ayakosさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

もうひとつの世界(1998年製作の映画)

3.0

捨て子の赤ちゃんを通じて、修道女の道を進んでいた彼女が別の道も見え始め葛藤していく様を、静かなタッチで描かれている。
踏み込もうとした新しい人生が閉ざされた時の虚しさと、その後のエルネストと抱き合うシ
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偽りなき者(2012年製作の映画)

3.5

少女の嘘から、男性の幼稚園教師が変質者として周囲から追い込まれていく話。

もし誤解が解けたとしても、以前のような関係は築けないだろうな。
冒頭の湖に飛び込む仲良しのシーンを見返してみると切なくなる。
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眺めのいい部屋(1985年製作の映画)

3.2

旅先フィレンツェの宿泊先で眺めのいい部屋を譲ったことで知り合う男女のラブストーリー。

麦畑のシーンだったり、その体験を章の読み上げで思い出すところや、再度その気持ちが沸き起こったりなど、好きを表すと
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.7

歳の離れた若い子から迫られても(相手の自信を削がさないように)ノーと答え、
年上だからこそ経験してきたことを基に彼女の挫折したことによる諦めや悩みから少しでも前へ向くように気にかける店長のような大人が
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大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院(2005年製作の映画)

3.6

自然に囲まれた修道院のカットがどれも素敵だった。

修道士たちの日々を粛々と描く3時間弱のドキュメンタリー。
静寂の中、BGMもなく、会話もほぼ無いのに、生活音だけで流れる映像は不思議とずっとみていら
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.9

撮影の仕方がとても良かったから、映画館で見たかった…。メイキングも見てみたい。

全てがワンカットではないらしいけれど、どこがつなぎ目なのかわからないくらい、終始楽しめました。

次のステージへ進むよ
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クラッシュ(2004年製作の映画)

3.8

テレビの特集で、銃で撃たれるシーンを見てからずっと印象に残ってたんだけれど、難しそう…と思って見る機会を遠ざけていて、

実際見たらテンポが良くすぐに話に入り込めて面白かった。

人種差別の問題を扱っ
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光のほうへ(2010年製作の映画)

3.5

冒頭のシーン。悲惨な環境の中、赤ちゃんを育てる兄二人のシーンが神々しく美しくて好き。

このシーンだけで二人の責任の強さだったり、真面目で心優しいのが伝わる唯一幸せな瞬間で、だからこそそれが失われた時
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デタッチメント 優しい無関心(2011年製作の映画)

3.5

胸が苦しくなる学園ドラマだった。主に教師側の苦悩を描いた作品。
キラキラした学園ドラマのように全生徒が成長してくれればいいなあ、と思いながら見ていたけれど、教師がいかに熱心に語りかけても踏み外す生徒も
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あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

3.5

二部構成の三時間半ぐらいある作品だったので、リラックスしてみていたら前編の最後で結構びっくりさせられた。

70年代に製作された、仮想世界を題材にしたSFというので、気になってた作品。
ラジュテと同じ
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アオサギとツル(1974年製作の映画)

4.0

天邪鬼なアオサギとツルの話。
双方拗れすぎて第三者の力が必要、、、笑

線のタッチが素敵で、ナレーションの渋さも作品の世界観に合っていた。

10分のショートアニメーションだけど、コミカルさと哀愁さが
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

3.9

北イタリアの瑞々しい夏風景がキラキラとした宝石のようで、とても美しい作品だった。

ビジュアルの完成度が高すぎる。
乱雑と置かれている小物も、計算されて置かれているのかそれだけで見ていてとても楽しい。
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海街diary(2015年製作の映画)

4.0

心が疲労していたときに鑑賞したからか、全てが優しい鎌倉の世界に包まれてとても癒された。
お話はもちろん良かったし、日本の春夏秋冬の雰囲気、それぞれの良さが詰まっていた。特に夏の縁側が素敵だったな。おば
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

4.1

たぶん今のところ今年見た中で一番美しい映画だった。

心の余裕が欠けるにつれて、スクリーンが狭まっていくのがよかった。
最初のワイドスクリーンに映されるタイラーの最盛期はフロリダの綺麗な海と空が存分に
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ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

3.5

ベルエポック時代を舞台にしたミステリー。
登場人物がほとんど偉人だったため、無知な人間なので固有名詞が出るたびに調べていた。ディリリの交友関係が凄いことに。

リアルで目を奪われるぐらい綺麗なパリの風
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LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語(2011年製作の映画)

3.5

世界中の2010年7月24日を集めた作品。

ナイトオンザプラネットでも感じたけれど、今この時も、誰一人同じ瞬間はないのだろうなと気付かされる。
自分自身の日常もその一つだと考えると面白いなと思った。
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.3

小さい時から身近にあった若草物語、控えめで天使のような心を持ちつつも意志の強いベスが大好きだったので、特にベスとローレス氏のシーンはそうそうここ!と沢山泣いた。

エマ・ワトソンはジョーの役の方が合い
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遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

3.9

地下の炭坑で働く父と、対して空へ突き進むロケットに夢中の息子。
父の仕事を継がず「僕は宇宙に行く」と断言された時のジョンの寂しそうな姿に胸が締め付けられる。
その後の、父の心情を察したホーマーの「僕の
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モン・パリ(1973年製作の映画)

