千利休さんの映画レビュー・感想・評価

千利休

千利休

鏡の中の女(1975年製作の映画)

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話は圧倒的につまらないが、内的表現のレパートリーとその迫真ぶりは凄い。結局巨匠になってもこの手の表現はDIY精神で生み出すしかないことが分かる。そしてそれが非常に映画的で良い。暗闇の使い方。リヴ・ウル>>続きを読む

ドレミファ娘の血は騒ぐ(1985年製作の映画)

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真にゴダールリスペクトな映画を作りたいなら、彼の精神性に敬意を捧げる以上のことをしてはいけないのではないだろうか。その点、単なるゴダールの真似よりも色んな作家のサンプリング作品の側面が強く出てるから、>>続きを読む

勇者たちの休息(2016年製作の映画)

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ギョーム・ブラック自身も自転車を愛してるんだろうなとは思うけど、カメラからはそこまでそれを感じなかった気がする。

7月の物語(2017年製作の映画)

4.1

巧いとは思ったけど(特に第二部)、なんかかなり薄められたカルピスみたいだなと思った。2010年くらいのホン・サンスを強く感じた。この手の話は、どれくらい"あるある"にしてどれくらいパーソナルにするかの>>続きを読む

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)

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原作読んでから観た。キャスティングはめちゃくちゃ良いと思う。実際小説読んでるときのイメージはあの3人に限りなく近かった。ただし、町の作品のはずなのにその閉塞ぶりがあまり伝わってこなかったのと、達夫にP>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.3

記憶のヴァカンスなのだと思う。とにかく切断を強く感じさせる。唐突なラストもそう。東京でこれをやるとしたら多摩らへんに行けばいいのだろうか。黒人をどう美しく撮るかに関しては、下手したらアメリカの作家より>>続きを読む

やさしい人(2013年製作の映画)

4.5

ストーリーの気持ち悪さ、着眼点が見事だと思う。そしてこの人は省略が巧い。因果や理屈よりもテンポを選ぶ。ある意味ギョーム・ブラックらしいのからしくないのか分からない作品だけれども、そのジャンル横断ぶりは>>続きを読む

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

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ブライアンの顔が統失の顔すぎて終始うわってなってしまった。ドキュメンタリーとしての質はかなり低いと思う。クレジットの安っぽいエフェクトは観るに耐えず、そのほかも全体的に安っぽすぎる。本当にユニバーサル>>続きを読む

1/880000の孤独(1978年製作の映画)

4.2

タクシードライバー系譜。それこそベネッセのそういう動画のテンプレ表現からは遠い表現していて、ちゃんとリアリティがあるので良い。覗いてた女の子の話、もうちょい膨らませても良かったのでは?

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)

4.2

暴力的な乱射(獣に)とキスの阻止の皮肉っぽさがヘイズ・コードに対してな気がする。主演女優の魅力はあまり伝わってこないが、ラストの見応えだけでお釣りがくる。

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.0

LAの空がまんまあの頃の映画のそれだった。『ラヴ・ストリームス』の夕日を思い出した。それにしても、意図的にノスタルジーを介入させないようにしていた気がする。「あの頃は良かった。」というノスタルジー映画>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

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再見。クリストファー・ドイルをカメラに据えたことが吉と出ている。単純に撮影が上手くなったおかげで、前作で強く感じた低予算のキツいチープさが薄れていて良い。

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

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再見。やっぱりテーマが良いよね。好きな表現がたくさん。

失われた週末(1945年製作の映画)

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ウジウジ男は嫌いだが、この女性表象には可能性を感じる。ワイルダー作品はやっぱり怖い。

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

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撮られるべきして撮られた作品。仮にアケルマンがこれを撮っていなくても必ず誰かが撮るだろうし、だからこそ誰にでも撮れそうな作品だなとは思ってしまったが、それでも器用にまとめあげる才能は本物。やっぱりアケ>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

4.3

冒頭の映写機を回す男の頭の影がスクリーンに映る衝撃。まだ映画のメタ表現で目新しいものがあったのかと戦慄した。『ジャンヌ・ディエルマン』のときに感じだ被写体の遠さを感じず、明らかにこの映画は顔を撮ろうと>>続きを読む

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

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及第点。説明過多なのはもう言及しようとも思わない。とにかく原作に忠実。それゆえにマンガ表現からアニメ表現への置き換えが行われていない部分が気になった。よく見ると不自然なところが結構ある。あとこれは原作>>続きを読む

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