ジェルボールさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ジェルボール

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渇き(1957年製作の映画)

4.5

55年夫妻とそこまで大差がないはずなのに、どのくらいマジなのかわからない、大作にしようとしている感で好みが分かれると思う もっとシリアスさに比重を置いた紙の花を思うと、ここがギリギリのバランスだったの>>続きを読む

紙の花(1959年製作の映画)

3.7

眠くさせず、最後まで観てしまうのだが、このようなシナリオに148分も付き合わされることに虚無感を覚える ところで、娘との別離で飲んだくれる時の変に可愛らしい効果はなんなんだ

55年夫妻(1955年製作の映画)

4.6

ショットやテンポ、内容から、ルノワール、サーク、スクリューボールコメディなんかの印象が重なったが、歌劇の娯楽性も相まって、もっと軽やかで魔術的 時間を忘れるほど、久々に映画ならではのもので射抜かれた

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

3.7

松山ケンイチの連敗がさすがに不自然に思えたが、役自体ははまっていて、ドラマに引き込まれた 祝勝会の帰り道〜去り際のショット、最後の舞のようなシャドーがよかった

なま夏(2005年製作の映画)

3.3

短いし、さんかくの監督のデビュー作だったので。このキモさが後に活きるんだなあという感じだが、みてる間の逃げ場のないキモさが堪える

ランディ・ローズ(2022年製作の映画)

3.1

詳しくないし限られた素材なのはわかるが、もっとオジー期のパート、というかライブシーンの割合を増やして欲しかった スチルと関係者インタビューが主なのはこの手の映画で仕方ないかもだが、QR内のゴタゴタばか>>続きを読む

さんかく(2010年製作の映画)

4.2

精神の軽薄さ、情念のもつれを見せつけられ、胸が詰まる 胸を抉り、恥部を晒されているような心地にさせられる傑作

埋もれ木(2005年製作の映画)

4.2

文体を持った映画を久々に観た気がする セットの設営やグリーンバックの用い方に、意図があることは後で知るのだが、映画自体が如実に物語っている

地方の空気やトーンも網膜レベルのリアリティがある 夜の墨黒
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百年の夢 デジタル・リマスター版(1972年製作の映画)

3.8

痩せた土地の老人の生活オムニバス のっけから実験的な音響で、想定と違い拍子抜けしたが、スチルなんかも含め、対象との距離感を手法で示しているんだろうか 手製バグパイプがいい感じ

風化して寂しげに見える
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ネイビーシールズ(2012年製作の映画)

3.8

詰まるところプロパガンダなので、命の重さ・取り扱いに偏りがあるものの、モノホンの兵器やアクション、隊員が出演という力の入れようで、迫力・説得力があり楽しめた

ラストの献辞が、翻訳上、男性女性や国籍関
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東京公園(2011年製作の映画)

4.0

ストーリー的には医者の奇行に端を発するものの、周辺の穏やかなドラマのほうに話が傾いて、比重としてはそちらの方が大きい。

本来、異質要素であるはずの幽霊も地味な扱いで、意図するところと思うが、これ何気
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パプリカ(2006年製作の映画)

3.7

サイコで明晰なアシッド“風”アニメ。ご丁寧にピンクの象まで出てくる。総和を超える感じというよりは緻密に作られた世界観という感じ。ガラージュしかプレイしたことないが、歪みゲー的な感覚。アニメーション全体>>続きを読む

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)

4.8

ほとんどアニメ観ないのもあるかもだが、泣きすぎて冷静な評価ができない。見えないものの扱い、圧倒するアニミズム。終わり方までなんて素晴らしいんだ。ちょっと藤原さくら買ってくる

酒中日記(2015年製作の映画)

3.3

これ飲まずに観たら、てか酒飲まない人はもっと退屈だと思うが、どこにでもあるような酒席の光景、昭和文化人のサロン的な、隔世の感ある思い出話を退屈なホステス目線で観てた

プチ犯罪とか、辛うじて興味もてる
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エリ・エリ・レマ・サバクタニ(2005年製作の映画)

4.0

レミング症候群だったか、死にたくなる症状をノイズミュージックが浄化するという、そんな話

前半のライブシーンは暴力温泉芸者の延長みたいなやつで(ちゃんと聴いたことはないけど)、最後の浅野忠信は屋外の開
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リズと青い鳥(2018年製作の映画)