3.5

妊娠問題に対してネガティブ発言よりも祝福の声が多いのが意外で面白かった。
大らかに受け止めている世間の様子に、意外と嫌な気持ちにならずに楽める作品だったな。
最後の新聞を捨てる同僚とか主役を囲む人達も
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.7

スチールカットと淡々としたナレーションで進む不思議な感覚。夢を見る時の断片的なシーンを思い出す。

彼がいないときには、恐らく彼女は死んでいるのだ。の台詞が印象的だった。

過去のシーンでの光多めの明
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男性・女性(1966年製作の映画)

3.6

自由奔放な作品という印象。

所々、現代アートを見ている気持ちになるシーンがある。構図もお洒落でフレンチポップスがとても良い。

台詞に被さる生活音や突然放り込まれるインタビューが、フィクションなのか
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

3.8

ロサンゼルス、NY、パリ、ローマ、ヘルシンキ、それぞれの同時間、タクシーの中で起こるオムニバス形式の物語。

出だしのロサンゼルスのタクシードライバーが魅力的ですぐにこの作品に引きこまれてしまった。
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

3.8

アニエスヴァルタ監督が登壇し、作品の集大成を自身で語る贅沢な講義だった。映画以外の作品も見ることができて嬉しい。

ジャックドュミがいかにドラマティックな作品なのに対し、ヴァルタは現実的でそのままを映
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ウンベルトD(1952年製作の映画)

3.5

少ない年金で家賃が払えない老人が追い込まれていく話。全編通して、悲しい重厚感がある。そんなおじいさんを淡々とずっと追っていくので、つらい気持ちになっていった。

そのため、愛犬と戯れながら背景に溶け込
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ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)

4.0

ながら見なんてさせるものかという見事な緊迫感で、終始一貫画面から目が離せなかった。

2008年、五つ星ホテルで起きたテロを中心に描いた作品。

旅行時は安心安全のためにも良いホテルを選ぶようにしてい
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レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

3.5

ずっと気になっていた映画。
テーマ曲の緊迫したメロディがかっこよくて好き。

主に四人の人物の物語。それぞれ薬に溺れて破滅する絶望の世界へ一緒に引きずり込まれる。鋭いナイフで精神が削られる話だった。
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dot the i ドット・ジ・アイ(2003年製作の映画)

3.3

ただの恋愛話と思ってみると面白いかも。
世にも奇妙な物語にありそうな話だった。
前半の伏線の張り方もよく、スカッと終わる。

でも女性視点での掘り下げがもう少し欲しかった。
過去に事情がある人なんだろ
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都会のアリス(1973年製作の映画)

3.7

各登場人物の心情や葛藤が見られる作品ではないので、大きなドラマが起きるわけではなく、表面的でゆったりとした空気のロードムービーに感じた。
そんな中、不意打ちでアリスとおじさんの微笑ましい掛け合いが差し
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

3.5

実際の事件を基にした内容だけに美化しすぎかなって思ったりもしたけど、とてもお洒落で芸術的な作品だった。

場面場面の配色や自然光がとてもきれいで、ふと映るガラス食器やテーブルセットとかもおしゃれだった
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

4.0

第一次世界大戦の当時の映像を使用した作品だけど、昔の映像のような白黒のカクカクしたものではなく、まるで最近撮ったような生き生きとした映像で驚く。

今まで見てきた戦争映画では分からなかった、兵士たちの
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鞄を持った女(1961年製作の映画)

3.9

ジャック・ペラン演じるロレンツォの立場で話が進むことが多いので、若かりし頃の麗しい姿を堪能できる素敵な作品。

男に捨てられた女を男の弟が甲斐甲斐しくお世話をする話なんだけど、弟のロレンツォの完成され
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ザ・ハッスル(2019年製作の映画)

3.0

アン・ハサウェイとレベル・ウィルソンの敵なしコンビが詐欺師ということで気になっていた作品。

話の中身はあんまりなくて、特に後半から馬鹿馬鹿しいんだけど、難しめな映画を続けてみた後に鑑賞したからなのか
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.0

天使が主役だけど、全然ファンタジーな感じはしない。だからなのか本当に存在していそうで、個人的にすごくロマンがあって感動する作品だった。

時々いる天使みたいな人って、かつて本当に天使だったのでは、とピ
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哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)

3.5

若い画家の「最低なじじいだ!」の台詞がこの物語の全てで私の感想。

カトリーヌ・ドヌーヴは期待を裏切らずにとっても綺麗だった。

神父が彼を許してあげなさいって言ってるシーンがあるけど、時効で許される
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.8

ワンシーンどれも画が完璧で字幕追うのも忘れて見惚れてしまう。色使いや映るものが全て目の保養。

本当に目で楽しむ作品なんだけど、序盤から過去話の過去話の過去話、このマトリョーシカ状態と視点がころころ変
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プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)

3.7

吸い込まれるように入ったところは素敵な人達ばかりで、いい意味で類は友を呼ぶがしっくりくる話だった。
その仲間入りを果たしたこの男の子は違う街に行っても素敵な人に出会えるのでは、と期待してしまう今後。
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