科学実験のモルモットたちは、永遠の宇宙の旅路で人類進歩の下劣を見る黙示録的映画。
入り組んで歪曲した構成。荘厳な音楽がとっても不気味に、宇宙を彷徨い続ける悲惨さを見せつける。『2001年〜』っぽい。>>続きを読む
「書くことが何より好きなら君はすでに作家だ」というリルケの詩集『若き詩人からの手紙』の一節にはグッとくるものがあるし、この映画のテーマをよく表している。
デロリスも二流止まりの大物スターではないし、リ>>続きを読む
他人がステーキを食べると、もう一方の人間は食べていないのにその味と満腹感を味わう。他人の記憶や知覚を共有することができれば、どうなるのだろうかという純粋な空想科学が詰まった映画、『ブレインストーム』。>>続きを読む
突然、死んだはずの友人から電話がかかり、人生のセカンドチャンスが訪れ、過去から解き放たれる。アーサー・ハミルトンはこの世にはもういない。容姿端麗なボヘミアン的な生活が用意された。新しい名前は、トニー・>>続きを読む
消息が絶たれた遠征隊の生き残りをとある外惑星で見つける。大人気となった万能ロボ・ロビーや可愛らしい娘のアルタイラが、捜索隊一行を迎え入れてくれた。捜索隊は彼女に性的な興奮を覚えると同時に、父親以外の男>>続きを読む
SFという言葉もない時代に、映画のパイオニアであるフランスのジョルジュ・メリエスは甥の「月の上の風景を映画で見てみたい」という言葉をきっかけに、『月世界旅行』を作る。
地球の衛星、月に向かうべく宇宙>>続きを読む
暗澹たる空想科学とフィルム・ノワールに隠れたカニバリズム映画。
家を一歩出ると、階段を寝床にしている人がうじゃうじゃ。足の踏み場もない。見ているだけなのに、窮屈さで苦しくなりそう。この映画は、どこに>>続きを読む
ミクロ化したタックが迷い込むのは人間の体内。体内には宇宙があると言わんばかりの不思議なアドベンチャーが詰まっている。ジャックの体内から脱出するため、網膜や鼓膜を通して、ジャックにコンタクトを図る。>>続きを読む
ストレートすぎるラブロマンスは、縁もゆかりもなさすぎて観るに耐えないのでひねりが欲しい。『セブンティーン・アゲイン』はまさにそんな時にとっておきの映画で、摩訶不思議な時間旅行というファンタジーを通して>>続きを読む
人間の腐敗に神さまが大洪水を起こした「ノアの箱舟」を大胆に惑星衝突にすり替えたこの映画。かつて方舟が人類を救ったのなら、今度はロケットの出番。
生き残れる側の前向きな脱出奮闘劇であって、娯楽映画のル>>続きを読む
SF映画のイメージを決定付けた分かりやすい地球侵略映画として、50'sのSF映画黄金期の中でも特に輝いている。
軍人と科学者がタッグを組んで、未知の敵に挑むスタイルは、怪獣映画のはしり的な共闘がたの>>続きを読む
私はまた、あの幸せな日々に戻れるのかしら。
浮気性の父のもとで育った彼女は、自分もまた遊び人であり、自由を謳歌していた。ある日突然、父はアンヌという可憐な女性と婚約することを決める。途端、アンヌは彼>>続きを読む
どんなメイクアップも常闇に見る人間の想像力には敵わない。ハンディーカムのリアルな質感とブレ感で、何かが今にも出てきそうな予感。
そこらへんで拾ったビデオを家で再生してみたらこれが写ってて、息ができなく>>続きを読む
ときどきこういう10代のストレートで不器用なセックスコメディを見て、シンプルさに戻りたくなる。
「悪魔が巧妙なのは、自らの存在を隠しおおせているからだ」
気を抜いてみてたから冒頭、時系列で戸惑った。
帰る場所はあるけど、安心して帰りたいと思う場所はない。
美しすぎるし、欲望に汚すぎる。
大きな成功を得るために、清純な彼女の野心は黒く汚れる。彼女が生きるにはこの世界は汚すぎるのか、この世界で何かを掴>>続きを読む
「エクス・マキナ」と同じ不穏なにおい。
薬漬けの毎日。情緒は押さえつけられ、割り当てられた仕事をひたすら繰り返す。懺悔室にあるジーザスの絵と決まり文句しか発しない録音テープに向かって、自分の罪を告白>>続きを読む
8人の大統領に仕えた黒人執事のユージン・アレンの半生を通してアメリカ史と黒人史の切り離せない歴史を学ぶ。
座り込み運動、非暴力で黒人運動活動家の息子と白人に仕える父との対立。息子の存在はフィクションだ>>続きを読む
典型的なサスペンス映画ではない。娼婦でありながら女優、モデルの夢を抱き、自己矛盾に葛藤しながら都会の退廃に飲まれていく。それにフリーラブとジェラシーの矛盾も抱えてる。そこに田舎の私立探偵ジョン・クルー>>続きを読む
母の愛は神の愛に等しく、どんな不幸が訪れてもボーはその愛を絶やさないでいられるか。理不尽さには理由があってボーが何をしたのか想像する。ボーはユダヤ文化圏において禁忌とされてる行動をかなりしているらしい>>続きを読む
ジョークとシリアスのバランスがあんまり好みじゃないかな。
実在のエクソシスト、アモルト神父について少し調べてみた。彼のエクソシズムの様子をYouTubeで見る。ごく普通の女性が発する男の声が混じったよ>>続きを読む
異常な母性愛に見る不気味な独占欲。隣人の過干渉と無関心。夫の自責と従順さ。食べること。殺すこと。粒だててその全てに妙な後味の悪さがある。
食人木の気味の悪さはもちろんだけど、登場人物の全員がどこかお>>続きを読む
前に見た時よりも面白がれてる自分がいた。カウリスマキ作品見た後だと、最後のヘルシンキ編に出てきた人たちにすごく親近感。見るたびに好きなエピソードが変わって楽しい。
ティナ・ウェイマスのベースの弾き方にグッときて、トム・トム・クラブが好きになった。映画を見てる途中で疲れて眠たくなってくると、気分が少し整理されてきた。疲れるとどうでも良い悩みとか吹っ飛ぶ。意味を求め>>続きを読む
理髪店の店主がギターを弾きながら、「just call me lonesome from now(これから俺のことは寂しがりや屋と呼んでくれ)」と歌うシーンが好きすぎて調べてみたんだけど、call m>>続きを読む
Mac DeMarcoが突然出てきて、ビックリした。
痛いこと、辛いこと、悲しいことがどうしても忘れられない時は、新しいものがそれを塗り替えてくれるまでじっと待つしかない。忘れるまで食べて、寝て、ごち>>続きを読む