ゆいこ

妻よ薔薇のやうにのゆいこのレビュー・感想・評価

妻よ薔薇のやうに(1935年製作の映画)
3.8
思いの外、なかなか考えさせられる内容だった。
端的にいえばクズな父親なんだろうけれども、本妻と比べて、妾の雪子の魅力が勝ちすぎていて...女の立場としては共感したくはないけれど、父の気持ちも理解出来てしまう。
実の娘にさえ、負けと言わせてしまう哀しさ。
父にしろ母にしろ、とにかく親という役割が向いてなかったんだろう。
向き不向きで迷惑被るなんて、子どもからすればたまったものではないけれど。
この噛み合わない夫婦以外の人々が立派であればこそ成り立つ仲だと思った。
重苦しくなってしまいそうなテーマの中で、若い恋人二人の公平で信用のある関係性が、明るい雰囲気をもたらしていた。
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