ゆいこ

乱れるのゆいこのレビュー・感想・評価

乱れる(1964年製作の映画)
3.9
慎ましやかな兄嫁と、義弟の関係性。
18年もの歳月は、どちらにとっても果たして”犠牲”では無かったのか。
亡くした夫に一途に過ごしてきた礼子が、女性としての幸せを思い出し始めた矢先の結末だと思うと余りに辛い。
ずっと近くにいながら、余りにも性急に目の前を通り過ぎていった幸司。
彼の憎めない軽薄さで、礼子がこの先何度でも笑えたなら良かったのにと思ってしまう。
直前の列車での微笑ましい場面を思い起こすと、一層哀しみが胸に突き刺さる。
かき乱された気持ちを持て余し、どこかで自分を許しきれなかったであろう礼子の気持ちが辛い。
ゆいこ

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