ゆいこ

浮草のゆいこのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
4.0
旅の一座、その座長を中心に展開する人間関係。
この一行が皆イキイキしていて面白い。
嫉妬深いのは情の深さの表れ。
そんな風に感じるような、マチ子姉さんの熱い激しさが素敵だった。
小悪魔のようでいて、根は素直な若尾文子がいじらしくて可愛かった。
辛抱強い妻を演じる杉村春子の涙にやられた。
親方を取り巻く女性陣がとにかく魅力的。
どこか情けなさを隠しきれない男性陣も、それがまた良かったりして。
それにしても、着物を纏った女性がゆらゆらと団扇を扇ぐ素振りって、艶やかで美しい。
その場面の度に見惚れてしまった。
寒いこの時期に観たけれど、画面越しにじっとりとした暑さが伝わってくるようで、映画の凄さみたいなものをふと思った。
ゆいこ

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