千利休

リコリス・ピザの千利休のレビュー・感想・評価

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)
4.0
LAの空がまんまあの頃の映画のそれだった。『ラヴ・ストリームス』の夕日を思い出した。それにしても、意図的にノスタルジーを介入させないようにしていた気がする。「あの頃は良かった。」というノスタルジー映画の図式を選択せず、ただ純粋に70年代を撮りたい、もっと言えば70年代映画の模倣をしたいという強い欲求のみによって作られていたように思う。この映画の真価は、70年代青春映画と併映されたときに発揮されるのではないだろうか。音楽で言うならば、Bobby OrozaやMamas Gunが70年代甘茶ソウルのプレイリストに、現代のアーティストとは知らずに入れられているように。2回目を観るなら、どこかアメリカの田舎の寂れた映画館で字幕無しで観てみたいと思ったり。同じ70年代でも、あの頃を撮った『ブギーナイツ』とあの頃の映画を作った『リコリス・ピザ』の違いは特に音楽に顕著だったと思う。
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