オリヴェイラの「顔」への執着、死んでいく人々、足を引きずる人、扉とガラスの魔力、彼方からの手紙。葬送の物語。視線の力学が作動した時から結末は決まっている。
終盤、フレームの外へ退場していく人物たちに…
鑑賞記録。
マノエル・ド・オリヴェイラ。
主演はマルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの娘、キアッラ。
監督作品の常連、レオノール・シルヴェイラ、ルイス・ミゲル・シントラの出演も嬉しい、…
はじめの切り返しで視線が交錯していた。同じ空間にいるという根拠もない、虚構でしかないのに、何かに惹かれるようにふりむくことで、男女が見つめ合うだけで恋愛の劇がはじまる。つまり、視線の劇。しだいに視線…
>>続きを読む夫が亡くなってからの、有名歌手の迫り方が、奇妙な単旋律の音楽(執拗なインターホンで途切れる)と相俟って、急にサスペンス風の演出になるけど、オリヴェイラ的には「こんなのも出来るんだよ?」感があって、マ…
>>続きを読むはづかしい恋心、
不思議な、瑞々しさに満ちた映画。
ヒロインの感情の動きはまるで少女のようで理解できなくはないのだけれど、不思議。
真面目にこのようなことに悩める感受性が羨ましくもあり、あほら…
キアラ・マストロヤンニが受ける男たちからの静かな視線にカットバックする彼女の視線によって、傷つけられながらも惹き付けられる男たちとの関係は決して対等なものにならず、その不均衡な愛の関係は内に秘められ…
>>続きを読むサングラスをかけた男から視線を感じて好きになるっていう無茶苦茶な話(古典らしいけど未読)を演出でアリにしちゃうのはすげー。
葬式で彼が彼女の前に現れて「お悔やみを」って言うところとか、突然画面の中…
振り向き、眼差しの邂逅を通過するだけで、なぜここまでいいと思えるのか、畢竟、それが演出における実感であり、デクパージュもそうだが、眼差しを捉えたということがそのカットのOKの基準でしかない。そしてま…
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