ゆいこさんの映画レビュー・感想・評価

ゆいこ

ゆいこ

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街の灯(1931年製作の映画)

4.0

ずっとずっと観たかったチャップリン作品。
ついにU-NEXTに降臨、やったー!!
そんな感じでかなり期待値高めで観たけれど、これは流石名作と呼ばれるのも納得。
ボクシングのシーンをはじめとするコメディ
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チアーズ!(2000年製作の映画)

3.8

友情に恋にチアリーディング。
まさに燃えるような青春の1ページが描かれる。
チアリーダーはただの応援団にあらず、正真正銘のアスリート。
彼女達は、どん底からでも諦めないし、挫けない。
観ているこちらを
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Dear フランキー(2004年製作の映画)

3.8

”優しい嘘”を主軸に親子の絆が描かれた良作。
聡明なフランキーが真実に気が付いたのはいつなのか、その事が分かると、彼の表情に隠された想いにさらに胸を打たれる。
メインキャストの3人が皆自然体で、それぞ
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未来を花束にして(2015年製作の映画)

3.8

キャリーマリガンは、「17歳の肖像」「グレート・ギャツビー」等、天真爛漫で可憐な役の印象が強く(それらの作品をきっかけにファンになった事だし)、抑圧された女性労働者をどんな風に演じるのか、とても興味深>>続きを読む

遠い声、静かな暮し(1988年製作の映画)

3.6

遠い声、静かな暮し。
二部構成を謳うタイトルも素敵で惹かれた。
...のだけれど、単調なようでいて、理解しようとすると追いつけない。
音楽に込められた郷愁の情景は温かみと美しさが感じられたけれど、肝心
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夢のチョコレート工場(1971年製作の映画)

3.8

チョコレート工場、ジョニーデップver.は有名だし、今はティモシーシャラメ主演でその前時代の作品が公開中。
ずっと気になりつつ、本日バレンタインを機に(?)まずは初代チョコレート工場をば。
ひと昔前だ
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一日だけの淑女(1933年製作の映画)

3.7

「あんたはおとぎ話を信じるか?」...
画面越しにこちらが問われたような、この物語の確信に迫る一言。
最初の嘘のきっかけが何だったのかは分からないけれど、おそらく娘の為に、そしてまた自分のためについた
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才女気質(1959年製作の映画)

3.7

いつでもどんな時でも舵を取らねば気が済まない轟夕起子。
穏やかで優しい気性の夫が緩衝材となり、すったもんだの末落とし所が見つかるラスト。
ここまでのかかあ天下だと、家族ならばさぞ大変だろうと思う一方で
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江分利満氏の優雅な生活(1963年製作の映画)

3.7

面白くない、とボヤくのが常習の江分利満氏。
一躍時の人となりながら、時代に残されそうになる彼の哀愁が味わい深い。
もはや小林桂樹の独壇場。
ナレーションの間合いのとり方とか聞きやすくて面白い。
終盤の
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結婚のすべて(1958年製作の映画)

4.4

これはまぁなんと面白い!!
洒落た台詞回しとか、笑って観てたらいつの間にかちょっとホロリとさせられる所とか、どことなくビリー・ワイルダーの映画に通じるものを感じて好みドンピシャな楽しい作品。
サバサバ
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愛のお荷物(1955年製作の映画)

3.8

ベビーブームを風刺的に描いたコメディ映画。
少子化にハラスメントが叫ばれる現代においては、あらゆる意味で考えられない要素の詰め合わせ。
困った顔をしつつどこか呑気な大臣に、甘ったれ息子。
だけどどちら
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二人で歩いた幾春秋(1962年製作の映画)

4.0

お金がなくて苦労ばかりなのは、学が無いせい。
その気持ちが強い為に、どうにか無理を重ねながら一人息子の大学進学を勧める両親。
親ごころの何たるかを想い、その一方で息子の気苦労も知ることとなる一幕が印象
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放浪記(1962年製作の映画)

3.7

いじけた表情に猫背。
高峰秀子の凛としたイメージとは真逆でなかなか衝撃的だった。
寝ても醒めても貧乏で、思わず愚痴が口をついて出る。
それでも決して厭世家という訳ではなくて、褒められれば嬉しいし、認め
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美わしき歳月(1955年製作の映画)

3.9

友情に恋。
いつの時代も変わらない物は有り難い。
まだまだ十分に若い彼らにとっても、過ごした青春が懐かしくて恋しい。
ずっと同じ場所に居られない事は理解していても、そこにとどまっていたい気持ちが強かっ
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遠い雲(1955年製作の映画)

3.8

佐田啓二が素敵すぎる故に終始贔屓目で観てしまったせいか、揺れに揺れる冬子にハラハラし通しだった。
登場シーン自体は思った以上に少ないんだけれど、忘れられない存在感があって、華があるってこういう事なんだ
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この広い空のどこかに(1954年製作の映画)

4.3

家族の一員としての自分の在り方に悩むのは、きっと嫁いだ先に限った話ではないはず。
そういう意味で、どこまでも普遍的で誰しもに心当たりのあるような日常を丹念に描いた作品だと感じた。
働き者の長男は、鈍い
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青空娘(1957年製作の映画)

4.1

朝ドラを思わせるようなタイトル。
その明るく爽やかなイメージ通りの、主人公有子。
素敵な紳士に見染められる所や、意地の悪い継母に異母姉妹、彼女の持ち前の明るさ優しさから、力を貸してくれる存在が出来てい
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しとやかな獣(1962年製作の映画)

4.0

カメラアングルが余りに斬新。
序盤の狂ったようなダンスシーンからは、とにかく釘付けになること必至。
登場人物達は揃いも揃って強欲で狡猾、したたかそうに見えてどこか滑稽...何ともいえない気持ちになりな
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浮草(1959年製作の映画)

