ジェルボールさんの映画レビュー・感想・評価

ジェルボール

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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.6

色んなところであらすじ読んでみたけど、最後がなんかポップな感じの伸ばし棒(長音符)なんだかダッシュなんだか、細かいことが気になる
なぜかというと、前者の調子でA24だしと勝手にライカートの異色作を想像
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赤い唇/闇の乙女(1971年製作の映画)

4.5

有り体にいえば、奇妙な官能がある
早々に身バレ/ネタバレしつつも、不時着なところは不時着なままで、転調と変拍子を駆使してんのに妙にポップとでもいうような
階段の反復が妙にツボ 衣装もカットも展開も感覚
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思い出(1986年製作の映画)

3.5

美しいものを捉えることができるゲリンの“思い出”、というだけで有り難がるのは難しい

アナへの2通の手紙(2010年製作の映画)

3.9

絵画の上にオブジェクトを投影したりして、独り語りゴダールやストローブ=ユイレ的な感じで映像表現はタブローの継承みたいなことが語られ辟易しかけていると、ハッとするような湖面の反映やざわめくような木々の映>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.9

髪切られすぎてここで笑うんだ、ぐらいで映画への構えがなくなって、そこからの内容は思い出しても泣いてしまうのでなんか書けない めちゃくちゃ包容力のある映画
途中で上映時間119分というのを思い出して幸せ
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ある朝の思い出(2011年製作の映画)

3.7

初めの枝葉で感覚に対する確信に近いものを持つんだけど、対象が人や出来事になると張り詰めたものがなくなってしまうというか、内容自体は身につまされるのに上滑りしてしまう

ヴェルクマイスター・ハーモニー 4Kレストア版(2000年製作の映画)

4.3

タルベーラのモノクロと長回しについては何千回と語られているが、この内容で作り手の厭世観みたいなものに染まらないのは改めてクールだなと思えた

システムを浮き彫りにするのが意図としたら、こぼれ落ちそうな
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ヘウォンの恋愛日記(2013年製作の映画)

4.0

ヒロインがちょいちょい酒を呷る気持ちがよくわかる あとお馴染みの、おやおやと思うようなズーム

スピリッツ・オブ・ジ・エア(1988年製作の映画)

4.0

オレンジの砂とエメラルドの空、浮かぶ白い雲、乾いた風に巻き上がる砂埃、風化した板壁、鉄屑

そんな環境で長年暮らす者と何かから逃げる者が交わり、心を寄せたり警戒しながら、人力飛行機のテストランを続け、
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FUCK(2005年製作の映画)

4.0

この話題に無関係な人はいないってな感じで、立場は違えど皆、話がいきいきしていてよかった チャックDが出ているし観てみるかぐらいだったけど、レニーブルースやジョージカーリンといった伝説的なコメディアンの>>続きを読む

月の寵児たち(1985年製作の映画)

4.1

性悪説的な、子供ですら煙草吸ってるし、見かけによらず登場人物の誰一人としてクリーンじゃない感じのイオセリアーニらしい群像劇なんだが、まだそこに温かみも冷たさもない感じというか
大の大人が大真面目に銅像
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さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

4.9

細かいどうこうより、オーバーラップで移り変わる光景に服に言い回しにと、アメリカ映画ならではが満ち溢れていてたまらなくなる
日蓮正宗の集会で、信者の高揚感と対照的に「なんだか嫌な感じがする」ってセリフが
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.3

『誰のせいでもない』以来観たけど、観た人だけわかればそれでいいと思える、そんな映画
役所広司はとてもいい俳優ということと、墨田の心象風景が映っていたというだけで胸がいっぱい 平時の感情や物音に満ちてい
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愛して飲んで歌って(2014年製作の映画)

4.0

カラフルな書き割りによる明らかな虚構、それをカメラで映画化するミックススタイルなのだが、愛憎劇で人生の妙を感じさせもして、始末が悪い印象を持たれるのもなんか納得
ただ自分にとっては妙にもっともらしい映
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26世紀青年(2006年製作の映画)

3.1

まったくハラハラはしなかったけど、眠くもならず、ほどほどに風刺とユーモアがある感じ

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.8

墨田区〜台東区のショットは、この瞬間を捉えたか、っていう 網膜から火花がでそうなくらい私的にハッとした瞬間が多くてびっくりした 川や街並みが好きで何年も住んだ場所で、昼も夜も何度も、川沿いをランニング>>続きを読む

セントラル・ヴァレー(1999年製作の映画)

3.9

初めのカットでカリフォルニアトリロジーのつながりが確認できたし、特集8本全コンプということで、なんとなく感慨が‥
と思っていたら、割と序盤で中弛みを感じ、ショットがどうこうというより、各カットが何を担
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ソゴビ(2002年製作の映画)

