ケニチロー

パスト ライブス/再会のケニチローのレビュー・感想・評価

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
4.7
◼︎わかりやすい売り方としては「初恋の相手である幼馴染と良き理解者である夫との間で揺れ動く女心…」的な感じになるんだろうけど、監督のセリーヌ・ソンは

「ええまぁ、入り口はそんなんでも良いですけど実際の〝女心〟とやらはこんなんスわ」

と、その何歩か先を提示して見せる

◼︎本当にジョン・マガロが凄すぎて

「僕に怒る資格など無いよ」

「だから僕は韓国語を学ぼうと思ったんだ」

こんな天使みたいな旦那っておる?存在する?と思ってしまうんだけど、まぁ男が作る恋愛映画で都合が良い女が百万年ぐらい描き続けられてきたことを思えばね……という感じだし、でもって今言ったことと相反するけど非常に地に足が着いたキャラクターとも言える、たまにいるよねこういう気さくな仙人みたいな人……(中盤ぐらいから映画を牽引するのはむしろ彼である)

◼︎私がユ・テオを初めて認識したのはネトフリ『保健教室アン・ウニョン』での、いけすかない帰国子女の英語教師?:マッケンジー役だったので、みんなも見ると良いです

◼︎ジョン・マガロの役は作家(グレタ・リーは劇作家という同業カップル)なんだけど、サイン会してる時にちらっと映るカバーに〝BONER〟と記してあり😹、自著にそんなタイトルを冠する様な作家は

・無頼を気取ってイキってるだけなので内容はタイトルほど面白くない
・タイトルに反して物凄く常識人で真人間

上記二つのどちらかだと思うし、そして映画を観ればどちらかは歴然としている
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