ジェルボール

浮草のジェルボールのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
4.5
空虚な形式に思えたのが、終盤は役柄それぞれの立場からぐんぐん心をつかまれる。明らかな視覚性に改まった感慨こそなかったが、白黒の衣装がどれも一際美しく、モンドリアンみたいなトリコロールのガラス戸のショットから白基調の座敷ショットへのドンデンの瞬間には瞳孔が全開になった。

雨のシーンと駅の待合室にいた京マチ子に胸を撃ち抜かれる。あと若尾文子は実在を疑うほど可愛い。