかどうでも良いくだらないギャグを畳みかける辺りが「シェアハウス・ウィズ・ヴァン>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.9

★一度目(109湘南先行、3/8)
◼︎原作を読み、リンチ版と2000年のTVM版を観ているけど、やっとフランク・ハーバートが思い描いていた理想のヴィジョンに一番近い形で実写映像化作品として結実したっ
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DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)

3.3

◼︎〝一夜取り調べもの〟STYLEだった

◼︎悪くないと思うけど終盤ややタルいのが勿体無い

◼︎そういえばエリック・セラがビルボードに来るんだよね……(ちょっと見たい……)

12日の殺人(2022年製作の映画)

4.7

◼︎〝落下〟ならぬ〝男の解剖学〟という感じで、生きたまま女が焼かれるというミソジニックな殺人事件を通して「普段の生活で男が女をどう捉えているか?」を炙り出す秀作

◼︎主人公である班長ヨハンと〝女〟が
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ビニールハウス(2022年製作の映画)

4.2

◼︎終盤にちょっと笑ってしまうぐらい「そうなったら嫌だな」ということが立て続き、それがちょっとしたカタルシスになっているのが『ファーゴ』っぽい

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)

4.3

◼︎安心で安全なゲイテッドコミュニティを抜け出すきっかけとなるのが、怠惰な叔父さんの「現状維持で何か問題ある?」という様子に、家長マック(クメイル・ナンジアニ)は「……このままではいかん」と思ったから>>続きを読む

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