4.2

時期も傾向も13 LakesやTen Skiesに近いこともあって、良さそうな予感があったが、本当にそんな感じだった
湖や空で絞ってるそれらと比べてバラつきがあるし、各カットの規則性が読み取れず感覚的
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ロス(2000年製作の映画)

3.5

ベニングのなかで最も眠かった セントラル・ヴァレーは観逃したが、カリフォルニアトリロジーという連作の最初に観て不安になってしまった

密集した牛のインパクトでこの映画にピントが合ってきたものの、全体、
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キャスティング・ア・グランス(2007年製作の映画)

3.8

コンセプトがあるのはわかるのだが、13 LakesやTen Skiesとかのほうが素直に没入できるぶん、ランドアートの厭味を感じてしまったのと、フィルムかプリントの荒さがハマらなかったので、デジタルで>>続きを読む

ランドスケープ・スーサイド(1986年製作の映画)

4.3

再見、2回目 11×14と違い、こちらは初見時よりも俄然良く思えた ここまでベニングの他の上映を観てきて、ほとんど人物不在で変化に乏しい画面を観続けていたことも大いに作用していると思うし、字幕付きなの>>続きを読む

11×14(1977年製作の映画)

3.9

13 Lakesと並ぶ個人的フェイバリット‥かと思いきや、スクリーンで&久々に観たら、結構忘れていたし少し印象が違った

先頭車両のカットは初見時より感動が薄れてしまったのと、ディランのBlack D
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RR(2007年製作の映画)

3.8

RR=Railroadで、画面を横断・縦断する列車のカットで構成した映画
序盤、構図はキマっていても、あくまで予感止まりで辟易しかけていたところ、フレーム内で列車の上り下りがすれ違ったり、停車したり、
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アレンズワース(2022年製作の映画)

4.1

フィルマに上がってないだけで、実は近年も結構撮ってるベニングだが、スタイルがスタイルなので、これだけで特筆するのもムズいな

馬小屋でレッドベリー流れたのと、最後のカットでの飛行音?ドローンがよかった
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孤独な場所で(1950年製作の映画)

4.0

短気は損気的な話 ヒロインもっと探ればいいのにとか、最後もっと弁解すればとかもどかしく思うものの、この時代のノワールは全体やプロットで語る映画が多いし、それなりに飲み込める話ではある 脳内でボガートが>>続きを読む

天使の影(1976年製作の映画)

3.4

いま思えばそらそうなのだが、ファスビンダー×シュミットだからと言って、それぞれの最良の部分がミックスされるとは限らんのだなと 基本的にぼんやりしてたけど、娼婦が入れ替わり立ち替わりの横移動シーンは少し>>続きを読む

悦楽の闇(1975年製作の映画)

3.6

観てきたグリッフィのなかでは、比較的まともというか、大人しめな印象 非日常的な貴族世界の設定が、キャラクターのサイコパスさを必要とせず、ちょっとやそっとの奇行も打ち消してしまうからか 執事が尻を触ると>>続きを読む

珍しい花の歌(1959年製作の映画)

3.7

花・押し花・彫金、そして花のモンタージュのリズム感・流れ、ギター弾き倒してるのと相まって、そこら辺とかよかった ただただ花、立ち込める雲なんかでハッとしてベニングが過ぎる、こちらはハイテンポだけど ア>>続きを読む

水彩画(1958年製作の映画)

3.8

短いけど、“四月”よりも秀作に思えた セリフの違いだろうか 比較するものでもないかもだが、男女間の見せ方もこっちのが好き それぞれ顔が半々のショットとかハッとしたな

四月(1962年製作の映画)

3.7

サイレントでも成立しそうな映像だっただけに、切り離せば実験音楽的な効果音がうるさく感じてしまったが、グラスが割れる音が可愛かったので良しとする 空間設計的な以降の良さもこの頃から確認できて、画になるシ>>続きを読む

落葉(1966年製作の映画)

4.2

2000年前後のタイトルではまり、その後にシネマヴェーラで観た田園詩がそこまでだったので期待値は低かったのだが、すごくよかった 
音の出し入れ、遭遇とかポリフォニックな感じ、張り詰めてはいないけど、た
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渇き(1957年製作の映画)

4.5

55年夫妻とそこまで大差がないはずなのに、どのくらいマジなのかわからない、大作にしようとしている感で好みが分かれると思う もっとシリアスさに比重を置いた紙の花を思うと、ここがギリギリのバランスだったの>>続きを読む

紙の花(1959年製作の映画)

3.7

眠くさせず、最後まで観てしまうのだが、このようなシナリオに148分も付き合わされることに虚無感を覚える ところで、娘との別離で飲んだくれる時の変に可愛らしい効果はなんなんだ

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