4.0

旅の一座、その座長を中心に展開する人間関係。
この一行が皆イキイキしていて面白い。
嫉妬深いのは情の深さの表れ。
そんな風に感じるような、マチ子姉さんの熱い激しさが素敵だった。
小悪魔のようでいて、根
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乱れる(1964年製作の映画)

3.9

慎ましやかな兄嫁と、義弟の関係性。
18年もの歳月は、どちらにとっても果たして”犠牲”では無かったのか。
亡くした夫に一途に過ごしてきた礼子が、女性としての幸せを思い出し始めた矢先の結末だと思うと余り
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テンダー・マーシー(1983年製作の映画)

4.2

砂埃にまみれたようなざらついた映像に、ゆったりと流れるカントリーミュージックが心地良い。
ロバート・デュヴァルの歌声にうっとりとしてしまった。
孤独を知る人の優しさは胸に染みる。
新しく築かれた親子三
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フライド・グリーン・トマト(1991年製作の映画)

3.7

伝聞形式の物語って、聞き手の反応が大袈裟に感じられる事が度々あって、ちょっと苦手。
そういう意味で、本作も始まるや否やあんまり期待せずに観ようと思ったけれど、いつのまにか思い出話にすっかり惹き込まれて
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ザッハトルテ(2022年製作の映画)

3.8

運命を信じて、恋に突っ走る主人公。
素敵にロマンティックな日課は、周囲の応援も日に日に高まってきて...さて、どうする?
自分の心の声に従って素直になることが、ハッピーエンドへの最短距離なんだろうな。
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.1

この作品を観ることなしにタイムスリップは語れない!
そのくらいド定番の、まさに金字塔といえる本作。
子どもの頃以来にめちゃくちゃ久しぶりに観たけれど、やっぱり面白くて、ホームに帰ってきた!みたいな不思
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ポーラー・エクスプレス(2004年製作の映画)

3.6

「行き先よりも、乗ると決めたことが大切」。
大人の私にも響く言葉だった。
冒険に友情、ハプニング。
そして何より、心に芽生えた贈り物。
子どもと一緒に観たら、楽しさ倍増なんだろうなぁ。
一人ではなく
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8人の女たち(2002年製作の映画)

3.7

一見すると華やかで美しい会合。
その実、登場人物誰もがもれなく狂っていて、殺人という非日常に焚き付けられた姦しさには目眩がしそうな程だった。
殺人事件の最中で唐突に始まるミュージカルは、この顔ぶれでな
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落ちこぼれの天使たち(1987年製作の映画)

3.7

ひとえに落ちこぼれと言っても、その背景はさまざま。
勉学に励みたい気持ちがあるにも関わらず、家族や経済的な理由から儘ならない、むしろ我を通しきれない優しさと弱さを持った生徒達。
そこへ赴任してきた数学
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あなたに降る夢(1994年製作の映画)

3.7

まさに降って湧いた夢のような話。
おとぎ話として観るなら、ロマンティックだしハートウォーミングで言うことなし。
ニコラス・ケイジの善人っぷりと、天使のようなブリジット・フォンダのカップルを眺めてるだけ
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二十四の瞳(1954年製作の映画)

4.1

10年程前に小豆島へ旅行した際に、至る所にこの「二十四の瞳」にまつわるエピソードが掲示されていた。
当時は今のように映画を観る事に関心はなく、それぞれ読んだはずの説明文もよく覚えていない。
高峰秀子は
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長屋紳士録(1947年製作の映画)

3.9

擬似親子の関係性から、人情とは何たるやを噛み締める。
カチコチのおにぎりみたいな仏頂面がよく似た二人(笑)
トゲトゲしい言葉の数々にも負けないような頑固強さが見え隠れする坊やは、確かに将来有望かも?
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銀座化粧(1951年製作の映画)

3.8

シングルマザーで頑張る姐さん、田中絹代。
彼女の周りには金に目敏くケチな男ばかりで、とにかく誰も彼もだらしなくて汚らしくて情けない。
「男はケダモノと思っていれば間違いないわね」...そうかもしれない
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彼岸花(1958年製作の映画)

3.9

父と娘、とくれば。
いつか来たる娘の嫁入りを心配する父親、というのは最早テッパン。
父親同士のおとぼけかつコミカルなやりとりや、娘同士の協定等、お互い知らぬ所で戦う(?)準備が出来てるのが面白い。
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流れる(1956年製作の映画)

3.8

芸者の表と裏に込められた苦楽を、女中に寄り添った目線で描いた本作。
オールスターといってもいい布陣、華やかさの裏に隠れた悲哀を見事な演技合戦でいきいきと魅せる。
山田五十鈴の儚げな色気、しゃかりきとし
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めし(1951年製作の映画)

3.9

倦怠期の夫婦がメインというのが「驟雨」とよく似ている。
姪っ子が遊びに来る所も同じ...だけれど、本作の姪・里子は自分が可愛いばかりの我儘で(確かに文句無しに可愛い)、悪気ないふうを装って、徐々に夫婦
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妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)

3.8

思いの外、なかなか考えさせられる内容だった。
端的にいえばクズな父親なんだろうけれども、本妻と比べて、妾の雪子の魅力が勝ちすぎていて...女の立場としては共感したくはないけれど、父の気持ちも理解出来て
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おかあさん(1952年製作の映画)

3.9

田中絹代のお母さんがめちゃくちゃ良い。
娘の花嫁姿を思い描いて、幸せと寂しさを噛み締めるような表情には胸がいっぱいになった。
大好きなおかあさん...その呼びかけが胸に染みるのも、作中で母娘に深い親し
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