ケニチロー

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシングのケニチローのレビュー・感想・評価

4.7
◼︎凄く良かった、というか、簡単に答えが出ない宿題を出された気分

◼︎誰の言葉か忘れたけど「彼はどんな属性の人間でもそこ(成功とかそんな意味だと思う)に辿り着ける可能性を示したが、彼が辿り着けた訳では無かった」という言葉が重たすぎる

◼︎こんなに何度も〝聖と俗の間で〟揺れ動く、という話もあまり聞いたことがない(普通は一回とかだと思う)、そういうエピソードもまたリトル・リチャードという人物をよく表しているように思う

◼︎LBGTに属するような人が自ら道化に徹したり性に奔放なアピールをしたりするのは明らかに差別者⇨被差別者という構造に抗う手段の一つであるように思うんだけど、恐らく「もっと〝普通〟でいたい」と考える同属性の人たちもいるはずで、そんなことも観ながら色々と考えた

◼︎リトル・リチャードが「生まれつき右足が左足より短い」的な話を聞いて、椎名林檎のことを思い出した
(椎名林檎は生後間もなく先天性食道閉鎖症の手術を受けて、のちに術後の後遺症で「左右に均等に力が入らなくなる」症状が酷くなり、子供の頃から習っていたバレエを辞めざるを得なくなった、と)

◼︎晩年に近いリトル・リチャード、ずっと「誰かに似てるんだよな……」と考えながら観ていたけど、平幹二朗センセイかな……

◼︎鑑賞した日の夜はWWW XでKamaal WilliamsのLIVEだったので、なんか音楽に関連する映画があったら良いんだけど……と思ってたらたまたま開演前に時間がバッチリ合ったのがこの作品だった
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