4.1

初・京アニ あまりアニメを観ないので、キャラと背景を描き分けるリアリティの差にしばらく違和感を拭えないでいたが、まんまと泣かされた 音響やミニマルなパターンで、いかにも行き届いてますってかんじだったけ>>続きを読む

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)

3.6

かなりキツし ジャンキーの無為な時間を見せられ続けるのを不毛とするかどうかだが、時間を共有したような、体感的なものは残る

もっと長い映画を一睡もせずに観たりはしているけれど、これは寝てもいいと思う 
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MAD探偵 7人の容疑者(2007年製作の映画)

3.6

人の内面が見える探偵=主人公、多重人格の人物の見せ方なんかがユニークではあるけど、混乱のほうが勝ってノレなかった 自身の能力に自覚がある割りには、主観上はほばパラレルワールド 暗めの画が光っていただけ>>続きを読む

奪命金(2011年製作の映画)

3.5

トーはアクションないと地味ですな 悪くないけど、刺された痛みぐらいしか身に迫るものがない 逃げ切る感じはクールで良い

風にそよぐ草(2009年製作の映画)

4.3

穏やかに狂っている中高年のラブコメ。マリエンバードだとグリエの名もあり、構えて観ることができるが、こちらは野に咲く花のアルカロイドといった感じ。原題もそんなニュアンスだし。

誰がまともかわからない情
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ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.9

以前の監督作より振り切っててよかった。それっぽい映像と中身のなさが結実した佳作。ブリッジがクセになる。

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.9

ギヨームブラック、高を括って観ずにきたことを激しく後悔。どのシーンがショットがとか些事みたいなもので、まるごと好きだ。頼むから何度でもヴァカンス映画を撮り続けてくれ。これまでジャックロジエが不動の一位>>続きを読む

浮草(1959年製作の映画)

4.5

空虚な形式に思えたのが、終盤は役柄それぞれの立場からぐんぐん心をつかまれる。明らかな視覚性に改まった感慨こそなかったが、白黒の衣装がどれも一際美しく、モンドリアンみたいなトリコロールのガラス戸のショッ>>続きを読む

香も高きケンタッキー(1925年製作の映画)

3.9

あえて馬映画なんて呼ばなくても、馬の映画。待機時間で尻痛し、シネフィルの執念に恐れ入りました。内容も人並みに感動したけど、最後のレースを走る、柵越しの馬脚がチカチカしていて印象に残った。あと車の往来、>>続きを読む

誉れの一番乗(1926年製作の映画)

3.1

刺さらなくて眠すぎた。三悪人と同年の公開だが。劇場では所々、穏やかな笑いが起きていたので悪い映画ではないはず、なのだが。
個人的に劇伴がハマらなかった可能性もあり。ショットの印象もまるで残っていない。

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

4.0

どのキャラクターとも気質的には合わなかったが、目を引くルックとやり切れなさが印象に残る。
紛れもなくアメリカ映画的な、広がる地平とロードムービーの単調さ、そこにナルコレプシーの設定が加わることで、セー
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.9

ほとんどポスタービジュアルに惹かれて観たようなものなので、テーマがみえた時には苦手意識で息が詰まりそうだったが、目を背けがちなことに向き合っているということであって、映画的にはキャラクターや脚本が生き>>続きを読む

彼岸花(1958年製作の映画)

4.2

やはり上質。劇伴が見事。微かに聴こえるピアノ、気の利いたトリックにまんまとはまり戸惑う父の佇まいを別次元に持ってく演出効果など。

小津映画のノーブルな言葉遣いがツボなので、“失敬”とか老若男女の使う
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デヴィッド・バーンの トゥルー・ストーリー(1986年製作の映画)

3.9

テキサス、大陸的。単調で退屈するが、風変わりな穏やかさで、なんやかんや嫌いになれない “細部を忘れることで、現実の姿が見える”

細い目(2004年製作の映画)

4.4

タレンタイムがいかに厭味のない映画だったかを思い返すと同時に、こちらのほうが映画してて好きだと思った。ショットの印象、やるせない余韻。

常連?俳優の愛らしさ、ヒロインの家庭でのシーンの掛け合いをみて
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